日本のコーチング業界の第一人者、チームフローの創設者、平本あきおさんのセミナーに参加してきました。
優秀なコーチを日本で多数輩出しているチームフローの代表というだけあり、ずっと話を聞いてみたいと思っていました。自身の持っているコーチングストラテジーとの違いは何か、そして実際にどのようなコミュニケーションをとられるのか等々、大きな興味を抱きつつお話を伺いました。

◆コーチング事例その1:女子大生の起業ストーリー
フレンチトーストの店が流行ると思い、専門のカフェを大学生時にオープン。もともと、ケータリングで食事を人に提供するのが好きだった。この価値観をもとにコーチング。
マンション地下の全く人の入っていないカフェを無料で借りたところからスタート。彼女は資源は何もなかったが心の状態が良かった(リソースフル)ため、成功できた。

◆渡米時
アドラー心理学を大学院で勉強していた。
単位を取得するためにコーチングを実施する必要があったが、外国人という理由でお客がつかない。
迷った挙句、黒人の小学校、そして刑務所を訪問。
病んでいる人も多かったが、「将来どうしたいの?」と聞いているだけで元気になっていった。
仕事を辞める時は、嫌だから逃げで辞めるのではなく、その環境を最高にしてから辞めること。
自分の心の状態は、頭の中の自分の声で決まる。

◆帰国後
友人宅を寝袋で転々とする生活。「惨めな自分・・・」だとは全く思わなかった。
どうすればこれを美談にできるかだけを考えていた。
※渡米時にフラれた彼女が付き合っていたEricという白人が60万/月のマンションに住んでいたから、
同クラスのものに住みたいと思っていた。
たまたま入居したマンションの前の住人がそのEricだった。引き寄せはある。

◆自分とのコミュニケーション = 自分軸 + リソースフル
※日本人はリソース(スキル、資金、人脈等)ばかり注目しがちだが、大切なのは心の状態。
自分とコミュニケーションがとれるようになると、挑戦するステージに入るため、人とのコミュニケーションで軋轢が生じるようになる。
◆人とのコミュニケーション = 立場力(相手の立場に立って考える力)+ 伝わる技術
相手を傷つけず、伝えたいことを伝える、アサーティブという技術がある

◆2つの質問
もし制限なしにどこでも自由に行けるとしたらどこに行きたい?
それはどうして?
旅をするのに目的地は決めるけど、人生の目的地を決めずに放浪している人が多い。

目標達成している人で目標を明確にし、逆算思考で達成している人は全体の20%。
残りの80%は、日々、価値観に沿って行動し、その結果達成している。
※目標を設定することについてストレスを感じないようであればOK
目標より目的。自分軸(どうなりたいか)を持つことが大事。
起業でも自分軸をしっかりと持ち、事業の隅々にまでその意思が浸透していればお客はつく。
ダイエットも自分軸。なぜ痩せたいの?本当はデートがしたいから等、深いところにある目的を明確に。
過去の良かった出来事から価値観を紡ぎ、将来を組み立てていくのがコーチング。

◆ディズニーストラテジーの3つの部屋
ドリーマー、クリティクス、リアリストの3つで考える。
夢だけ膨らませてもダメ。批判ができていないことを指摘してくれ、夢と統合して現実にできる。
頭の中でケンカさせない。外に出してしまうと客観的に考えられる。

◆コーチング事例その2:柔道の石井選手の場合
めめしい→したたか、飼い犬みたい→辛抱強い、自分らしい→なりふりかまわない
ネガティブなイメージを全て良いイメージの言葉に置き換え

アドラー心理学の全体論:心に生じることに矛盾はない
20kmで高速を走っていると逆に危ない。もうちょっと出しても大丈夫だよと教えてあげる。
その上で、ブレーキの使い方を教えてあげる。

◆質疑応答&その場でコーチング
頭で考えるばかりでなく、体を使う。(考えていることを体で表現する。なぜ進むことに抵抗があるのか。逆の立場に立って止める側の意見は?等)
うまくいっていた時をイメージ。離れてその様子を客観的にみてみる。なぜ良いのかが分かる。
講演前にすること:どんなお客さんが来るのかを名簿を確認しイメージ。


圧巻の2時間半。コーチングストラテジー、話し方、聴衆の巻き込み方、等々、学びの多いセミナーでした。 引き続き、氏の書籍などで学びを深めていきたいと思います。