2013年にラム・チャラン、スティーブン・ドロッター、ジェームズ・ノエルによって書かれた
Leadership Pipelineという書籍があります。
この書籍では、組織としてリーダー育成を計画的に実施するための方法について書かれています。
その概念そのものが、書籍のタイトルでもある「リーダーシップ・パイプライン」です。
管理職になってから急いでリーダーシップ開発をしようと思ってもなかなかうまくいきません。
もっと早い段階から、計画的、体系的にリーダーシップ開発を組織として実施していく必要があります。
リーダーシップパイプラインでは、以下の図のように企業には6つのリーダーシップの変遷があるとされています。
Leadership Pipelineという書籍があります。
この書籍では、組織としてリーダー育成を計画的に実施するための方法について書かれています。
その概念そのものが、書籍のタイトルでもある「リーダーシップ・パイプライン」です。
管理職になってから急いでリーダーシップ開発をしようと思ってもなかなかうまくいきません。
もっと早い段階から、計画的、体系的にリーダーシップ開発を組織として実施していく必要があります。
リーダーシップパイプラインでは、以下の図のように企業には6つのリーダーシップの変遷があるとされています。
(※グローバルな大企業をイメージして作成されたものですが、それより小さい規模の会社でも参考になる部分はあると思います)
マネジメントの各レベルによって、発生する問題が異なるため、当然求められるスキルも異なります。
マネジメントの各レベルによって、発生する問題が異なるため、当然求められるスキルも異なります。
このリーダーシップ・パイプラインの理論を用いれば、組織を診断し、適切な人材配置とリーダーシップ育成に向けたヒントを得ることができるのではないかと思います。
では6つのステージ以降についてみていきましょう。

その次のフェーズは他者を管理すること。後輩や部下ができる頃が対象です。

From Managing yourself to managing others(自身の管理から他者の管理へ)
一般社員として求められること。まずは、自分自身を管理し、成果を出すことです。その次のフェーズは他者を管理すること。後輩や部下ができる頃が対象です。
他者の管理に向けて、著者は以下の3点がポイントであると述べています。
このようにリーダーシップという言葉も、ポジションによって求められるものが変わります。
リーダーシップは一朝一夕に身に付くものではありませんので、計画的な育成が今後益々企業で求められるようになると思います。
育成に関わる方々の何かしらのヒントになれば幸いです。
・実行すべき仕事を定義し、分割する。
・部下が、仕事、モニタリング、コミュニケーション、問題解決することを承諾する。
・部下との関係性を構築し、社会契約を結ぶ。
他者を管理するためには、部下の仕事の成果、コミットメント、モチベーション、学習に対する能力や興味について考慮する必要があります。
From managing others to managing managers(他者の管理から管理者の管理へ)
管理者の管理のためには、自分のチームだけを管理することをやめ、他のチームの管理者を管理するようにならなければいけません。そのためには次のような仕事のやり方を学ぶ必要があるとされています。
・リーダーシップ・マネジメント能力のある管理者を選び、育成する。
・管理者が自分の仕事に責任を持てるようにする。
・各チームにリソースを割り当て、再配分する。
・依存しているチームを他のチームから分離することでチームの境界線を管理する。
From managing manager to functional manager(管理者の管理から部門責任者)
この段階では従業員としてではなく、起業家のように考えることが求められます。小さなグループだけでなく、コミュニティ全体にどのような影響を与えるかを考えた上で意思決定していく必要があります。
ラム・チャランによれば、最高の部門責任者は、戦略的に考えることができる人と述べています。
そのためには、機能戦略を立てるためのスキルを身につけることが不可欠である。
・長期的な視点で考えること。
・最新の知識。
・ビジネスモデルと目標、長期的な戦略的方向性についての完全かつ詳細な知識。
・戦略的思考の役割を考える。
また、事業戦略、収益性、競争優位性のために生じるトレードオフに対処する能力も求められます。
From functional manager to business manager(部門責任者から事業責任者へ)
この転換期には、自部門だけを考えるのをやめ、事業全体を大切にするという発想の転換が必要となります。
このレベルのマネージャーは、グローバルレベルでの収益性や競争優位性を考え、顧客、競合他社、民主主義的要素、世界経済などの要因を考慮しなければいけません。
事業部長は、事業部全体を評価するために、また部下と強いチームを作るために以下のことが求められます。
・部門責任者と会う時間を確保し、彼らの仕事について質問をする。
・部門責任者を連れて、各機能の価値をよりよく理解できるようにする。
・信頼できる味方と一緒にアイデアをテストし、決断し、提案する。
・意思決定の前に意見を収集する。
From business manager to group manager(事業責任者からグループ責任者へ)
グループ責任者は、限られた企業資源をより複数のビジネス間で配分する役割を担っています。
そのため、グローバルな視点を持ち、広い視野で考え、さまざまな状況を考慮しなければなりません。
グループ責任者の主なスキルの1つは、他のビジネスを正しく評価すること。
このレベルのリーダーの責任は、以下の通りです。
・ビジネスリーダーの仕事の有効性を確保し、彼らの戦略的スキルを評価し、彼らのプロジェクトを承認する。
・新しいビジネスマネージャーを選び、管理し、育成する。
・事業間で資本を分配し、望ましい利益を生み出すように予算を割り当てる。
・新たに発生する機会を特定し、分析する。
From group manager to corporate manager(グループ責任者から企業経営者)
この最後の移行期では、企業経営者(CEO)が企業全体に責任を持つようになります。そのため、取締役会、ファイナンシャル・アナリスト、投資家、株主、直属の部下、等々様々な人たちに対して責任を負います。
それだけの大役ですから、トレーニングを受けずにトップに立つことは、組織やビジネスにとって非常に高いリスクとなります。
このように、企業の最終段階である経営者としては、企業の方向性を示し、戦略を策定して、短期的に行うことと長期的に行うことのバランスを見つけながら、事業を推進していかなければなりません。
このように、企業の最終段階である経営者としては、企業の方向性を示し、戦略を策定して、短期的に行うことと長期的に行うことのバランスを見つけながら、事業を推進していかなければなりません。
・一貫した予測可能な財務・会計情報を提供する。
・会社の方向性を明確にする。
・社内の社会的関係を定義し、示す。
・グローバルな状況での会社の運営。
このようにリーダーシップという言葉も、ポジションによって求められるものが変わります。
リーダーシップは一朝一夕に身に付くものではありませんので、計画的な育成が今後益々企業で求められるようになると思います。
育成に関わる方々の何かしらのヒントになれば幸いです。
コメント