探求学習(inquiry-based learning)に関係する様々なアプローチと、それらが生徒の学習に与える影響に関する最新の実証的研究についてのレビュー論文のレビューです。
論文はこちら(被引用数:225件 (2023年9月8日時点))
Friesen, S., & Scott, D. (2013). Inquiry-based learning: A review of the research literature. Alberta Ministry of Education, 32, 1-32.
まず、従来の伝統的な教育アプローチについて述べられています。
かつての教育システムは、工業社会や階層化された官僚的組織に適応するために
「決められた規則に従い、内容を反復することを重視する」ためのものでした。
工場モデル(The factory model)とも表現されるこのシステムの特徴、前提は、Sawyer(2006)が次のように要約しています。
正に、多くの学校でこれまで実践されてきた内容ですよね。
しかし、時代と共に社会構造自体が大きく変化してきています。
実際、20世紀初頭のアメリカでは95%の仕事が基本的な手順に従う低スキルの肉体労働であったのに対し、21世紀初頭には、こうした仕事は今ではわずか10%。
社会の変化に対応すべく教育にも変化が求められるようになってきており、様々な概念モデルやアプローチが提唱されてきました。
その中で注目されているアプローチの1つが「探究学習(Inquiry-based learning)」です。
本論文では、「探究学習」を中心に、それに関連する各アプローチについて、定義や最新の実証的研究の結果がまとめられています。
各アプローチと学習への影響を一部抜粋するとこんな感じ。
・本格的な知的作業(authentic intellectual work)
・小中高すべての生徒の学力が向上。学力の高い生徒と低い生徒の差が大きく縮まる(Newmannら, 1996)
・学問分野に基づく探究(discipline-based inquiry)
・小中高、特にhigh inquiry schoolに指定された学校の学力が大きく向上
・プロジェクト型学習(project-based learning)
・批判的思考テストで有意に高い得点を獲得(Shepherd, 1998)
・国家試験に合格した生徒を多く輩出、より柔軟で有用な数学的知識も身についた(Boaler, 1997)
・生徒は自分たちの学習に大きな自信を示した
・Expeditionary learningが生徒の標準化テストのスコアを大きく向上(New American Schools Development Corp, 1997)
・批判的思考や科学的推論が発達(Barrow, 2006)
・問題解決型学習(problem-based learning)
・すべての分野でプラスの成長、学習態度もより前向き(Cognition and Technology Group at Vanderbilt, 1992)
・数学に対する不安が軽減、数学的課題に積極的な態度で取り組む意欲の向上(Boaler, 1997)
・(小6)数学の概念を応用する能力が高く、達成度も高い(Barronら, 1998)
・より正確な仮説を立て、より首尾一貫した説明をする(Hmelo, 1998)
・デザインベース学習(design-based learning)
・(小6)呼吸器系の構造と機能を深く理解(Hmelo, Holton, and Kolodner, 2000)
・チャレンジベースの学習(challenge-based learning)
・21世紀型スキルを育成。リーダーシップ、創造力、メディア・リテラシー、問題解決力、批判的思考力、柔軟性、適応力を含む12の主要スキル分野が大幅に向上(Adams, 2011)
・限られた時間を有効活用、学習意欲の高まり
・探求授業(Inquiry-based teaching)
・生徒が授業に費やす時間が増え、教師主導の議論が減り、批判的思考を向上(Hattie, Brederman, 1983)
定義については正直重複する部分が多く、明確な切り分けは難しいように感じました。
この辺りを整理することは課題なのかもしれません。
ただ、総括としては、「探求に基づく学習アプローチが、生徒の中核的な概念や手順を理解する能力にプラスの影響を与えている」のはほぼほぼ間違いなささそうです。
新しい時代に必要な能力を育む教育として、「探求学習」という切り口でも色々調べてみようと思いました。
最後に、3つほど印象的だった点についてもメモしておきます。
まず、 探求学習の歴史について。
PBLについて調べると、John Deweyは必ず出てくるのですが、探求学習の概念になると、Deweyに加えて「ソクラテス」や「中世・ルネサンス」も源流の1つとされていました。
「ソクラテス式問答法(Socratic Questioning)」については過去にまとめたことがありますが、この辺りの概念も探求学習に繋がっていたんですね。
また、Perkins(2009)の学習を野球に例えた表現が印象的でした。
はじめに(Introduction)
これらのデータソースを補強するため、関連する論文や書籍の参考文献リストを精査し、検索条件に合致する追加研究を探した。
論文はこちら(被引用数:225件 (2023年9月8日時点))
Friesen, S., & Scott, D. (2013). Inquiry-based learning: A review of the research literature. Alberta Ministry of Education, 32, 1-32.
まず、従来の伝統的な教育アプローチについて述べられています。
かつての教育システムは、工業社会や階層化された官僚的組織に適応するために
「決められた規則に従い、内容を反復することを重視する」ためのものでした。
工場モデル(The factory model)とも表現されるこのシステムの特徴、前提は、Sawyer(2006)が次のように要約しています。
・知識とは、世界についての事実と、問題を解決するための手順の集まりである
・学校教育の目標は、これらの事実や手順を生徒の頭に叩き込むことである
・教師はこれらの事実や手順を知っており、それを生徒に伝えるのが仕事である
・より簡単な事実と手順をまず学ぶべきである
・学校教育の成功を判断する方法は、生徒がどれだけの事実や手順を身につけたかをテストすることである
正に、多くの学校でこれまで実践されてきた内容ですよね。
しかし、時代と共に社会構造自体が大きく変化してきています。
実際、20世紀初頭のアメリカでは95%の仕事が基本的な手順に従う低スキルの肉体労働であったのに対し、21世紀初頭には、こうした仕事は今ではわずか10%。
社会の変化に対応すべく教育にも変化が求められるようになってきており、様々な概念モデルやアプローチが提唱されてきました。
その中で注目されているアプローチの1つが「探究学習(Inquiry-based learning)」です。
本論文では、「探究学習」を中心に、それに関連する各アプローチについて、定義や最新の実証的研究の結果がまとめられています。
各アプローチと学習への影響を一部抜粋するとこんな感じ。
・本格的な知的作業(authentic intellectual work)
・小中高すべての生徒の学力が向上。学力の高い生徒と低い生徒の差が大きく縮まる(Newmannら, 1996)
・学問分野に基づく探究(discipline-based inquiry)
・小中高、特にhigh inquiry schoolに指定された学校の学力が大きく向上
・プロジェクト型学習(project-based learning)
・批判的思考テストで有意に高い得点を獲得(Shepherd, 1998)
・国家試験に合格した生徒を多く輩出、より柔軟で有用な数学的知識も身についた(Boaler, 1997)
・生徒は自分たちの学習に大きな自信を示した
・Expeditionary learningが生徒の標準化テストのスコアを大きく向上(New American Schools Development Corp, 1997)
・批判的思考や科学的推論が発達(Barrow, 2006)
・問題解決型学習(problem-based learning)
・すべての分野でプラスの成長、学習態度もより前向き(Cognition and Technology Group at Vanderbilt, 1992)
・数学に対する不安が軽減、数学的課題に積極的な態度で取り組む意欲の向上(Boaler, 1997)
・(小6)数学の概念を応用する能力が高く、達成度も高い(Barronら, 1998)
・より正確な仮説を立て、より首尾一貫した説明をする(Hmelo, 1998)
・デザインベース学習(design-based learning)
・(小6)呼吸器系の構造と機能を深く理解(Hmelo, Holton, and Kolodner, 2000)
・チャレンジベースの学習(challenge-based learning)
・21世紀型スキルを育成。リーダーシップ、創造力、メディア・リテラシー、問題解決力、批判的思考力、柔軟性、適応力を含む12の主要スキル分野が大幅に向上(Adams, 2011)
・限られた時間を有効活用、学習意欲の高まり
・探求授業(Inquiry-based teaching)
・生徒が授業に費やす時間が増え、教師主導の議論が減り、批判的思考を向上(Hattie, Brederman, 1983)
定義については正直重複する部分が多く、明確な切り分けは難しいように感じました。
この辺りを整理することは課題なのかもしれません。
ただ、総括としては、「探求に基づく学習アプローチが、生徒の中核的な概念や手順を理解する能力にプラスの影響を与えている」のはほぼほぼ間違いなささそうです。
新しい時代に必要な能力を育む教育として、「探求学習」という切り口でも色々調べてみようと思いました。
最後に、3つほど印象的だった点についてもメモしておきます。
まず、 探求学習の歴史について。
PBLについて調べると、John Deweyは必ず出てくるのですが、探求学習の概念になると、Deweyに加えて「ソクラテス」や「中世・ルネサンス」も源流の1つとされていました。
「ソクラテス式問答法(Socratic Questioning)」については過去にまとめたことがありますが、この辺りの概念も探求学習に繋がっていたんですね。
また、Perkins(2009)の学習を野球に例えた表現が印象的でした。
従来の学校では、「ボールを投げるような孤立した技術」を学ぶか、「統計やゲームの歴史を学ぶことで野球について学ぶか」のどちらかが展開されきましたが、大事なのは、「ゲーム全体をプレーする(play the whole game)」機会を学生に与えること。
要は、学びを学際的に統合し、実際に”やってみる(プレーする)”ことが必要ということなのだと思います。
知識をただ得るだけで、実社会で活用する機会がないことには以前から疑問を感じていたので、このメタファーは秀逸だと思いました。
最後に、「探求学習の効果を高めるために教師ができること」について。
「足場がけ」や「形成的評価」、「本質的な問い」についてはPBLでもよく出てくるので理解していましたが、「スルーライン質問法(Throughline questioning)」については初めて知る概念でした。
これについてはまた別途まとめたいと思います。
---
以下、PBLに関するメモ
【PBLの事例とみなされるためにプロジェクトが備えていなければならない基準】(Thomas, 2000, p.3)
1. PBLプロジェクトは、学生が学問分野の中心的な概念や原則に遭遇する(そして格闘する)よう "駆り立てる "質問や問題に焦点を当てている
---以下、プライベートモード)にて翻訳版をメモしてます---
要は、学びを学際的に統合し、実際に”やってみる(プレーする)”ことが必要ということなのだと思います。
知識をただ得るだけで、実社会で活用する機会がないことには以前から疑問を感じていたので、このメタファーは秀逸だと思いました。
最後に、「探求学習の効果を高めるために教師ができること」について。
「足場がけ」や「形成的評価」、「本質的な問い」についてはPBLでもよく出てくるので理解していましたが、「スルーライン質問法(Throughline questioning)」については初めて知る概念でした。
これについてはまた別途まとめたいと思います。
---
以下、PBLに関するメモ
【PBLに含まれるもの】(Thomas, 2000, p.1)
「生徒が設計、問題解決、意思決定、調査活動に参加し、長期間にわたって比較的自律的に活動する機会を与え、現実的な成果物やプレゼンテーションで締めくくる」
【PBLの事例とみなされるためにプロジェクトが備えていなければならない基準】(Thomas, 2000, p.3)
1. PBLプロジェクトは、学生が学問分野の中心的な概念や原則に遭遇する(そして格闘する)よう "駆り立てる "質問や問題に焦点を当てている
2. プロジェクトは、学生を建設的な調査に巻き込む
3. プロジェクトは、ある程度学生が主導する
4. プロジェクトは現実的であり、学校的でない(pp. 3-4)
---以下、プライベートモード)にて翻訳版をメモしてます---
※文字数の関係で、「Introduction」、「Inquiry-based learning in Alberta」、「Review Methods」、「Conclusion」だけはこちらで。
はじめに(Introduction)
過去の産業時代のニーズに合わせてデザインされた教育モデルは、21世紀の生徒が直面する無数の課題や機会に対して不適切であることを示唆する研究が増えている(Alberta Education, 2010; Barron & Darling-Hammond, 2008; Friesen & Jardine, 2009; Perkins, 2009)。
新しい教育環境では、生徒の学習経験をデザインするさまざまな方法や、教育や評価に対する新しいアプローチが必要とされる。
受動的な伝達ベースの学習や、個別のスキルやプロセスの伝授から脱却するための教育改革を求める声は、今に始まったことではない。
世界中の教育機関は、学習をどのように概念化し、教育をどのような目的に向けるべきかについて、最も深く根付いている前提のいくつかを再考している。
受動的な伝達ベースの学習や、個別のスキルやプロセスの伝授から脱却するための教育改革を求める声は、今に始まったことではない。
世界中の教育機関は、学習をどのように概念化し、教育をどのような目的に向けるべきかについて、最も深く根付いている前提のいくつかを再考している。
アルバータ州では、このような考え方の転換が顕著である。
アルバータ州の2030年に向けた教育の指針として、教科ごとの学習プログラムや教育省の「Inspiring Education」(2010年)という文書では、21世紀の経済、技術、社会政治の変化に対応できる若者を育成するための教育ビジョンが求められている。
知的な取り組み、起業家精神、倫理的な市民としての気質を育むことを通して、生徒が探究と発見のプロセスを通じて能力を身につけることを提唱している。
生徒は、「批判的かつ創造的に考え、探究、内省、探求、実験、試行錯誤を通して発見をする」方法を学びながら、新しい知識を創造するために協力することになる(Alberta Education, 2010, p.19)。
アルバータ州の2030年に向けた教育の指針として、教科ごとの学習プログラムや教育省の「Inspiring Education」(2010年)という文書では、21世紀の経済、技術、社会政治の変化に対応できる若者を育成するための教育ビジョンが求められている。
知的な取り組み、起業家精神、倫理的な市民としての気質を育むことを通して、生徒が探究と発見のプロセスを通じて能力を身につけることを提唱している。
生徒は、「批判的かつ創造的に考え、探究、内省、探求、実験、試行錯誤を通して発見をする」方法を学びながら、新しい知識を創造するために協力することになる(Alberta Education, 2010, p.19)。
「Inspiring Education」(教育にインスピレーションを与える)に示された教育ビジョンの中核にあるのは、本物の知識創造と本物の探究に生徒を参加させることに重点を置くことである。
このような学習志向は、西洋における長い歴史的伝統の一部である。
特に、古代ギリシャにおけるソクラテスの質問法や、20世紀初頭の教育思想家ジョン・デューイによる探究に関する研究からインスピレーションを得ている。
学習科学における新たな洞察と経験的知見は、バラバラの事実を想起し、決められたルールや操作に従う能力を重視する従来の教育アプローチを、「批判的思考、柔軟な問題解決、スキルの移転や新しい状況での知識の活用を可能にする学習」(Darling-Hammond, 2008, p.2)に置き換えるべきであることを示唆している。
Perkins(2009)は、知識の分野(事実や定義)を学んだり、分野の要素や断片(手順やルール)を学んだりするのではなく、特定の学問分野の中で知識がどのように創造され、伝達されるかを体験できる「ゲーム全体をプレーする(play the whole game)」(p.25)機会を学生に与えるべきだと主張している。
このような学習志向は、西洋における長い歴史的伝統の一部である。
特に、古代ギリシャにおけるソクラテスの質問法や、20世紀初頭の教育思想家ジョン・デューイによる探究に関する研究からインスピレーションを得ている。
学習科学における新たな洞察と経験的知見は、バラバラの事実を想起し、決められたルールや操作に従う能力を重視する従来の教育アプローチを、「批判的思考、柔軟な問題解決、スキルの移転や新しい状況での知識の活用を可能にする学習」(Darling-Hammond, 2008, p.2)に置き換えるべきであることを示唆している。
Perkins(2009)は、知識の分野(事実や定義)を学んだり、分野の要素や断片(手順やルール)を学んだりするのではなく、特定の学問分野の中で知識がどのように創造され、伝達されるかを体験できる「ゲーム全体をプレーする(play the whole game)」(p.25)機会を学生に与えるべきだと主張している。
現代の教育研究者は、探究型学習や真の知識創造という旗印の下に、無数の概念モデルやアプローチを推進している。
これらのアプローチには類似点があるものの、学生をこの種の作業に参加させるための定義や教育的方向性はそれぞれ異なっている。
「Inspiring Education」文書に明示された教育のビジョンを実現するための実践や方向性の選択に、より良い情報を提供するために、探究型学習に関する文献のレビューを提供する。
この分野の理論や研究をもとに、生徒の学習、達成度、学習意欲に与える影響という観点から、探究への特定のアプローチの有効性を洞察する。また、このような文献をもとに、私たち自身の分析も加えて、探究に対する特定の方向性の長所と短所を概説する。
これらのアプローチには類似点があるものの、学生をこの種の作業に参加させるための定義や教育的方向性はそれぞれ異なっている。
「Inspiring Education」文書に明示された教育のビジョンを実現するための実践や方向性の選択に、より良い情報を提供するために、探究型学習に関する文献のレビューを提供する。
この分野の理論や研究をもとに、生徒の学習、達成度、学習意欲に与える影響という観点から、探究への特定のアプローチの有効性を洞察する。また、このような文献をもとに、私たち自身の分析も加えて、探究に対する特定の方向性の長所と短所を概説する。
アルバータ州における探究型学習(Inquiry-based learning in Alberta)
教育カリキュラムの中で、探究という用語は、カナダやアメリカ全土の管轄区域において、ミッション・ステートメント、一般的な成果、プログラム・ストランドにおいて中心的な位置を占めるようになっている。
アルバータ州では、主要な教科ごとのカリキュラム文書のほとんどに「探究(inquiry)」という用語が含まれており、科学と社会科の学習プログラムでも中心的な位置を占めている。
例えば、アルバータ州の社会科のプログラムでは、社会科は「問題に焦点を当て、探究に基づいた学際的な教科」(Alberta Education, 2007, p.1)であり、生徒は「積極的な探究と学校や地域社会との関わりを通して、生活体験の中で意味を構築する」(p.5)と述べられている。
同様に、アルバータ州の科学プログラム(Alberta Education, 2006)では、生徒が「科学的・技術的な探究、問題解決、科学的なアイデアや結果の伝達、共同作業、十分な情報に基づいた意思決定などに必要なスキルを身につける」(p.3)ことを重要な基盤の一つとしている。
国語のプログラムでは「探究」という言葉はあまり目立たないが、数学のプログラムでは、生徒が組織的なプロセスやツールを使って探究を管理し、計画することを明確に求めている(Alberta Education, 2007)。
伝統的な伝達型の教育では、教師が専門的な知識の第一義的な保持者であり、生徒はその情報の受動的な受容者として位置づけられるのとは対照的に、アルバータ州の学習プログラムでは、生徒を中心とした能動的な、分野別の探究が重視されている。
アルバータ州では、主要な教科ごとのカリキュラム文書のほとんどに「探究(inquiry)」という用語が含まれており、科学と社会科の学習プログラムでも中心的な位置を占めている。
例えば、アルバータ州の社会科のプログラムでは、社会科は「問題に焦点を当て、探究に基づいた学際的な教科」(Alberta Education, 2007, p.1)であり、生徒は「積極的な探究と学校や地域社会との関わりを通して、生活体験の中で意味を構築する」(p.5)と述べられている。
同様に、アルバータ州の科学プログラム(Alberta Education, 2006)では、生徒が「科学的・技術的な探究、問題解決、科学的なアイデアや結果の伝達、共同作業、十分な情報に基づいた意思決定などに必要なスキルを身につける」(p.3)ことを重要な基盤の一つとしている。
国語のプログラムでは「探究」という言葉はあまり目立たないが、数学のプログラムでは、生徒が組織的なプロセスやツールを使って探究を管理し、計画することを明確に求めている(Alberta Education, 2007)。
伝統的な伝達型の教育では、教師が専門的な知識の第一義的な保持者であり、生徒はその情報の受動的な受容者として位置づけられるのとは対照的に、アルバータ州の学習プログラムでは、生徒を中心とした能動的な、分野別の探究が重視されている。
教育省は最近、「Inspiring Education」(アルバータ州教育省、2010年)を発表し、探究型学習への取り組みを強化した。
この「Inspiring Education」は、一般市民からの幅広いフィードバックに基づき、「過去ではなく、子供たちの将来に備える必要がある」という考えのもとに構成されており、いくつかの重要な原則を中心に教育を変革するよう求めている。
これらの原則には、21世紀型教育の3つのEが含まれる:
Engaged Thinker
この「Inspiring Education」は、一般市民からの幅広いフィードバックに基づき、「過去ではなく、子供たちの将来に備える必要がある」という考えのもとに構成されており、いくつかの重要な原則を中心に教育を変革するよう求めている。
これらの原則には、21世紀型教育の3つのEが含まれる:
Engaged Thinker
生涯学習者として、楽観的な姿勢と未来への希望を持って変化に適応する。
Ethical Citizen
Ethical Citizen
倫理的市民:謙虚さ、公正さ、オープンマインドに基づいて人間関係を築き、尊敬、共感、思いやりを示し、チームワーク、協調性、コミュニケーションを通じて、地域社会と世界に全面的に貢献する人。
Entrepreneurial Spirit
起業家精神: 努力、忍耐、規律を通じて機会を創造し、目標を達成する人、卓越性を追求し、成功を勝ち取る人、アイデアを探求し、現状に挑戦する人、競争力があり、適応力があり、弾力性のある人、逆境に直面してもリスクを取り、大胆な決断を下す自信を持つ人。(5-6ページ)
Entrepreneurial Spirit
起業家精神: 努力、忍耐、規律を通じて機会を創造し、目標を達成する人、卓越性を追求し、成功を勝ち取る人、アイデアを探求し、現状に挑戦する人、競争力があり、適応力があり、弾力性のある人、逆境に直面してもリスクを取り、大胆な決断を下す自信を持つ人。(5-6ページ)
アルバータ州の教育が21世紀型学習の3つのEを中心に組織されるようになると、情報を広めたり事実を思い出したりすることから、特定の能力を伸ばす方向にシフトしていく。
教師は生徒の自然な好奇心を育て、生涯学習の種を蒔く。
生徒たちは、新しい知識を創造するために協力し合いながら、「批判的かつ創造的に考え、探究、内省、探求、実験、試行錯誤を通して発見をする方法」を学ぶようになる(Alberta Education, 2010, p.19)。
内容を伝えることに重点を置いた教育システムから、探究と発見のプロセスを重視した教育システムへと移行する中で、生徒たちは引き続き国語や数学などの主要教科を学ぶことになる。
しかし、これらの教科は、芸術を含むより広範な教科を統合した、学際的なトピックの探求を含むことになる。
教師は生徒の自然な好奇心を育て、生涯学習の種を蒔く。
生徒たちは、新しい知識を創造するために協力し合いながら、「批判的かつ創造的に考え、探究、内省、探求、実験、試行錯誤を通して発見をする方法」を学ぶようになる(Alberta Education, 2010, p.19)。
内容を伝えることに重点を置いた教育システムから、探究と発見のプロセスを重視した教育システムへと移行する中で、生徒たちは引き続き国語や数学などの主要教科を学ぶことになる。
しかし、これらの教科は、芸術を含むより広範な教科を統合した、学際的なトピックの探求を含むことになる。
生徒の革新と発見を支援するため、アルバータ州の教育者は、強力なテクノロジーを学習プロセスにシームレスに統合することを求めている。
新しいテクノロジーを教室に導入するだけでは、例えば、生徒がインターネットを使って主に情報を検索したり、ビデオを見たりするような、単一の情報の流れをサポートするだけでは不十分である。
むしろ、Inspiring Educationは、知識基盤社会で活躍する若者を育成するために、テクノロジーを変革的に活用することを推進する。
これには、デジタルネットワーキングプラットフォームを利用して、生徒がさまざまな分野の専門家と交流したり、仲間と協力して知識やアイデアを創造、共有、交換したりすることも含まれる。
新しいテクノロジーを教室に導入するだけでは、例えば、生徒がインターネットを使って主に情報を検索したり、ビデオを見たりするような、単一の情報の流れをサポートするだけでは不十分である。
むしろ、Inspiring Educationは、知識基盤社会で活躍する若者を育成するために、テクノロジーを変革的に活用することを推進する。
これには、デジタルネットワーキングプラットフォームを利用して、生徒がさまざまな分野の専門家と交流したり、仲間と協力して知識やアイデアを創造、共有、交換したりすることも含まれる。
生徒たちは、さまざまなアプリケーションを使って、自分たちの研究成果を想像力豊かな方法で学校外の聴衆に伝える。
知識の創造と精巧なコミュニケーションを重視するためには、新しい評価方法が必要になる。
生徒が内容を思い出したり、基本的な手続きに従ったりする能力に焦点を当てるのではなく、このような新しい形式の評価では、深い理解のより洗練されたパフォーマンスが要求される。
これには、学生に実社会の問題を解かせたり、特定の分野の専門家の仕事を反映した課題に参加させたりすることも含まれる。
従来の総括的な評価では、一つの正しい解答や応答が求められることが多かったが、このような主要なコンピテンシーのより洗練されたパフォーマンスでは、生徒の作品を質的に評価することが必要となる。
継続的な記述的フィードバックを提供する形成的フィードバックのループは、学生が進行中の作品を向上させるのに役立つ。
生徒が内容を思い出したり、基本的な手続きに従ったりする能力に焦点を当てるのではなく、このような新しい形式の評価では、深い理解のより洗練されたパフォーマンスが要求される。
これには、学生に実社会の問題を解かせたり、特定の分野の専門家の仕事を反映した課題に参加させたりすることも含まれる。
従来の総括的な評価では、一つの正しい解答や応答が求められることが多かったが、このような主要なコンピテンシーのより洗練されたパフォーマンスでは、生徒の作品を質的に評価することが必要となる。
継続的な記述的フィードバックを提供する形成的フィードバックのループは、学生が進行中の作品を向上させるのに役立つ。
このように形成的評価に再び焦点を当てることで、教師は、生徒が洗練された質の高い総括的な理解のパフォーマンスを生み出すことができるように指導を修正することができる。
レビュー方法(Review Methods)
「Inspiring Education」に概説されている教育ビジョンを支援するために、本稿では、探究型学習、本格的な知的作業、知識創造に生徒を参加させようとする教育アプローチの性質と有効性を文書化した理論と研究のレビューを提供する。
生徒を探究型学習や知識創造に参加させるとはどういうことなのかについて、幅広い定義づけがなされていることを確認する。
各アプローチに関連して、特定のアプローチが生徒の学習に与える影響に関する最新の実証的研究の結果を統合し、要約する。
各アプローチに関連して、特定のアプローチが生徒の学習に与える影響に関する最新の実証的研究の結果を統合し、要約する。
選考基準(Selection Criteria)
研究論文や報告書、概念的な論文、書籍など、さまざまな情報源を検討した。選定基準は以下の通りである:
・定性・質的方法論を含む信頼性の高い研究。
・学術界で国内外に知られた学者や専門家団体によって書かれた報告書、論文、書籍。
・国際的、国内的、地方的に出版された文献。
・過去10年以内に出版された文献を優先。
検索手順(Search Procedure)
2013年3月末から5月にかけて、オーセンティック・知的作業(authentic intellectual work)、探究型学習(inquiry-based learning)、プロジェクト型学習(project-based learning)、問題解決型学習(problem-based learning)、デザイン型学習(design-based learning)を含む検索語を用いて、学術的・専門的な出版物を検索した。検索戦略は以下の通りである:
関連する学術雑誌、研究報告書、書籍を手作業で検索。
以下のデータベースによる電子的検索: Academic Search Complete、CBCA Education、ERIC、Google Scholar、Education Research Complete、ProQuest Dissertations and Theses、WorldCat。
Google検索エンジンによるインターネット検索。
これらのデータソースを補強するため、関連する論文や書籍の参考文献リストを精査し、検索条件に合致する追加研究を探した。
分析(Analysis)
私たちは共有のドロップボックスを使ってリソースを集め、戦略的文献の参考文献リストを作成した。文献のレビュー中に持ち出した主要な概念や情報を検証し、妥当性を確認するために、この論文の最初の草稿をGoogleドキュメントに掲載した。
これにより、両著者はこの文書を何度も読み返し、共読し、継続的に批判的なフィードバックやコメントを提供することができた。
これにより、両著者はこの文書を何度も読み返し、共読し、継続的に批判的なフィードバックやコメントを提供することができた。
著者らは2013年3月初めから隔月で会合を持ち、この文献レビューで提示された研究の新たな総合を検証し、妥当性を確認した。
探究型学習の重要性(Making inquiry-based learning count)
やるためにやるのではない(Not just doing for the sake of doing)
探究学習への特定のアプローチに関する研究のすべてが肯定的であるとは限らない。
このような学習アプローチを否定する研究者たちは、探究を非構造的なものとしてとらえ、バロンが「やるためにやる」(Barron & Darling-Hammond, 2008, p.12に引用)と呼んだような学習アプローチをとっている。
このような観点から、いくつかの研究者は、探究よりも直接指導の方が望ましいと見なしている(Kirschner, Sweller, & Clark, 2006; Klahr & Nigam, 2004)。
Kirschnerら(2006)は、プロジェクト学習、探究学習、発見学習など、「最小限の指導」に頼る指導方法は、非効率的で非効率的な指導方法であることを明らかにした。
彼らは、「学習者は、本質的な情報を提示されるのではなく、本質的な情報を自分で発見したり、組み立てたりしなければならない」(p.1)アプローチとして、ミニマムガイデッドインストラクションを定義した。
この研究に対して、Hmelo-Silver, Duncan, and Chinn (2007)は、Kirschnerらが用いた方法論には欠陥があると主張した。
なぜなら、彼らは発見学習の非指導的性質を、より構造化されたプロジェクト型学習や探究型学習と混同しているからである。
この主張の中で、Hmelo-Silverらは、発見学習で起こりうる最小限のガイド付き指導の欠点を認めた。
このような学習アプローチを否定する研究者たちは、探究を非構造的なものとしてとらえ、バロンが「やるためにやる」(Barron & Darling-Hammond, 2008, p.12に引用)と呼んだような学習アプローチをとっている。
このような観点から、いくつかの研究者は、探究よりも直接指導の方が望ましいと見なしている(Kirschner, Sweller, & Clark, 2006; Klahr & Nigam, 2004)。
Kirschnerら(2006)は、プロジェクト学習、探究学習、発見学習など、「最小限の指導」に頼る指導方法は、非効率的で非効率的な指導方法であることを明らかにした。
彼らは、「学習者は、本質的な情報を提示されるのではなく、本質的な情報を自分で発見したり、組み立てたりしなければならない」(p.1)アプローチとして、ミニマムガイデッドインストラクションを定義した。
この研究に対して、Hmelo-Silver, Duncan, and Chinn (2007)は、Kirschnerらが用いた方法論には欠陥があると主張した。
なぜなら、彼らは発見学習の非指導的性質を、より構造化されたプロジェクト型学習や探究型学習と混同しているからである。
この主張の中で、Hmelo-Silverらは、発見学習で起こりうる最小限のガイド付き指導の欠点を認めた。
対照的に、プロジェクト学習と探究型学習の両方が、生徒の深い理解を育むための強力で効果的なモデルであることを示唆する多くの研究を紹介した。
KlahrとNigam(2004)は、伝統的な講義ベースの学習アプローチとして理解される直接指導は、ある領域に関する生徒の基礎知識を育てるという点で、発見型学習よりも望ましいと主張した。
彼らは、スロープを下るボールの速度に関連する変数を評価する実験を計画するよう求められた6年生の2つのグループを調査した。
彼らは、スロープを下るボールの速度に関連する変数を評価する実験を計画するよう求められた6年生の2つのグループを調査した。
KlahrとNigamは、生徒が実験計画について理解し、「交絡変数」(p.11)をコントロールできるようになることに興味を持った。
あるクラスでは、生徒たちは実験において交絡変数を用いないことの重要性について直接指導を受けたが、もう一方のクラスでは、生徒たちは単に自分で実験計画を立てるよう求められた。
Darling-Hammond (2008)は、この研究結果に異議を唱えている:
あるクラスでは、生徒たちは実験において交絡変数を用いないことの重要性について直接指導を受けたが、もう一方のクラスでは、生徒たちは単に自分で実験計画を立てるよう求められた。
Darling-Hammond (2008)は、この研究結果に異議を唱えている:
「研究者たちの結論は、直接指導アプローチの方がよりよい学習が得られることを示唆しているが、このアプローチには多くの実験といくつかの直接指導の両方が含まれていることを認めていない」(p.16)。
これらの研究は、探究型アプローチが効果的でないことを証明するものではないが、探究には一定の指導支援が必要であるという結論を支持するものである。
Roth(2006)(Darling-Hammond,2008に引用)は、工学原理のより深い理解は、生徒に橋や塔を作らせることからは生まれないことを発見した。
Barronら(1998)は、Petrosino(1998)の未発表の博士論文とLamonら(1996)の研究を引用し、生徒がロケットを作ると、生徒の学習意欲は高まるが、飛行原理についての学習意欲は並行して高まらないことを明らかにした。
同じプロジェクトの後の反復では、生徒がロケットの飛行距離に関する変数を決定するという新しい課題が導入された。この場合、ラモンらは、飛行原理に関する生徒の概念的知識が劇的に増加することを発見した。
Barronら(1998)は、Petrosino(1998)の未発表の博士論文とLamonら(1996)の研究を引用し、生徒がロケットを作ると、生徒の学習意欲は高まるが、飛行原理についての学習意欲は並行して高まらないことを明らかにした。
同じプロジェクトの後の反復では、生徒がロケットの飛行距離に関する変数を決定するという新しい課題が導入された。この場合、ラモンらは、飛行原理に関する生徒の概念的知識が劇的に増加することを発見した。
教師が探究型学習の効果を最大限に高めるには(How teachers can maximize the effectiveness of inquiry-based learning)
ディシプリンに基づいた探究のアプローチは、生徒の学習指導やサポートがほとんどないような、最小限の指導しかしない探究の形態(Kirschner, Sweller, & Clark, 2006)と混同してはならない。
Friesen (2012)が述べているように、探究は、常に特定のトピックや研究分野と結びついた調査精神を伴う。
その結果、探究は、純粋な教師中心、あるいは生徒中心のアプローチから、その研究分野を知ろうとする人々が何を求めているかを手がかりとする学習形態へと移行する。
生徒と教師は、その分野の専門家が重要であると認識するような指導的な質問、問題、課題を提起しながら、専門家から学び、有意義で洗練された、力強い学習の応答とパフォーマンスを開発する。
Friesen (2012)が述べているように、探究は、常に特定のトピックや研究分野と結びついた調査精神を伴う。
その結果、探究は、純粋な教師中心、あるいは生徒中心のアプローチから、その研究分野を知ろうとする人々が何を求めているかを手がかりとする学習形態へと移行する。
生徒と教師は、その分野の専門家が重要であると認識するような指導的な質問、問題、課題を提起しながら、専門家から学び、有意義で洗練された、力強い学習の応答とパフォーマンスを開発する。
足場作り(Scaffolding)。このプロセスで生徒をサポートするために、Darling-Hammond(2008)やBarronら(1998)は、探究ベースのプロジェクトが深い理解につながるようにするためには、足場となる活動、形成的評価の頻繁な機会、強力なガイディング・クエスチョンが極めて重要であると主張している。
何をもって足場固め活動とするかについては、この分野でも意見が分かれているが、一般的には、生徒が他の方法では不可能なレベルの達成を得るのをサポートするツール、戦略、ガイドが含まれる。SimonsとKlein (2006)は、効果的な足場とは、学習者が自分の能力の範囲内にある要素だけに集中し、それを完了できるようにするために、最初は学習者の能力を超えているタスクの要素を除外することであると論じている。
同様に、Pea(2004)は、足場には「努力を制限すること、学習者が効果的に行動する可能性を高めるために関連する特徴に注意を集中させること、高度な解決策やアプローチをモデル化すること」(p.446)など、さまざまな指導手段が含まれると論じている。
研究によると、スキャフォールディング活動は、問題解決(Cho & Jonassen, 2002)、内省(Davis & Linn, 2000)、研究支援(Brinkerhoff & Glazewski, 2004)、概念統合(Davis & Linn, 2000)、知識習得(Roehler & Cantlon, 1997)にプラスの影響を与えることが示唆されている。
何をもって足場固め活動とするかについては、この分野でも意見が分かれているが、一般的には、生徒が他の方法では不可能なレベルの達成を得るのをサポートするツール、戦略、ガイドが含まれる。SimonsとKlein (2006)は、効果的な足場とは、学習者が自分の能力の範囲内にある要素だけに集中し、それを完了できるようにするために、最初は学習者の能力を超えているタスクの要素を除外することであると論じている。
同様に、Pea(2004)は、足場には「努力を制限すること、学習者が効果的に行動する可能性を高めるために関連する特徴に注意を集中させること、高度な解決策やアプローチをモデル化すること」(p.446)など、さまざまな指導手段が含まれると論じている。
研究によると、スキャフォールディング活動は、問題解決(Cho & Jonassen, 2002)、内省(Davis & Linn, 2000)、研究支援(Brinkerhoff & Glazewski, 2004)、概念統合(Davis & Linn, 2000)、知識習得(Roehler & Cantlon, 1997)にプラスの影響を与えることが示唆されている。
形成的評価(Formative assessment)。
スキャフォールディングと並んで、形成的評価によってもたらされる学習効果は、あらゆる教育的介入の中でも最大級であると、多くの研究が結論付けている(Bransford, Brown, & Cocking, 2000; Darling-Hammond, 2008; Hattie, 2009; Heritage, 2010)。
この同じ研究結果は、成績の低い生徒の学習効果が最も顕著であることを明らかにしている。
形成的評価は、学習サイクルの中に組み込まれ、生徒が学習の質と理解を向上させるための継続的なフィードバックを受けられるようにする必要があります。
Heritage(2010)の文献レビューでは、学習を改善するためのフィードバックが最も効果的なのは、「課題に焦点を当て、パフォーマンスに関する賞賛やコメントという形ではなく、提案やヒント、合図を生徒に提供するとき」(p.5)であると主張している。
生徒には、明確な評価基準に基づいて自己評価する機会を与えるべきである。
そして教師は、このプロセスから得た知識を使って、望ましい能力を育てるように指導を調整することができる。
この同じ研究結果は、成績の低い生徒の学習効果が最も顕著であることを明らかにしている。
形成的評価は、学習サイクルの中に組み込まれ、生徒が学習の質と理解を向上させるための継続的なフィードバックを受けられるようにする必要があります。
Heritage(2010)の文献レビューでは、学習を改善するためのフィードバックが最も効果的なのは、「課題に焦点を当て、パフォーマンスに関する賞賛やコメントという形ではなく、提案やヒント、合図を生徒に提供するとき」(p.5)であると主張している。
生徒には、明確な評価基準に基づいて自己評価する機会を与えるべきである。
そして教師は、このプロセスから得た知識を使って、望ましい能力を育てるように指導を調整することができる。
強力で重要かつ本質的な質問(Powerful, critical, and essential questions)
Barron et al. (1998)は、よく設計された探究プロジェクトは、「育成することを望むであろう基礎となる概念的知識」(p.274)と活動との間に明確なつながりを持たせる、強力な原動力となる問いを中心に組織されるべきであると指摘している。
ガイディング・クエスチョンは、制約を可能にする探究に焦点を当てるのに役立つ。
強力な探究課題は、学問分野にとって重要であり、学習プログラム内の成果を尊重しつつ、生徒を学校外の世界と結びつけるものでなければならない。
ガイディング・クエスチョンは、制約を可能にする探究に焦点を当てるのに役立つ。
強力な探究課題は、学問分野にとって重要であり、学習プログラム内の成果を尊重しつつ、生徒を学校外の世界と結びつけるものでなければならない。
教師は、探究プロジェクトを設計する際に、多くの支援源を持っている。
Scott and Abbott (2012)は、内容の理解を深め、学問の手段やプロセスの理解を促進する、目的を持った探究の戦略や枠組みを推進する文献が増えつつあることを概説している(Case 2005; den Heyer 2009; Wiggins & McTighe, 2005)。
これらのアプローチの鍵となるのは、情報伝達中心の教育から、クリティカル・クエスチョン(Case, 2005)やエッセンシャル・クエスチョン(Wiggins & McTighe, 2005)を中心とした探究へとシフトすることである。
Scott and Abbott (2012)は、内容の理解を深め、学問の手段やプロセスの理解を促進する、目的を持った探究の戦略や枠組みを推進する文献が増えつつあることを概説している(Case 2005; den Heyer 2009; Wiggins & McTighe, 2005)。
これらのアプローチの鍵となるのは、情報伝達中心の教育から、クリティカル・クエスチョン(Case, 2005)やエッセンシャル・クエスチョン(Wiggins & McTighe, 2005)を中心とした探究へとシフトすることである。
これらの探究戦略はいずれも、教科の理解を促進し、学問的な手段やプロセスを教えようとするものである。
しかし、アプローチや教育学的な焦点は異なります。
クリティカルクエスチョンによって、生徒は、カリキュラムのアイデア、概念、および内容の理解を実証するために探究を構成することができます。
しかし、アプローチや教育学的な焦点は異なります。
クリティカルクエスチョンによって、生徒は、カリキュラムのアイデア、概念、および内容の理解を実証するために探究を構成することができます。
Case and Wright (1997)は、生徒が選択肢の中から理性的に判断し、その判断のために基準を使用し、カリキュラムの中核にある成果に結びつけることを要求する場合、その探究問題はクリティカルクエスチョンになると述べています。
アルバータ州8年生の社会科学習プログラムに沿ったクリティカル・クエスチョンの例には、次のようなものがある:
・ルネサンス期のヨーロッパで、交易都市として成功するのに最適な立地とは?
アルバータ州8年生の社会科学習プログラムに沿ったクリティカル・クエスチョンの例には、次のようなものがある:
・ルネサンス期のヨーロッパで、交易都市として成功するのに最適な立地とは?
・ルネサンスの世界観の形成に影響を与えたイタリアの都市国家を、その影響力の大きい順に並べなさい(Alberta Education, 2012)。
Wiggins and McTighe (2005)は、本質的な質問を通して教科の理解を促し、内容から浮かび上がるビッグアイデアを中心に単元を導いている。
その質問が「教科やカリキュラムの中心にあり(些細なものでも先導的なものでもなく)、教科の探究と発見を促す」(p.342)ものであれば、本質的な質問といえる。
本質的な質問の例としては、以下のようなものがある:
Wiggins and McTighe (2005)は、本質的な質問を通して教科の理解を促し、内容から浮かび上がるビッグアイデアを中心に単元を導いている。
その質問が「教科やカリキュラムの中心にあり(些細なものでも先導的なものでもなく)、教科の探究と発見を促す」(p.342)ものであれば、本質的な質問といえる。
本質的な質問の例としては、以下のようなものがある:
・政府権力に対するチェック・アンド・バランスはどこまで必要か?
・強国の興亡に共通する要因は何か?
・科学的方法は、出口のない有料道路と出口の多い州間高速道路のどちらに似ているか?
・代数的に考えることは、算術的に考えることとどう違うか?
アルバータ州の学校管轄区域は、教師がこれらの探究モデルを実践に統合するために、多大な時間、資金、専門能力開発支援を投資してきた。
例えば、Case(2005)が開発したクリティカル・シンキングのフレームワークは、社会科プログラムのカリキュラムと指導のためのオンライン支援リソースの中心的な組織的フレームワークを形成している。
同様に、アルバータ州内の学区では、Wiggins and McTighe (2005) の Understanding by Design と Essential Question の枠組みを指導に取り入れたいと望む教師を支援するために、継続的な専門能力開発の機会を提供し続けている。
アルバータ州の学校管轄区域は、教師がこれらの探究モデルを実践に統合するために、多大な時間、資金、専門能力開発支援を投資してきた。
例えば、Case(2005)が開発したクリティカル・シンキングのフレームワークは、社会科プログラムのカリキュラムと指導のためのオンライン支援リソースの中心的な組織的フレームワークを形成している。
同様に、アルバータ州内の学区では、Wiggins and McTighe (2005) の Understanding by Design と Essential Question の枠組みを指導に取り入れたいと望む教師を支援するために、継続的な専門能力開発の機会を提供し続けている。
スルーライン質問法(Throughline questioning)
アルバータ州ではまだ普及していない探究の最後のアプローチは、アルバータ大学のデン・ヘイヤー(2009) が改良したスルーライン質問法である。
スルーライン・クエスチョンとは、「コースの内容が学生が取り組むべき質問」(p.31)である。
このアプローチは、ハーバード・プロジェクト・ゼロ(Active Learning Practice for Schools Project Zero, 2001)によって開発された教育戦略に根ざしており、ウィギンズとマクティーゲ(2005)のエッセンシャル・クエスチョンに似ている。
デン・ヘイヤー(2005, 2009)のスルーラインアプローチは、教育学上の重要な構成要素として質問を使用するが、生徒が生活する地域社会で関心のある特定の問題を中心に探究を構成することで、エッセンシャルクエスチョンアプローチとは一線を画している。
アルバータ州ではまだ普及していない探究の最後のアプローチは、アルバータ大学のデン・ヘイヤー(2009) が改良したスルーライン質問法である。
スルーライン・クエスチョンとは、「コースの内容が学生が取り組むべき質問」(p.31)である。
このアプローチは、ハーバード・プロジェクト・ゼロ(Active Learning Practice for Schools Project Zero, 2001)によって開発された教育戦略に根ざしており、ウィギンズとマクティーゲ(2005)のエッセンシャル・クエスチョンに似ている。
デン・ヘイヤー(2005, 2009)のスルーラインアプローチは、教育学上の重要な構成要素として質問を使用するが、生徒が生活する地域社会で関心のある特定の問題を中心に探究を構成することで、エッセンシャルクエスチョンアプローチとは一線を画している。
デン・ヘイヤー(2009)のスルーラインという考え方は、倫理的な関わりを求める質問に生徒と教師が答えることを奨励することで、生徒と自分たちの住む世界とを有意義に結びつけるような関心事について、関連性のある刺激的な質問をすることで、プログラムの目標、目的、授業、単元、コースの具体的な成果を相互に関連付けようとするものである。
さらに、スルーラインアプローチは、生徒と教師が現在の状況がどのようにして生まれたのかをよりよく理解するのに役立ちます。
さらに、スルーラインアプローチは、生徒と教師が現在の状況がどのようにして生まれたのかをよりよく理解するのに役立ちます。
生徒と教師は、現在の感覚作りが、未来を想像し形成するための個人や集団の主体性をどのように制約しているかを探求する。
アボット(Scott & Abbott 2012)が作成したアルバータ州の探究型学習に関連するスルーラインの質問の例には、以下のようなものがある:
アボット(Scott & Abbott 2012)が作成したアルバータ州の探究型学習に関連するスルーラインの質問の例には、以下のようなものがある:
・現在の教育や学習の概念は、どのような点で教室と世界を切り離しているのだろうか?
・生徒が自分たちの住む世界をよりよく理解し、変化の担い手となる能力をよりよく理解するために、私たちの教育はどのように役立つだろうか?
結論(Conclusion)
多様で幅広い研究が、探究に基づく学習アプローチが、生徒の中核的な概念や手順を理解する能力にプラスの影響を与えることを示唆している。
探究はまた、より魅力的な学習環境を作り出す。
ガリレオ教育ネットワーク(2008)のルーブリック(探求を導くための基準)で概説され、多くの研究に裏付けられているように、探求教育の効果を最大化するためには、一連のプロセスを整備する必要がある。
これらの要素には、活動の足場作り、形成的フィードバックのループ、学習プロセスを導くための強力な質問戦略の採用などが含まれる。
探究はまた、より魅力的な学習環境を作り出す。
ガリレオ教育ネットワーク(2008)のルーブリック(探求を導くための基準)で概説され、多くの研究に裏付けられているように、探求教育の効果を最大化するためには、一連のプロセスを整備する必要がある。
これらの要素には、活動の足場作り、形成的フィードバックのループ、学習プロセスを導くための強力な質問戦略の採用などが含まれる。
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