ギリシャのソクラテスに由来するソクラテス式問答法(Socratic Questioning)という手法があります。
簡単に言うと、相手に自由回答形式の質問を次々に投げかけることで、
「無知の知」で有名な 古代ギリシャの哲学者ソクラテスの名前がついていますね。
ソクラテスは、頻繁に様々な人と「正義とは何か?」等の哲学的な対話を行っていたと言われています。
ソクラテスは、頻繁に様々な人と「正義とは何か?」等の哲学的な対話を行っていたと言われています。
相手の矛盾点を指摘するような問いかけをすることで、相手が真に正しい認識にたどり着くような対話を繰り広げていたソクラテス。
それこの手法の由来です。
簡単に言うと、相手に自由回答形式の質問を次々に投げかけることで、
相手の思考を広げたり、新たな視点を提供したり、内省を促したりするものです。
ではどのような質問を投げければ良いのでしょうか。
Neenan(2009)によると良い質問は以下の要素を含んでいると述べられています。
更に、PaulとElder(2006)は、ソクラテス式問答法を6つの質問のタイプと例付きでまとめてくれていましたので、以下に日本語訳しました。

最後に、教師と生徒へのアドバイスとして以下もメモしておきます。
例えば、教師が生徒に対してソクラテス式問答法を使うと、
あたかも無知であるかのように振る舞い、生徒に対して様々な質問を問いかけていきます。
Gigazineさんのこちらの記事がだいぶイメージしやすいかと思います。
俊敏にキャッチボールを繰り返すような感じですね。
出てきた意見に対して次の質問を考える構想力と瞬発力が求められそうです。
あたかも無知であるかのように振る舞い、生徒に対して様々な質問を問いかけていきます。
Gigazineさんのこちらの記事がだいぶイメージしやすいかと思います。
俊敏にキャッチボールを繰り返すような感じですね。
出てきた意見に対して次の質問を考える構想力と瞬発力が求められそうです。
ではどのような質問を投げければ良いのでしょうか。
Neenan(2009)によると良い質問は以下の要素を含んでいると述べられています。
ソクラテス式問答法の良い質問のポイント
・簡潔(Concise):クライアントに焦点を当てる・明確(Clear):冗長または専門用語を避け、クライアントの混乱や誤解を減らす
・オープン(Open):参加を誘い、アイデアを探る
・目的を持つ(Purposeful):コーチは自分の質問の理由を説明することができる
・建設的(Constructive):洞察力と行動を促進する
・焦点(Focused):クライアントの”今”の関心に焦点を当てる
・暫定的な(Tentative):クライアントがコーチの質問に答えることができると前提としていない
・中立(Neutral):コーチの視点を反映した答えをクライアントに示さない
更に、PaulとElder(2006)は、ソクラテス式問答法を6つの質問のタイプと例付きでまとめてくれていましたので、以下に日本語訳しました。

最後に、教師と生徒へのアドバイスとして以下もメモしておきます。
教師又はカウンセラーへのアドバイス
・あまり杓子定規にならずに、全体的な構成と方向性を示すため質問を計画する
・学生やクライアントが焦らずに質問に答えられるような時間を確保する
・与えられた答えに続く質問で、話し合いを活性化させる
・質問を通して、より詳しい説明を求め、自己発見を促す
・対話は、焦点を絞り、具体的で、明確な表現で続ける
・定期的に発言内容を要約する。 「はい/いいえ」のクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンをする
・与えられた答えに続く質問で、話し合いを活性化させる
・質問を通して、より詳しい説明を求め、自己発見を促す
・対話は、焦点を絞り、具体的で、明確な表現で続ける
・定期的に発言内容を要約する。 「はい/いいえ」のクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンをする
・漠然とした質問、曖昧な質問、聞き手の理解レベルを超えるような質問は避けるか、言い方を変える
・学生やクライアントにとって、何が期待されているかを理解する
・明確かつ簡潔に答える
・適切な場合には、全体に向けて話す
Rob Reich教授によると、ソクラテス式問答法が機能する最も良い環境は、
「生産的な不快感(productive discomfort)」があり「恐怖やパニックのない」状態であるそうです。
生徒又はクライアントへのアドバイス
・積極的かつ思慮深く参加する・明確かつ簡潔に答える
・適切な場合には、全体に向けて話す
Rob Reich教授によると、ソクラテス式問答法が機能する最も良い環境は、
「生産的な不快感(productive discomfort)」があり「恐怖やパニックのない」状態であるそうです。
なかなか面白いですよね。
心理的安全性を土台にしつつ、生徒やクライアントの脳内を
”生産的不快感”にするような質問をいかに投げかけることができるか。
質問力だけでなく場づくりのファシリテーターとしてのスキルも必要なのかもしれません。
私自身は、クラスから出てきた意見をその場に質問で返すことは意識してやっていたことはありますが、このソクラテス式のように質問を何度も繰り返し、どんどん深めていくというやり方は今までしたことがありませんでした。
心理的安全性を土台にしつつ、生徒やクライアントの脳内を
”生産的不快感”にするような質問をいかに投げかけることができるか。
質問力だけでなく場づくりのファシリテーターとしてのスキルも必要なのかもしれません。
私自身は、クラスから出てきた意見をその場に質問で返すことは意識してやっていたことはありますが、このソクラテス式のように質問を何度も繰り返し、どんどん深めていくというやり方は今までしたことがありませんでした。
今後、取り入れてやってみようと思います。
【参考文献】
Neenan, Michael. "Using Socratic questioning in coaching." Journal of rational-emotive & cognitive-behavior therapy 27.4 (2009): 249-264.
Paul, R. and Elder, L. (2006). The Art of Socratic Questioning. Dillon Beach, CA: Foundation for Critical Thinking.
【参考文献】
Neenan, Michael. "Using Socratic questioning in coaching." Journal of rational-emotive & cognitive-behavior therapy 27.4 (2009): 249-264.
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