最近接発達領域(ZPD: Zone of Proximal Development)とは、
ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーが提唱した発達や教育に関する概念です。
※発達の最近接領域と呼ばれたりもします。
近年の発達心理学の研究でも引用されることが多い重要な考え方と言われています。

ZPDとは、
①学習者がひとりでできる領域(発達領域)と、
②仲間となら、又は支援があればできる領域(潜在的発達領域)
の差異(隔たり)であると言われています。
図にするとこんな感じ↓
ZPD

要は、ZPDが伸びしろの部分なので、学習者がZPDで学習を行えるような
学びの環境を整えることが大事であるということです。

学習者がZPDで学習を行うためには、そこへ誘う仲間や支援が必要です。
これをMKO(The more knowledgeble other)と言います。
MKOは講師やコーチ、友人、親、兄弟、などで、
自分よりも深い理解や高いスキルを有した人(物:コンピューターも可)とされ、
学習者の認知を深め促進する役割を担っています。

そんなMKOの適切な働きかけがZPDへの足場をつくり(Scaffolding)
学習者は自分ひとりでは行けない領域での大きな成長を遂げることができるというわけです。
足場づくりのための”適切な働きかけ”については
Wood and Middleton(1975)等により以下のような例が挙げられています。
・興味づけ
・勇気づけ
・シンプルなタスク
・デモンストレーション
・明確な指導
コーチやファシリテーターの学習者の支援方法についてままだまだ手法がありますので、
ここでは全て解説することは割愛したいと思います。

最後にZPDについてまとめましょう。
①学習者の大きな成長のためには自分ひとりでは行けない領域(ZPD)での学習が必要である
②学習者がZPDに踏み込むためには、MKOの存在が必要不可欠である
③MKOの適切な働きかけにより、ZPDへの足場(Scaffold)がつくられる


筋トレでも正にこの理論は正しいと実感しています。
自分よりトレーニングや筋肉に詳しい仲間がいて、知識の伝達、トレーニングの指導、
デモンストレーションの実施、トレーニングのサポートなどをしてくれることで、
自分ひとりでは追い込めない領域でトレーニグができ、結果効率的な成長へと繋がっています。
※最近筋トレネタが多くてすみません(笑)

ちなみにZPDはコンフォートゾーンと近い考え方なので是非読んでみてください。