プロジェクト学習(Project-based learning)と探求学習(inquiry-based learning)の2つの手法を比較した論文をレビューします。
論文はこちら(被引用数:285件 (2023年9月11日時点))
Panasan, M., & Nuangchalerm, P. (2010). Learning outcomes of project-based and inquiry-based learning activities. Online Submission, 6(2), 252-255.
内容を簡単に要約します。
対象となったのは、タイのNakhon Ratchasima地域の小学5年生のクラス。
クラスターランダムサンプリングで選ばれた88人が44人ずつの2つのグループに分けられ、片方にはプロジェクト学習を、もう片方には探求学習を行われました。
科目はどちらも科学(science)で、16時間かけて授業計画が作られました。
授業の前後でテストを行い、学習到達度、科学的プロセススキル、分析的思考を計測し、2つの手法による学習効果の変化や違いについて考察されました。
分析結果として、まず、どちらの手法も学習効果は非常に高いものが示されました。
一方、PBLと探求学習という2つの授業間では有意差(0.05)は見られませんでした。
同じ科学(science)の授業を、PBLと探求学習それぞれで実施した場合の比較をしている点は面白いと思いました。
結果的には有意差はなかったとのことですが、より細かな分析で、どの要素を伸ばすにはどちらの手法がより有効かといった点まで明らかになれば更に有益になると感じました。
少し残念な点としては、実際にどのような授業を行ったのか、具体的な記述がなかったこと。
一応、以下のような記述はあったので、それに基づいた設計だろうとは思います。
・探求学習:科学的な考え方の知識や理解を深める生徒の活動や、科学者がどのように自然界を研究しているかについての理解も含まれる(National Research Council, 1996)
・PBL:生徒が設計、問題解決、意思決定、調査活動に参加するような、挑戦的な問題や課題に基づくものである
いずれにしても、PBLも探求学習も科学の教科に高い学習効果が示されたのは有益な情報でした。
ちなみに当論文の結果は、以下のレビュー論文の中で、Content Knowledgeの効果量が高いTop10として紹介されていました。
Deehan, J., MacDonald, A., & Morris, C. (2022). A scoping review of interventions in primary science education. Studies in Science Education, 1-43.
科学の学習には、PBLや探求学習をもっと活用すると良さそうです。
---以下、プライベートモード)にて翻訳版をメモしてます---
論文はこちら(被引用数:285件 (2023年9月11日時点))
Panasan, M., & Nuangchalerm, P. (2010). Learning outcomes of project-based and inquiry-based learning activities. Online Submission, 6(2), 252-255.
内容を簡単に要約します。
対象となったのは、タイのNakhon Ratchasima地域の小学5年生のクラス。
クラスターランダムサンプリングで選ばれた88人が44人ずつの2つのグループに分けられ、片方にはプロジェクト学習を、もう片方には探求学習を行われました。
科目はどちらも科学(science)で、16時間かけて授業計画が作られました。
授業の前後でテストを行い、学習到達度、科学的プロセススキル、分析的思考を計測し、2つの手法による学習効果の変化や違いについて考察されました。
分析結果として、まず、どちらの手法も学習効果は非常に高いものが示されました。
一方、PBLと探求学習という2つの授業間では有意差(0.05)は見られませんでした。
同じ科学(science)の授業を、PBLと探求学習それぞれで実施した場合の比較をしている点は面白いと思いました。
結果的には有意差はなかったとのことですが、より細かな分析で、どの要素を伸ばすにはどちらの手法がより有効かといった点まで明らかになれば更に有益になると感じました。
少し残念な点としては、実際にどのような授業を行ったのか、具体的な記述がなかったこと。
一応、以下のような記述はあったので、それに基づいた設計だろうとは思います。
・探求学習:科学的な考え方の知識や理解を深める生徒の活動や、科学者がどのように自然界を研究しているかについての理解も含まれる(National Research Council, 1996)
・PBL:生徒が設計、問題解決、意思決定、調査活動に参加するような、挑戦的な問題や課題に基づくものである
いずれにしても、PBLも探求学習も科学の教科に高い学習効果が示されたのは有益な情報でした。
ちなみに当論文の結果は、以下のレビュー論文の中で、Content Knowledgeの効果量が高いTop10として紹介されていました。
Deehan, J., MacDonald, A., & Morris, C. (2022). A scoping review of interventions in primary science education. Studies in Science Education, 1-43.
科学の学習には、PBLや探求学習をもっと活用すると良さそうです。
---以下、プライベートモード)にて翻訳版をメモしてます---
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