1955年に、Robert Katz(ロバート・カッツ)が役職に応じて必要とされるスキルの概念をまとめた「カッツモデル」を提唱しました。
英語では、Katz's Three-Skill Approachとも言われ、その文字の通り3つのスキルが必要と言われています。
その3つのスキルとは、
①コンセプチュアルスキル
②ヒューマンスキル
③テクニカルスキル
であり、以下の図のようにトップ層ほどコンセプチュアルスキルが多く求められ、
ボトム層ほどテクニカルスキルが求められる形となります。
Katz

①コンセプチュアルスキル (Conceptual Skill)
コンセプトが「概念」という意味ですので、直訳すると概念化能力です。
答えのない複雑な問題に直面しても、論理的・創造的思考等を活用し新たな解を生み出せる(概念化)力のこと。
マネジメントレイヤーが上に行くほど必要であると言われています。
具体的には以下のようなものが含まれます。
1.ロジカルシンキング(論理的思考)
2.ラテラルシンキング(水平思考)
3.クリティカルシンキング(批判的思考)
4.多面的視野
5.柔軟性
6.受容性
7.知的好奇心
8.探究心
9.応用力
10.洞察力
11.直感力
12.チャレンジ精神
13.俯瞰力
14.先見性

②ヒューマンスキル (Human Skill)
ヒューマンスキルは対人関係能力のことです。
図に表れているように、どのマネジメントレイヤーにおいてもほぼ等しく必要とされます。 
ヒューマンスキルは以下の7つに細分化されます。
1.コミュニケーションスキル
2.ヒアリング力
3.交渉力
4.プレゼンテーション力
5.動機づける力
6.スキルを磨き続ける力
7.組織を引っ張るリーダーシップ

③テクニカルスキル (Technical Skill)
テクニカルスキルとは業務遂行能力のことを示します。
現場で実際に必要となる実践的・専門的な知識やスキルのことです。
マネジメントレイヤーが低いほど、つまり新人ほど持つべきスキルと言われています。 
テクニカルスキルの特徴は、業界や職種等業務内容により変わります。
スキル例)
営業職:商品知識、提案力、市場理解
事務職:PC(OA)スキル、事務処理能力、資料作成能力等
教師 :指導力、コーチング力
エンジニア:ITスキル、論理的思考力、プロジェクト管理能力等
企画職:情報収集力、市場理解、創造力、分析力など

この理論を元に考えると、新人はコンセプチュアルスキルよりもまずはテクニカルスキルを、続いてヒューマンスキルを学ぶべきであり、マネジメントレベルが上がるにつれて、コンセプチュアルスキルも高めていかないといけないということがわかります。
是非、組織内での自身のスキルアップや組織開発の参考にしてみてください。