アクティブラーニング手法の1つ、ピア・インストラクション(Peer Instruction)についてまとめます。
これは1990年頃、ハーバード大学のEric Mazur教授が考案した手法で、
規模の大きな講義や、知識定着型の授業で特に有効と言われています。
僕自身、大学の講義やライフナビプロジェクトなどのファシリテーションでも
このメソッドを応用したものをよく活用しています。

やり方は以下の通りです。
1. 問題をスクリーンに投影するなどし、学習者に出題
2. 学習者に回答を尋ねる(挙手や※クリッカーを使い正答率を測定)
3. 正答率が30%以下なら講師は問題の補足やヒントを提示するなどし、再度出題
4. 正答率が30%〜70%なら近隣の人と回答の根拠等について意見交換
5. 正答率が70%以上なら講師が正解を示し、解説
peerinst
※クリッカーとは学習者からの回答をリアルタイムに集計する教育器具。
clicker
このような機械をARSと言います。(Audience Response System)
日本でも少しずつ取り入れているところが出て来ているみたいですね。
ちなみに初の民間人校長の藤原先生が下の動画(1:49:55あたり)の中で言っているように、
クリッカーじゃなくスマホを使って集計することも今では十分に可能です。
スマホの方が生徒はより主体的にやってくれるみたい。  

このピア・インストラクションのポイントは何と言っても手軽さです。
アクティブラーニングの良さは理解はしていても、ずっと講義型の授業をしていた先生が、
いきなりPBL(Project-Based Learning)などを取り入れたりするのはハードルがあります。
ピア・インストラクションは講義型の授業に少しアクティブラーニングの要素を
加えたようなものなので、簡単にすぐにでも実施することができます。
簡易だけども、学習者同士が話し合うことで学習の深みが増すことや、
何より主体性が引き出せることを十分に実感することができるでしょう。
非常に使い勝手の良いメソッドなので、多くの先生方にオススメです。