プロジェクト型学習(Project-based Learning)が高等専修学校の生徒の学習意欲と問題解決能力に及ぼす影響について書かれた論文をレビューします。

論文はこちら(被引用数：409件 (2023年6月3日時点))
Chiang, C. L., & Lee, H. (2016). The effect of project-based learning on learning motivation and problem-solving ability of vocational high school students. International Journal of Information and Education Technology, 6(9), 709-712.

当研究は、PBLが通常の授業と比較して、どの程度生徒の学習意欲と問題解決能力の向上に影響があるかを分析したものです。
対象は、台湾の2つの高等専修学校の飲食専攻の生徒達で、実験群(46名)と統制群(42名)を分けて研究が行われました。
結論として、PBLの授業を受けた生徒達は、より積極的に学習に取り組み、学習意欲も問題解決能力も向上したという結果が出ています。

台湾では、これまでテストの点数の向上に焦点が当てられ、教師主導の授業を中心に展開されてきた結果、生徒達は受動的で、探究心がなく、問題解決能力も養われてこなかった、というのが状況のようです。
（学校で学んだことを日常生活で生かす機会がないため、そのような能力育成ができない）
そして、それらの各課題を解決する手法としてPBLに注目が当たっています。
これは日本も全く同じ状況だと感じます。
生徒達が主体的・意欲的に学習に取り組み、学校での学びを実社会で活かせる教育をいかに実施するか。
PBLはその1つの鍵になると改めて感じました。