デイビッド コルブ(David A. Kolb)が1984年に提唱した体験学習サイクル(Experiential Learning Cycle)というものがあります。
これは、知識付与型の学習とは別の、体験から学ぶ学習モデルをサイクルとして体系化したものです。
アカデミックな知識付与型の学習だけではなく、体験から学ぶ学習効果を織り込んでいくことで、より効果的な深い学習が可能となります。
実際に、学習と定着比率(Retention of Learning)について以下のようなことが言われています。
20%以下 :見る、聴く、読む
20%〜75%:経験する、議論する
75%以上 :コーチからフィードバックを得ながらその場で改善
Learning_Retention_Pyramid


上記からも、実際に経験すること、またそこからフィードバック等の学びを得て改善していくことが如何に大事かがわかると思います。

では、体験学習サイクルのプロセスを説明します。

1: 体験   Concrete Experience
 具体的な経験をする
2: 振返り  Reflective Observation
 経験を様々な視点から観察し振り返る
3: 一般化  Abstract Conceptualization
 振返った内容を抽象的概念化、一般化したりするなど分析する
4: 仮説実証 Active Experimentation
 分析内容を実社会に応用する仮説を立て、実験

Kolbは以下の能力があれば、より良い学習が可能になると加えています。
・学習者の積極的な参加、実践
・経験を様々な視点で捉える力、内省力
・分析力、コンセプチュアルスキル(複雑な事象を概念化する力)
・新たな概念を解決問題解決力、決断力

体験から学ぶというと安直に聞こえるかもしれませんが、実は結構奥が深いです。
日々の行動を常に分析している訳ではありませんし、人は皆自分の色メガネをかけているので、得ている情報にも偏りがあります。
また、学びを統合、一般化したり、次に活かす仮説なども常にできている人は少ないと思います。

この体験学習サイクルを頭に入れ、日常の全てのことを噛みしめ学びとしていければ人生も大きく変わっていくのではないでしょうか。

experiencial-learning