アドラー心理学について勉強し始めました。
僕のコーチングストラテジーの柱はMy coachであるマイケル・ボルダックのUltimate Success Formulaなのですが、より効果の高いストラテジーになるよう、他の良い要素はどんどん取り入れようと思っています。

まずは、5つの前提事項から。
アドラー心理学は、目的論、全体論、社会統合論、仮想論、個人の主体性という5つの理論をベースに構築されています。
今日は目的論について説明します。
これは人の言動は、その根本に目的を持っていて、その方向に思考し行動しているという考え方です。
例えば、上司が怒るという事象に対し、目的論では「上司は何かしらの目的を達成するために怒っている」と考えます。言い方を変えると、その人独自の目的を達成するために怒る行動をとっているのだと見るのです。

これに対して、原因論という対になる考え方があります。これは、因果関係、原因があって結果があるという考えです。この場合、「上司は家庭環境がうまくいっていないから怒っている」など、原因を探ろうとします。

この世界の多くが、自然科学の因果律を土台に成立しているため、心理学の分野でも人間の行動について因果律で考えられていました。そこに一石を投じたのがアドラーです。
人間の思考や行動に対する新しい理論体系として、因果ではなく目的という別のアプローチを提唱したのです。

個人的には、因果関係が人間の思考や行動に影響を及ぼしていることも多々あると思っていて、どちらかが正しいというものではないと思います。この目的論の良い点は、相手とのコミュニケーションがうまくいかなかった場合、相手の立場にたって物事を考えるために目的論をベースに思考するというのが良いのではないかと思います。