講師に必要な知識にはどんなものがあるでしょうか。
アメリカの教育心理学者Lee Shulmanは、Pedagogical Content Knowledge(PCK)という概念を提唱しました。
これは、講師には①コンテンツと②教える方法の2つの知識が必要という考え方です。
例えば、英語ペラペラの人が素晴らしい英語の講師に必ずなれるわけではありませんし、
優秀なプログラマーが良いプログラミング講師に必ずなれるわけではありません。
授業の設計がうまくできていなかったり、学習者のやる気を引き出す術を知らなかったりすると、
いくらコンテンツを良く知っていても良い教え手にはなれませせん。
①コンテンツと②教える方法、両方大事と言うことですね。
ここに、昨今テクノロジーという新しい軸が加わり以下の3つの知識となりました。

①Content Knowledge(内容知):コンテンツに関する知識
 コンセプト、理論、アイデア、フレームワーク、エビデンス等

②Pedagogical Knowledge(方法知): 教える方法に関する知識
 授業マネジメント、コーチング、ファシリテーション、プランニング、アセスメント等

③Technological Knowledge(技術知):テクノロジーに関する知識
 パワポやプログラム等のソフトウェア、スマホやPC等のハードウェア、動画・画像等
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テクノロジーがなぜ大事なのかは、こちらのエントリを見ていただければイメージが湧くかと思います。
上記エントリはJust-In-Time Teachingというインストラクショナルデザインの新しい概念なのですが、
従来の反転授業にテクノロジーの技術を用いてより効果的に改善した事例です。
これまでの反転授業だと、個々の学習者が予習をしたその内容やそこで持った疑問について授業前に把握することは困難でした。
そこで、事前課題をWebを通して講師が確認できる状況を作ることで、学習者のニーズを的確に捉えた授業の設計ができるようになる、というものです。
このように最新のテクノロジーをうまく活用することで、学びはより効果的・効率的になるわけです。

コンテンツと教える方法とテクノロジー、一流の講師はこれら3つの知識を使いこなしています。
講師の方は、是非一度この3つの観点から自身の知識について考えてみてはいかがでしょうか。