人材開発・組織開発コンサルティング、とうとう最終章である第6章のまとめに入ります。
最後は、「よりよい課題解決者になるために」と題して、自分自身をアップデートし続けることの重要性やその姿勢について書かれています。
人や組織に「学べ」「変化せよ」と働きかけるわたしたちは、自分自身が学び、自らをアップデートし続けなければなりません
そう、人材開発・組織開発コンサルティングを仕事として行う者は、学び続けることは宿命なのです。
学び続けるために、まず大事にしたいのが経験学習とアンラーニングです。
コンサルタントとして現場での経験は何より大事です。
「現場における経験学習」に勝るものはなく、それがコンサルタントの能力形成の中核的役割を果たしていきます。
一方、時代や環境の変化に合わせて、アンラーニングしていくことも大事。
コンサルタントは「ラーニング」と「アンラーニング」を繰り返し続けることが求められます。
次に、セルフアウェアネス(自己を正しく認識していること)を常に高めることも意識する必要があります。
コンサルタントは、「他者に影響力を行使する仕事」ですが、その影響力は自己認識の解像度に比例します。
要は、自分自身を正しく理解できているほど、周りに影響力を与えることができるということです。
自己認識については、内面的自己(自分が思っている自分)と外面的自己(他者から見える自分)があり、そこに大きな差が生じていないかを定期的にチェックすることも重要だと述べられていました。
専門的知識については、人材開発・組織開発の知識だけでは十分とは言えません。
経営学・組織論・組織行動論・人的資源管理など関連分野の幅広い知識も求められます。
そのため、「意図を持って学習時間を確保すること」や「ともに学ぶこと」をお勧めされていました。
個人的にも仲間と共に学ぶ効果のすごさは非常に実感しています。
例えば、読書会などは、期限を決めることでそこに向けて学びを進められますし、仲間と意見交換する中で学びが広がり、深まります。
一方、コンサルタントは人の感情に触れる「感情労働」でもあるため、自身のマインドをセルフケアする重要性についても述べられていました。
これについては、私自身、先日、組織開発の実践をする機会があったのですが、ネガティブな反応をする参加者にかなり気を遣う必要性を実感したところなので、非常に腑に落ちるものがありました。
メンタル面でのタフさも求められる仕事ですね。
そして、最後は倫理観です。
「他人の行動を変容」させる仕事であるが故に、高い倫理意識は必須です。
どんなに素晴らしい技術や能力も、使用する方向性が悪い方向を向いてしまうと人や社会に悪影響を与える可能性があります。
実際、人材開発の歴史の中でも、ファシリテーターが暴走するケースや、集団心理療法が悪用されたケースがあります。
自分自身がそうならないよう、倫理観についても常に大事にしておきたいです。
また、「おわりに」についても是非お読みください。
最後は、「よりよい課題解決者になるために」と題して、自分自身をアップデートし続けることの重要性やその姿勢について書かれています。
人や組織に「学べ」「変化せよ」と働きかけるわたしたちは、自分自身が学び、自らをアップデートし続けなければなりません
そう、人材開発・組織開発コンサルティングを仕事として行う者は、学び続けることは宿命なのです。
学び続けるために、まず大事にしたいのが経験学習とアンラーニングです。
コンサルタントとして現場での経験は何より大事です。
「現場における経験学習」に勝るものはなく、それがコンサルタントの能力形成の中核的役割を果たしていきます。
一方、時代や環境の変化に合わせて、アンラーニングしていくことも大事。
コンサルタントは「ラーニング」と「アンラーニング」を繰り返し続けることが求められます。
次に、セルフアウェアネス(自己を正しく認識していること)を常に高めることも意識する必要があります。
コンサルタントは、「他者に影響力を行使する仕事」ですが、その影響力は自己認識の解像度に比例します。
要は、自分自身を正しく理解できているほど、周りに影響力を与えることができるということです。
自己認識については、内面的自己(自分が思っている自分)と外面的自己(他者から見える自分)があり、そこに大きな差が生じていないかを定期的にチェックすることも重要だと述べられていました。
専門的知識については、人材開発・組織開発の知識だけでは十分とは言えません。
経営学・組織論・組織行動論・人的資源管理など関連分野の幅広い知識も求められます。
そのため、「意図を持って学習時間を確保すること」や「ともに学ぶこと」をお勧めされていました。
個人的にも仲間と共に学ぶ効果のすごさは非常に実感しています。
例えば、読書会などは、期限を決めることでそこに向けて学びを進められますし、仲間と意見交換する中で学びが広がり、深まります。
一方、コンサルタントは人の感情に触れる「感情労働」でもあるため、自身のマインドをセルフケアする重要性についても述べられていました。
これについては、私自身、先日、組織開発の実践をする機会があったのですが、ネガティブな反応をする参加者にかなり気を遣う必要性を実感したところなので、非常に腑に落ちるものがありました。
メンタル面でのタフさも求められる仕事ですね。
そして、最後は倫理観です。
「他人の行動を変容」させる仕事であるが故に、高い倫理意識は必須です。
どんなに素晴らしい技術や能力も、使用する方向性が悪い方向を向いてしまうと人や社会に悪影響を与える可能性があります。
実際、人材開発の歴史の中でも、ファシリテーターが暴走するケースや、集団心理療法が悪用されたケースがあります。
自分自身がそうならないよう、倫理観についても常に大事にしておきたいです。
また、「おわりに」についても是非お読みください。
「科学と実践の狭間」で格闘しながら、経営・現場の課題解決を願う筆者の思い・魂が伝わってきます。
本当に素晴らしい名著でした。

以下、メモ
・人材開発・組織開発コンサルティングは、クライアントと「ともにある」営み
・コンサルタントの役割はあくまで「支援する」こと
・そのときには人材開発・組織開発にまつわる「科学知」と「臨床知」の両方が重要になる
本当に素晴らしい名著でした。

以下、メモ
第6章:よりよい課題解決者になるために
1.7つのステップのまとめ
・人材開発・組織開発コンサルティングの定義「人材開発・組織開発の科学知・臨床知を学び続ける人々が、その専門性を発揮しつつ、クライアント組織の戦略実現のために、クラアイントに寄り添いながら、クライアントが自ら抱える人材課題・組織課題の課題解決を行えるように、支援していくこと」・人材開発・組織開発コンサルティングは、クライアントと「ともにある」営み
・コンサルタントの役割はあくまで「支援する」こと
・そのときには人材開発・組織開発にまつわる「科学知」と「臨床知」の両方が重要になる
2.自らをアップデートし続ける
(1)経験学習とアンラーニング
プロフェッショナルであり続けるためには、自分の学びを常にアップデートし続ける必要がある=ラーニング・プロフェッショナル(自分自身の学びの専門家)
アンラーニング「時代や環境の変化で使えなくなった知識やスキルを捨てて、新しいものと入れ替えること」
コンサルタントは「ラーニング」と「アンラーニング」を繰り返すことを宿命として背負っている
(2)セルフアウェアネス
Self-Awareness「自己を正しく認識していること」
「他者に対してどの程度の影響力を行使できるか」は、「あなた自身が、どのような人材として、他者から見られているか」に関係している
このイメージの解像度が低い場合や、悪い場合には、コンサルタントとしての影響力は低くなる
一般に、人は権力を持てば持つほど、自分が見えなくなる
常に「自分を映し出す、他者という鏡」を保たなければならない
(3)プロフェッショナルとして学び続ける
・人材開発・組織開発だけでなく、経営学・組織論・組織行動論・人的資源管理などの幅広い知識を身につける必要がある
・意図を持って学習時間を確保すること(人が学び直すためには「学習資源」が必要)
・意図を持って学習時間を確保すること(人が学び直すためには「学習資源」が必要)
・「他者とともに学ぶ」ことがおすすめ
・「ともに学ぶこと」に従事しているビジネスパーソンは、そうでないビジネスパーソンよりもウェルビーングが高い
・自分が学んでいないのに、他者に対して「学べ」と言うことはできない
・人材開発・組織開発は「感情労働」でもある。
・自分で自分のマインドを立て直す時間、自分で自分をケアする時間を持っておくことも、人材開発・組織開発コンサルタントには必要
・自分で自分のマインドを立て直す時間、自分で自分をケアする時間を持っておくことも、人材開発・組織開発コンサルタントには必要
(4)倫理を常に意識する
専門的職業(専門職)には、それぞれの職業ごとに、その関係者が議論し、決断し、自ら遵守するべき行動規範として「職業倫理」がある
人材開発・組織開発の実践は、「他人の行動を変容」させる行為であるがゆえに、高い倫理意識を持つことが必要
人材開発の倫理規定(ATD: Association of Talent Development)
組織開発の倫理(Organization Development, 図表109)
人材開発の倫理規定(ATD: Association of Talent Development)
組織開発の倫理(Organization Development, 図表109)
コラム:プロフェッショナルに最も必要な資質とは?
「共感性」の他、「曖昧さ」や「複雑さ」とうまく付き合うこと
「曖昧さ体制(Tolerance of Ambiguity)」:「曖昧な状況を受け止め、持ちこたえ、ときに楽しめる資質」
「複雑なものを観察し、複雑なままに付き合う力」
・「観察力」:人と組織を解像度を上げて観察する力
「複雑なものを観察し、複雑なままに付き合う力」
・「観察力」:人と組織を解像度を上げて観察する力
・「認知的複雑性」物事を、一つの視点から見るのではなく、複数の視点を併置しながら観察していくこと
・「知覚的複雑性」これまでは大雑把に捉えていたものを、より細分化し、より解像度を上げて見つめること
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