前回、システム思考についてのエントリを書きましたが、今回はシステム思考でよく使われる氷山モデルについてまとめたいと思います。
氷山は、目に見えている部分は全体のたった10%で、
氷山は、目に見えている部分は全体のたった10%で、
約90%という大部分は見えない海面下に存在していると言われています。
氷山モデル(The Iceberg Model)とは、氷山と同じように、目に見えて起こった事象そのものだけを考えるのではなく、それに関係する全体像を見つめ、解決策を考えるアプローチ手法です。
氷山モデルにおける思考レベルには4つの段階があります。
1. 出来事レベル(The Event Level)
ここでは世界で起こった出来事を知覚、認識するというレベルです。
出来事に対して反応しているだけなので、根本原因について思考することはできません。
2. パターンレベル (The Pattern Level)
出来事をよく観察していると、そこには似たようなパターンが存在していることに気づきます。
このパターンに気づくと、出来事を予測し、予防することができるようになります。
氷山モデル(The Iceberg Model)とは、氷山と同じように、目に見えて起こった事象そのものだけを考えるのではなく、それに関係する全体像を見つめ、解決策を考えるアプローチ手法です。
氷山モデルにおける思考レベルには4つの段階があります。
1. 出来事レベル(The Event Level)
ここでは世界で起こった出来事を知覚、認識するというレベルです。
出来事に対して反応しているだけなので、根本原因について思考することはできません。
2. パターンレベル (The Pattern Level)
出来事をよく観察していると、そこには似たようなパターンが存在していることに気づきます。
このパターンに気づくと、出来事を予測し、予防することができるようになります。
3. 構造レベル (The Structure Level)
パターンレベルの下は構造レベルです。
パターンを引き起こす原因について探っていくと、それらの関係性の形、構造が見えてきます。
構造には以下のようなものが含まれます。
①物理的なもの:自販機、道路、信号機、地形など
②組織:企業、政府、学校など
③ポリシー:法律、規制、税制など
④習慣:無意識に繰り返される言動
4. メンタルモデルレベル (The Mental Model Level)
メンタルモデルとは、個々人が無意識に抱いている固定概念です。
態度、信念、モラル、期待、価値などが含まれます。
こられは社会や家族から無意識のうちに学び、構成されています。
これらのレベルをストーリーに当てはめて考えてみましょう。
ある営業部では、自発的・主体的に売上を上げようと組織に働きかけるアクションがほぼありません。
これに危機感を覚えた経営者はこの事象について分析してみることにしました。
出来事レベルで思考する経営者は、「なぜ主体的な人間が一人もいないんだ!」と叱責するだけで、それ以上踏み込んで思考しようとしません。
バカみたいに思えるかもしれませんが、意外と出来事に反応しているだけの経営者は少なくありません。
次に、パターンレベルで考えてみます。
各従業員の言動のパターンを見ていくと、過去には売上改善に向けた会議が何度か開かれていて、そこでは担当者からアイデアがいくつか出ていたということが分かりました。
しかし、アイデアが出ても上層部から否定的なフィードバックが来るばかりで、いつしか会議での意見が出なくなり、会議自体もなくなってしまったということが分かりました。
これが、組織の中で起こっていた思考・言動のパターンです。
次に、構造レベルです。
ここでは組織内の関係性に着目します。
会議で出た意見がなぜ実行されなかったのか。なぜそれが繰り返され、皆主体性がなくなってしまったのか。
実は、営業部長がかなりの完璧主義で、「前例はあるのか」「その施策の効果は確実なのか」等々、ほぼどのアイデアも不安要素があれば跳ね返されていたということが分かりました。
テコ入れする必要があるのは、部長の考え方と、部下への接し方ということに行き着きます。
最後にメンタルモデルです。
メンタルモデルとは、無意識に抱いている固定概念やイメージであることは上記で解説しました。
経営者は営業部長の思考を明らかにするためヒアリングを実施しました。
ヒアリングのコツは「なぜ?なぜ?なぜ?」です。
氷山モデルをイメージしながらメンタルレベルに到達するまでなぜ??を問い続けました。
すると、営業部長は、「新たな施策にチャレンジし、失敗すると減点評価されるため、よほどの勝率がない限り実行したくない」という考え方を持っていることが分かりました。
前任の営業部長のメンタルモデル(考え方)がそのまま今の営業部長に引き継がれ、組織内に蔓延っていたのです。
経営者は、このメンタルモデルを克服することが、組織改善の第一歩であると分析しました。
そこで、新たな施策による失敗には減点をつけず、むしろチャレンジすることに加点評価する方針に変え、それを営業部内のすべての人に伝達したのです。
営業部長も、新しいアイデアを歓迎すると担当者に告げ、新しい風土作りに邁進しました。
すると、これまで温めてきた担当者の様々なアイデアが溢れるように出て来るようになり、営業部の施策はどんどん進み、売上向上に繋がりました。
以上が氷山モデルとその活用事例です。
個人においても組織においても、表面上の出来事だけで物事を判断するのではなく、その問題の本質にアプローチすることが重要です。
そのためには、背景にあるパターンや構造、メンタルモデルまで目を向けて考えることが重要で、氷山モデルはそのアプローチを手伝ってくれる良いモデルの1つだと思います。
組織改革などで是非参考にしてみて下さい。
パターンレベルの下は構造レベルです。
パターンを引き起こす原因について探っていくと、それらの関係性の形、構造が見えてきます。
構造には以下のようなものが含まれます。
①物理的なもの:自販機、道路、信号機、地形など
②組織:企業、政府、学校など
③ポリシー:法律、規制、税制など
④習慣:無意識に繰り返される言動
4. メンタルモデルレベル (The Mental Model Level)
メンタルモデルとは、個々人が無意識に抱いている固定概念です。
態度、信念、モラル、期待、価値などが含まれます。
こられは社会や家族から無意識のうちに学び、構成されています。
これらのレベルをストーリーに当てはめて考えてみましょう。
ある営業部では、自発的・主体的に売上を上げようと組織に働きかけるアクションがほぼありません。
これに危機感を覚えた経営者はこの事象について分析してみることにしました。
出来事レベルで思考する経営者は、「なぜ主体的な人間が一人もいないんだ!」と叱責するだけで、それ以上踏み込んで思考しようとしません。
バカみたいに思えるかもしれませんが、意外と出来事に反応しているだけの経営者は少なくありません。
次に、パターンレベルで考えてみます。
各従業員の言動のパターンを見ていくと、過去には売上改善に向けた会議が何度か開かれていて、そこでは担当者からアイデアがいくつか出ていたということが分かりました。
しかし、アイデアが出ても上層部から否定的なフィードバックが来るばかりで、いつしか会議での意見が出なくなり、会議自体もなくなってしまったということが分かりました。
これが、組織の中で起こっていた思考・言動のパターンです。
次に、構造レベルです。
ここでは組織内の関係性に着目します。
会議で出た意見がなぜ実行されなかったのか。なぜそれが繰り返され、皆主体性がなくなってしまったのか。
実は、営業部長がかなりの完璧主義で、「前例はあるのか」「その施策の効果は確実なのか」等々、ほぼどのアイデアも不安要素があれば跳ね返されていたということが分かりました。
テコ入れする必要があるのは、部長の考え方と、部下への接し方ということに行き着きます。
最後にメンタルモデルです。
メンタルモデルとは、無意識に抱いている固定概念やイメージであることは上記で解説しました。
経営者は営業部長の思考を明らかにするためヒアリングを実施しました。
ヒアリングのコツは「なぜ?なぜ?なぜ?」です。
氷山モデルをイメージしながらメンタルレベルに到達するまでなぜ??を問い続けました。
すると、営業部長は、「新たな施策にチャレンジし、失敗すると減点評価されるため、よほどの勝率がない限り実行したくない」という考え方を持っていることが分かりました。
前任の営業部長のメンタルモデル(考え方)がそのまま今の営業部長に引き継がれ、組織内に蔓延っていたのです。
経営者は、このメンタルモデルを克服することが、組織改善の第一歩であると分析しました。
そこで、新たな施策による失敗には減点をつけず、むしろチャレンジすることに加点評価する方針に変え、それを営業部内のすべての人に伝達したのです。
営業部長も、新しいアイデアを歓迎すると担当者に告げ、新しい風土作りに邁進しました。
すると、これまで温めてきた担当者の様々なアイデアが溢れるように出て来るようになり、営業部の施策はどんどん進み、売上向上に繋がりました。
以上が氷山モデルとその活用事例です。
個人においても組織においても、表面上の出来事だけで物事を判断するのではなく、その問題の本質にアプローチすることが重要です。
そのためには、背景にあるパターンや構造、メンタルモデルまで目を向けて考えることが重要で、氷山モデルはそのアプローチを手伝ってくれる良いモデルの1つだと思います。
組織改革などで是非参考にしてみて下さい。
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