サービスラーニング(Service Learning)とは、奉仕(Service)と学習(Learning)の実践を統合させた学習方法のことで、「社会活動を通して市民性を育む学習」を指します。
教育学者であるウィリアム・ジェームズ(William James)とジョン・デューイ(John Dewey)がサービス(奉仕)を基本としたラーニング(経験学習)を主張したことが発端とされています。
経験学習というとクルト・レヴィンやジャン・ピアジェ、デイビッド・コルブも有名ですが、ジョン・デューイがその走りです。
デューイは、知識を教えることだけが教育ではなく、体験を通して獲得する学びこそ価値があるとして、
1916年に行動による学習論(Learning by Doing)、「体験的教育」を提唱しました。
これを発展する形で、1967年にサービス・ラーニングという言葉が生まれます。
日本で導入されるようになったのは1990年代後半。
現在では様々な大学等で実施されていますが、中でも国際基督教大学(ICU)さんが有名です。
グローバルにも展開されていて、動画を見るだけでもその質の高さが伝わってきます。

さて、それではサービス・ラーニングの実践方法についてです。
端的に以下にまとめました。

【実践方法】
1. 事前学習 Preparation:奉仕活動の前に行う調査、学習、研修等
 ・対象の地域、団体においてどのような問題、ニーズがあるかを調査、分析する
 ・必要に応じて事前学習、事前研修等行う
2. 奉仕活動 Service
 ・地域の中に学生自ら足を運び、様々な奉仕活動を実践する 
3. 振り返り Reflection
 ・自らの体験を振り返り、共有し、気付きや学びを客観的に深く理解する
4. 報告 Reporting  
 ・体験したことをレポートやプレゼンで報告する
 ・調査、活動、振り返りを通して得た知識、スキル、態度等を深く理解し統合する

これらの活動を通して、大きく以下の2点が得られると思っています。
・市民性:よりよい社会の実現のために、他者に貢献しようとする態度
・課題解決能力:社会的課題を発見し、解決するスキル 

地域社会でのボランティア活動等を通して、社会のニーズを知り、貢献しようと活動する。
そのプロセスの中で、上記の2つを育むだけでなく、自分自身の興味関心の発見、
引いては自身のキャリア観の醸成にも繋がっていく、それがサービス・ラーニングだと感じています。

私も今学期より大学でボランティアという授業を担当しており、
それをサービス・ラーニングという形で展開しようと奮闘しているところです。
新型コロナウイルスで実際の奉仕活動が困難な中で、オンライン等も交えながらいかにして学びの多いサービス・ラーニングにできるか。
また後日、サービス・ラーニングをオンラインで実施したかについても記載したいと思います。 
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