前期の授業が終わり、もうすぐ後期が始まるので少し振り返りを。
この授業を担当させてもらうようになったのは昨年からでした。
任せていただけたからには最大限学生の未来に貢献できるような授業にしたいと思い、学生の未来のために何が必要だろうと色々考えました。
自分自身の経験からも「学生と社会人の間のトランジション」に大きな問題を感じていて、その溝を埋める教育機会を作りたいという思いに至りました。
平たく言うと、「社会に出てから活躍するための教育機会」です。
非常に大きな概念ですが、自分が社会人になりたての頃に壁にぶつかった経験と今の社会情勢を鑑み、3つの授業目標を掲げました。

・社会人基礎力の向上(3つの能力と12の能力要素)
・ICTスキルの向上(社会人基礎力でカバーできていない必須スキル)
・社会・仕事の理解とキャリア観の醸成

加えて、地域と連携し、地域にも貢献したいと思い、地域の企業が抱える課題を学生がチームで解決するプロジェクトに取り組むという産学官連携のPBL型のアクティブラーニングを設計しました。
CSVやソーシャルビジネスが「経済性+社会性」なら 「学び+社会性」となるような授業のイメージです。
デューイも経験学習にはコストがかかると言っているように、協力企業探しとその調整が大変なのは目に見えていたのですが、Saya-bizにご協力いたくことでこの課題をクリアでき、なんとか実現することができています。

今年は昨年よりもチームビルディングもうまくいき、アウトプットの質も昨年よりもグンと上がりました。
授業後のアンケートの一部はこちらです。
授業目標についての定性的な振り返りと、全体の感想について記載してもらいました。 
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そしてこちらが定量評価です。社会人基礎力の12の能力要素について、事前事後で自己評価してもらい、授業を通じてどの程度変化があったのかを示しています。
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ストレスコントロール力以外は、効果量(d)が0.8を超えているので、効果量は非常に高かったと言えそうです。
おまけでリーダーシップについても事前事後で評価してもらいましたが、こちらも効果量(d)は1.15と高く出ています。

しかし目指しているところはまだまだ遠い。
もっともっと良い学びの場を創っていきたい。
そのために大学院にも通い出し、勉強に励んでいます。
ちなみに大学院は想像を遥かに超える素晴らしい環境でした。
教職員、授業内容、同期や先輩、どれをとっても最高峰じゃないかな。
大学院で良質な学びを得ては、自分の大学の授業に反映して、というサイクルをグルグル回していました。
取り入れて良かったと思う概念はいくつもありますが、特にシェアードリーダーシップはグループワークでの個々の主体性に結構影響したように思います。
リーダーシップはメンバー全員が発揮すべきものだという認識を持っていない学生が多かったので、それを知るだけでも学生のグループへの関わり方が変わりました。

これからもモリモリ学んで、モリモリ授業改善していきます。
「学生に学びを、地域に貢献を」