タイトルの通り、ソフトスキル(社会的・感情的スキルやパーソナリティ特性)の重要性について検証した論文をレビューします。
論文はこちら(被引用数:3,076件 (2024年8月30日時点))
Heckman, J. J., & Kautz, T. (2012). Hard evidence on soft skills. Labour economics, 19(4), 451-464.
被引用数は3,000以上と、非常に多くの方々に影響を与えている論文です。
当論文の重要なメッセージは、以下のような点です。
・標準化された学力テストは、人生において重要な多くのスキルを適切に捉えていない
・ソフト・スキルは人生における成功を予測し、その成功を生み出すものである
・人生における成功は、認知の尺度ではうまく捉えられないパーソナリティ特性に左右される。勤勉さ、忍耐強さ、社交性、好奇心は重要である。
・ソフト・スキルを高めるプログラムは、公共政策の効果的なポートフォリオの中で重要な位置を占める
つまり、学力テストでは測れないソフトスキルも社会において重要であるということが様々な角度から語られています。
印象的だった点をいくつか記載します。
・特性(Trait)の測定の難しさ:特性の測定は、問題①行動は状況によって生じるインセンティブに依存する、問題②:1つの課題における行動は複数の特性に依存する可能性があるという2つの問題から難しい
・パーソナリティ特性の測定値は約40%~60%の確率で遺伝する傾向がある
・パーソナリティ特性はライフサイクルの中で変化する
・誠実性(Conscientiousness)はライフサイクルの中で単調に増加する傾向があり、その他特性は様々に変化する
・流動性知能は成人期初期にピークに達し、その後低下する傾向がある
・パーソナリティ特性は、認知スキルと同様に、その後の人生の多くの結果を強く予測する
・誠実性-忍耐強く勤勉である傾向-は、多くの結果においてビッグファイブの中で最も予測力が強い
・誠実性は、知能のいずれの側面よりも教育達成度を予測し、労働市場の業績、成績、健康など、他の多くの結果にも現れている。
また、高校卒業資格に代わる標準学力試験であるGEDテストプログラムの分析結果も印象的でした。
GED取得者は、高校卒業者と認知スキル的には同水準に至るにもかかわらず、両者の間には大きな乖離が多方面で見られました。例えば、
・GED取得者は、人生におけるさまざまな仕事において持続性がない
・GED取得者は、高校中退者と同じような割合で、仕事を辞め、離婚し、刑務所に入る傾向がある
この結果は、社会で活躍したり、ウェルビーングな状態になるためには、認知スキルだけでは不十分であるということなのでしょう。
その他、3歳時の初期IQが85以下の3、4歳の低所得の黒人児童を対象にしたThe Perry Preschool Programも興味深い事例でした。
以下、各章のまとめ
2.5 ライフサイクルにおける性格特性の進化
・性格特性はライフサイクルの中で変化する
・誠実性(Conscientiousness)はライフサイクルの中で単調に増加する傾向があり、その他特性は様々に変化する
・流動性知能は成人期初期にピークに達し、その後低下する傾向がある
・このエビデンスでは、これらの変化が自然に起こるのか(「ontogenic change」)、それともライフサイクルの中で一般的に経験される環境の変化によるものなのか(「sociogenic change))については触れていない
※Ontogenic change:個人の生涯に渡って生じる生物学的及び心理的成熟に起因する変化
(例: 子どもの成長と共に、言語能力や運動技能、感情制御が発達)
※Sociogenic change:文化、教育、社会規範、対人関係等による社会的要因に起因する変化(例:学校教育や文化的な規範に適応し、社会的スキルや行動が変化)
・Almlundら(2011)は、親の投資や介入がパーソナリティの変化をどのように促進するかについてのエビデンスをレビューしている。
2.6 パーソナリティの予測力
論文はこちら(被引用数:3,076件 (2024年8月30日時点))
Heckman, J. J., & Kautz, T. (2012). Hard evidence on soft skills. Labour economics, 19(4), 451-464.
被引用数は3,000以上と、非常に多くの方々に影響を与えている論文です。
当論文の重要なメッセージは、以下のような点です。
・標準化された学力テストは、人生において重要な多くのスキルを適切に捉えていない
・ソフト・スキルは人生における成功を予測し、その成功を生み出すものである
・人生における成功は、認知の尺度ではうまく捉えられないパーソナリティ特性に左右される。勤勉さ、忍耐強さ、社交性、好奇心は重要である。
・ソフト・スキルを高めるプログラムは、公共政策の効果的なポートフォリオの中で重要な位置を占める
つまり、学力テストでは測れないソフトスキルも社会において重要であるということが様々な角度から語られています。
印象的だった点をいくつか記載します。
・特性(Trait)の測定の難しさ:特性の測定は、問題①行動は状況によって生じるインセンティブに依存する、問題②:1つの課題における行動は複数の特性に依存する可能性があるという2つの問題から難しい
・パーソナリティ特性の測定値は約40%~60%の確率で遺伝する傾向がある
・パーソナリティ特性はライフサイクルの中で変化する
・誠実性(Conscientiousness)はライフサイクルの中で単調に増加する傾向があり、その他特性は様々に変化する
・流動性知能は成人期初期にピークに達し、その後低下する傾向がある
・パーソナリティ特性は、認知スキルと同様に、その後の人生の多くの結果を強く予測する
・誠実性-忍耐強く勤勉である傾向-は、多くの結果においてビッグファイブの中で最も予測力が強い
・誠実性は、知能のいずれの側面よりも教育達成度を予測し、労働市場の業績、成績、健康など、他の多くの結果にも現れている。
・「誠実性」の重要性は職務の複雑さによってあまり変化しないことから(Barrick and Mount, 1991)、より幅広い職務に関係することが示唆される
・IQの重要性は、職務の複雑さに比例して高まる。教授、科学者、上級管理職では、半熟練労働者や未熟練労働者よりも認知能力の方が重要(Schmidt and Hunter, 2004)
・IQの重要性は、職務の複雑さに比例して高まる。教授、科学者、上級管理職では、半熟練労働者や未熟練労働者よりも認知能力の方が重要(Schmidt and Hunter, 2004)
また、高校卒業資格に代わる標準学力試験であるGEDテストプログラムの分析結果も印象的でした。
GED取得者は、高校卒業者と認知スキル的には同水準に至るにもかかわらず、両者の間には大きな乖離が多方面で見られました。例えば、
・GED取得者は、人生におけるさまざまな仕事において持続性がない
・GED取得者は、高校中退者と同じような割合で、仕事を辞め、離婚し、刑務所に入る傾向がある
この結果は、社会で活躍したり、ウェルビーングな状態になるためには、認知スキルだけでは不十分であるということなのでしょう。
その他、3歳時の初期IQが85以下の3、4歳の低所得の黒人児童を対象にしたThe Perry Preschool Programも興味深い事例でした。
参加者は、課題を計画し、実行し、それを先生や仲間とともに振り返るという順序で社会的スキルを教え込まれた。その他、園児たちは、問題が起きたときに他の園児と協力することを学び、家庭訪問によって親子の交流が促進された。
プログラムによってIQスコアが持続的に向上することはなかったが、以下のような効果が見られました。
・小学校時代に教師が測定した「欠席と不登校」、「嘘と不正行為」、「盗み」、「悪口や卑猥な言葉の使用」の加重平均値)が改善
・参加者は男女ともに「外向的行動」が改善
・女子の場合、「経験に対する開放性」(学業への動機づけを指標とする)が向上
・カリフォルニア州学力テスト(CAT)の成績も向上
つまり、ペリー就学前プログラムは、主にパーソナリティ特性の改善を通じて効果を発揮したのです。
また、論文で紹介されていた以下のプログラムについてもまた機会をみつけて調べてみようと思います。
・参加者は男女ともに「外向的行動」が改善
・女子の場合、「経験に対する開放性」(学業への動機づけを指標とする)が向上
・カリフォルニア州学力テスト(CAT)の成績も向上
つまり、ペリー就学前プログラムは、主にパーソナリティ特性の改善を通じて効果を発揮したのです。
また、論文で紹介されていた以下のプログラムについてもまた機会をみつけて調べてみようと思います。
・Promoting Alternative Thinking Strategies(PATHS):小学生を対象に、自己コントロール、感情認識、社会的問題解決スキルを教える(Bierman et al, 2010)。学校ベースの社会性と情動の学習(SEL)プログラムの模範
・Tools of the Mind:自制心の発達を目標とした就学前教育や小学校低学年向けのカリキュラム。抑制機能、ワーキングメモリー、認知の柔軟性など、より高度な認知能力として定義される実行機能だけでなく、教室での行動も改善
・モンテッソーリ幼児教育:誠実性の側面を改善
・EPSIS:ポルトガルの13~15歳の生徒を対象に訓練を受けたスタッフとの1対1の面談、または小グループでの面談で構成。費用対効果も高く、成績留年を10ポイント減少させた。
・Self-Sufficiency Project(SSP):仕事をすることで統制の所在が改善
以下、各章のまとめ
2.1 認知能力の歴史と測定
・アルフレッド・ビネーが最初のIQテストを作成。安定した特性を測定するものと解釈された。
・標準学力テストは、IQテストが客観的で費用対効果の高い測定法として成功したと認識されたことを受けて作成された。IQテストとは対照的に、標準学力テストは、学校や人生経験を通じて習得できる「一般知識」を測定するように設計されており、教室を越えて職場や社会的機能にも広く適用できるものであった。
・標準学力テストは、IQテストが客観的で費用対効果の高い測定法として成功したと認識されたことを受けて作成された。IQテストとは対照的に、標準学力テストは、学校や人生経験を通じて習得できる「一般知識」を測定するように設計されており、教室を越えて職場や社会的機能にも広く適用できるものであった。
・達成度テストは通常、労働市場や社会機能における課題や成果ではなく、他の達成度テストやIQテスト、成績で検証される。
・Hartlage and Steele (1977)は、標準学力テストの算数部分がIQと最も高い相関があるとしている。
・IQテストと標準学力テストの成績と得点は完全な相関関係にはほど遠く、両者が 「認知機能」の異なる側面を測定していることを示唆している。
・Hartlage and Steele (1977)は、標準学力テストの算数部分がIQと最も高い相関があるとしている。
・IQテストと標準学力テストの成績と得点は完全な相関関係にはほど遠く、両者が 「認知機能」の異なる側面を測定していることを示唆している。
・心理学者は、流動性知能(学習速度)と結晶性知能(習得した知識)を区別している。達成度テストは結晶化された知能に重きを置いているのに対して、Ravenのprogressive matrices(1962)のようなIQテストは流動的知能に重きを置いている。
・多くの心理学者は、これらの尺度の違いを認識しておらず、「認知能力」や「知能」を測定するために、IQ、達成度テスト、成績を使い分けている。
・多くの心理学者は、これらの尺度の違いを認識しておらず、「認知能力」や「知能」を測定するために、IQ、達成度テスト、成績を使い分けている。
2.2 心理的特性の定義と測定
・表2は、1979年全国青少年縦断調査(NLSY79)のデータにおいて、IQ、標準学力テスト、成績が35歳時点の結果の分散をどの程度説明するかを示している

・達成度テストと成績はIQよりも予測力が高いが、これらの尺度はいずれも、どの結果のばらつきもあまり説明できず、他の決定要因の余地がかなり残されている
・パーソナリティは欠けている要素の一つである。多くの場合、パーソナリティの尺度によって説明される分散は、認知能力の尺度によって説明される分散に匹敵する。

・達成度テストと成績はIQよりも予測力が高いが、これらの尺度はいずれも、どの結果のばらつきもあまり説明できず、他の決定要因の余地がかなり残されている
・パーソナリティは欠けている要素の一つである。多くの場合、パーソナリティの尺度によって説明される分散は、認知能力の尺度によって説明される分散に匹敵する。
・パーソナリティ尺度と認知尺度の間の相関は、正であるが、特に強くない(各表の最下行を参照)
・「パーソナリティ特性とは、思考、感情、行動の比較的永続的なパターンであり、特定の状況下で特定の反応をする傾向を反映するものである」(Roberts, 2009, p. 140)
・パーソナリティ特性は思考、感情、行動を通じて現れるものであるため、広義の「課題」に対する成績から推測されなければならない。この定義のもとでは、IQテストの成績は永続的な行動パターン(IQテストでどのように「行動」するか、あるいは「成績」を上げるか)であるため、パーソナリティ特性である。
・経済学や心理学の文献でまだ体系的に調査されていない、より深い問題は、代替的な測定システムによって捉えられた特性が、より深い選好や目標の現れであるかどうかということ(例えば、外科医は注意深く知的でなければならないとか、セールスマンは外向的で魅力的でなければならないなど)
・この考え方のもとでは、特性は練習、投資、慣れによって発達する。
・この考え方のもとでは、特性は練習、投資、慣れによって発達する。
2.3 トレイト測定における識別の問題点
・行動から特性を推測するには、観察された行動を生み出す他の要因すべてを標準化する必要がある。
・単一の特性や能力に依存する行動を解析し、局所化することができないため、心理的特性が結果にどのように影響するかを調査する実証研究において、通常無視される基本的な識別の問題が生じる。
・単一の特性や能力に依存する行動を解析し、局所化することができないため、心理的特性が結果にどのように影響するかを調査する実証研究において、通常無視される基本的な識別の問題が生じる。
・主な問題は2つある。
問題①:行動は状況によって生じるインセンティブに依存する
・金銭やキャンディのようなインセンティブが、特にIQの低い人のIQスコアを上昇させる
・報酬が高いほど、成人がIQテストの質問に答える時間が大幅に長くなる(Borghansら, 2008b)
問題①:行動は状況によって生じるインセンティブに依存する
・金銭やキャンディのようなインセンティブが、特にIQの低い人のIQスコアを上昇させる
・報酬が高いほど、成人がIQテストの質問に答える時間が大幅に長くなる(Borghansら, 2008b)
・情緒安定性と誠実性の高い被験者は、報酬の影響を受けにくい
・軍隊職業訓練テスト(ASVAB)のコーディングスピードテストの成績に現金のインセンティブを導入すると、特に「誠実性」のレベルが低い男性の成績が大幅に向上する(Segal, 2008)
問題②:1つの課題における行動は複数の特性に依存する可能性がある
・インセンティブや他の特性について標準化しないと、どの特性についても誤解を招くような推定値が得られる可能性がある。
・軍隊職業訓練テスト(ASVAB)のコーディングスピードテストの成績に現金のインセンティブを導入すると、特に「誠実性」のレベルが低い男性の成績が大幅に向上する(Segal, 2008)
問題②:1つの課題における行動は複数の特性に依存する可能性がある
・インセンティブや他の特性について標準化しないと、どの特性についても誤解を招くような推定値が得られる可能性がある。
・最近の文献では、パーソナリティ特性が標準学力テストの得点と関連していることが示されている。
・図1と図2は、2つの達成度テスト、軍隊資格テスト(AFQT)と密接に関連する能力適性検査(DAT)のスコアの分散が、IQと性格の測定値にどのように分解されるかを示している。
・パーソナリティ特性は、AFQT得点とDAT得点の分散のかなりの部分を説明する。
・標準化された学力テストは認知能力のみを測定するという解釈に注意を促す(IQは性格特性と一緒になっている)
・オランダのステラ・マリス中等学校のデータでは、経験に対する開放性はIQと強い相関がある。
・図1と図2は、2つの達成度テスト、軍隊資格テスト(AFQT)と密接に関連する能力適性検査(DAT)のスコアの分散が、IQと性格の測定値にどのように分解されるかを示している。
・パーソナリティ特性は、AFQT得点とDAT得点の分散のかなりの部分を説明する。
・標準化された学力テストは認知能力のみを測定するという解釈に注意を促す(IQは性格特性と一緒になっている)
・オランダのステラ・マリス中等学校のデータでは、経験に対する開放性はIQと強い相関がある。
2.4 安定したパーソナリティ特性は存在するのか?
・1968年に出版されたウォルター・ミッシェルの著書『パーソナリティとアセスメント』は、行動を説明する要因として状況的要因を支持する社会心理学者と、安定したパーソナリティ特性をより結果的なものと考える心理学者との対立を引き起こした。
・ミッシェルは、性格が行動に及ぼす影響は状況によって覆い隠されると主張
・Almlundら(2011)は、安定した性格特性が存在し、多くの行動を予測できることを示す多くのエビデンスをレビュー
・Epstein(1979)の論文では、ある時点のタスクと状況を平均化すると、人は予測可能な方法で行動し、状況全体にわたって平均的な行動(「測定された性格」)の高い信頼性(R2 0.6-0.8)を示すという説得力のあるエビデンスが示されている。どのような状況においても、インセンティブも重要である。
・遺伝性の研究によると、パーソナリティ特性の測定値は約40%~60%の確率で遺伝する傾向があり、状況よりもむしろその人に結びついた何かが行動に影響を与えていることを示唆している(Bouchard and Loehlin, 2001)
・ミッシェルは、性格が行動に及ぼす影響は状況によって覆い隠されると主張
・Almlundら(2011)は、安定した性格特性が存在し、多くの行動を予測できることを示す多くのエビデンスをレビュー
・Epstein(1979)の論文では、ある時点のタスクと状況を平均化すると、人は予測可能な方法で行動し、状況全体にわたって平均的な行動(「測定された性格」)の高い信頼性(R2 0.6-0.8)を示すという説得力のあるエビデンスが示されている。どのような状況においても、インセンティブも重要である。
・遺伝性の研究によると、パーソナリティ特性の測定値は約40%~60%の確率で遺伝する傾向があり、状況よりもむしろその人に結びついた何かが行動に影響を与えていることを示唆している(Bouchard and Loehlin, 2001)
2.5 ライフサイクルにおける性格特性の進化
・性格特性はライフサイクルの中で変化する
・誠実性(Conscientiousness)はライフサイクルの中で単調に増加する傾向があり、その他特性は様々に変化する
・流動性知能は成人期初期にピークに達し、その後低下する傾向がある
・このエビデンスでは、これらの変化が自然に起こるのか(「ontogenic change」)、それともライフサイクルの中で一般的に経験される環境の変化によるものなのか(「sociogenic change))については触れていない
※Ontogenic change:個人の生涯に渡って生じる生物学的及び心理的成熟に起因する変化
(例: 子どもの成長と共に、言語能力や運動技能、感情制御が発達)
※Sociogenic change:文化、教育、社会規範、対人関係等による社会的要因に起因する変化(例:学校教育や文化的な規範に適応し、社会的スキルや行動が変化)
・Almlundら(2011)は、親の投資や介入がパーソナリティの変化をどのように促進するかについてのエビデンスをレビューしている。
2.6 パーソナリティの予測力
・表2は、パーソナリティ特性が、認知能力の尺度と同様に、その後の人生の多くの結果を強く予測することを示している。誠実-忍耐強く勤勉である傾向-は、多くの結果においてビッグファイブの特徴の中で最も予測力が強いことが際立っている。

・図4は、男性について、流動性知能と結晶性知能を調整した場合と調整しない場合のビッグファイブと学歴との相関を示している。

・誠実さは、知能のいずれの側面よりも教育達成度を予測する。同様のパターンは、労働市場の業績、成績、健康など、他の多くの結果にも現れている。

・図4は、男性について、流動性知能と結晶性知能を調整した場合と調整しない場合のビッグファイブと学歴との相関を示している。

・誠実さは、知能のいずれの側面よりも教育達成度を予測する。同様のパターンは、労働市場の業績、成績、健康など、他の多くの結果にも現れている。
・IQの重要性は、職務の複雑さ(職務の情報処理要件として定義される)につれて高まる。すなわち、教授、科学者、上級管理職では、半熟練労働者や未熟練労働者よりも認知能力の方が重要である(Schmidt and Hunter, 2004)
・これとは対照的に、「誠実性」の重要性は職務の複雑さによってあまり変化しないことから(Barrick and Mount, 1991)、より幅広い職務に関係することが示唆される
・これとは対照的に、「誠実性」の重要性は職務の複雑さによってあまり変化しないことから(Barrick and Mount, 1991)、より幅広い職務に関係することが示唆される
・最近の性格と経済学の研究の中心は、人生の成果を決定する特性を分離し、それらの多様な特性がどのように課題の選択を決定するかを理解すること
・性格心理学におけるエビデンスのほとんどは相関的なもの。

式(2):タスクTaに割り当てられる努力が、認知Ca、性格Pa、他の獲得スキルKa、インセンティブRTa、選好Υaにどのように依存するかを示す:



・GED取得者の得点分布は、高校中退者の得点分布よりも、高校卒業者の得点分布の方がはるかに近い

・もし彼らが高卒者と同じ認知能力を持っているなら、なぜ高校を中退するのだろうか?学校での成功には他の特性が必要である。
・他のさまざまな側面では、GED取得者は他の中退者とよく似た行動をとる
・図6は、3つのデータソースから抽出した思春期早期の薬物使用、犯罪、セックス、暴力の指標を示す
・男性の高校卒業者は、高校中退者やGED取得者よりもすべての指標で良好な結果
・GED取得者は中退者とよく似ているが、いくつかのケースでは、他の中退者よりも危険な行動をとる可能性が統計的に有意に高い
・図7は、これらの思春期の行動を単一の因子で要約したもので、認知的要約指標とは異なり、GED取得者の非認知的(性格)要約指標の分布は、高校卒業者の分布よりも中退者の分布にはるかに近い


・GED取得者が高校を中退する原因は、他の多くの人生の結果にも現れている
・図8は、GED取得者と高校卒業生の中等教育修了後の学歴を示す
・GED取得者の約40%が2年制または4年制大学に入学し、半数近くが1年以内に退学している
・学士号取得者は5%未満、準学士号取得者は10%未満である。

・GED取得者は、人生におけるさまざまな仕事において持続性がない
・図9では、GED取得者は、高校中退者と同じような割合で、仕事を辞め、離婚し、刑務所に入る傾向があることを示している

・認知能力の違いを調整すると、男性のGED取得者は、労働市場において高校中退者とほぼ同じパフォーマンスを示す
・図10は、男性のGED取得者と高卒者の時給と年収を、年齢別に高校中退者と比較したもの
・最初の棒グラフは、年齢、人種、年、居住地域を調整した後の結果を、2番目の棒グラフは、AFQTの得点で追加調整した後の効果を、3つ目の棒グラフは、家庭環境に関する標準的な尺度で追加調整した後の効果を示している
・年齢、人種、年、居住地域のみを調整した回帰では、GED取得者と高卒者が中退者を上回っている
・認知能力を調整した後では、GED取得者は中退者と区別がつかないが、高卒者はより多くの収入を得ており、時給も高い
・家族背景の特徴を調整しても、この結果は変わらない

・女性に見られるパターンのほとんどは、男性に見られるパターンと同じだが、いくつかの重要な違いがある
・認知能力の違いを考慮すると、女性のGED取得者は他の中退者よりも時給が高いわけではないが、男性と違って労働力に参加する可能性が高いため、年収が高い

3 因果性のエビデンス
3.1 因果性を立証する上での問題点
・式(1)と(2)は、結果と特性の間の因果関係を確立することの難しさを定式化したもの
・複数の特性、努力、および習得したスキルが、与えられたタスクにおけるパフォーマンスを生み出す
・心理学や経済学の研究の多くは、これらのインプットをコントロールせず、分析者が測定しようとしている形質と一連の結果の測定を同一視している
・式(1):あるタスクのパフォーマンスである年齢aにおけるアウトカムTaが、認知Ca、性格Pa、教育や職業訓練などの他の獲得スキルKa、タスクに割り当てられた努力eTaにどのように依存するかを示す:
・複数の特性、努力、および習得したスキルが、与えられたタスクにおけるパフォーマンスを生み出す
・心理学や経済学の研究の多くは、これらのインプットをコントロールせず、分析者が測定しようとしている形質と一連の結果の測定を同一視している
・式(1):あるタスクのパフォーマンスである年齢aにおけるアウトカムTaが、認知Ca、性格Pa、教育や職業訓練などの他の獲得スキルKa、タスクに割り当てられた努力eTaにどのように依存するかを示す:

式(2):タスクTaに割り当てられる努力が、認知Ca、性格Pa、他の獲得スキルKa、インセンティブRTa、選好Υaにどのように依存するかを示す:

・特性やその他の習得したスキルは、投資と慣れを通じて時間と共に進化する
・式(3):a+1歳における特性は、認知能力、性格特性、その他の獲得スキル、およびa歳における投資Iaの年齢依存関数であることを示す
・式(3):a+1歳における特性は、認知能力、性格特性、その他の獲得スキル、およびa歳における投資Iaの年齢依存関数であることを示す

・資源制約と連動して、年齢aにおける選好パラメータの「より深い」セットが、投資の決定とタスクに割り当てられる努力を支配する可能性がある
3.3 GEDテストプログラムからのエビデンス
・GEDは、高校卒業資格に代わる標準学力試験
・高校中退者は、7時間半のGED試験を受けることで、高校卒業程度の「一般知識」を持っていると証明される
・Table4は、GEDテストの得点と他の学力テストの得点との相関を示す
・GEDテストの得点は、他の標準学力テストの得点と強い相関関係がある
・一般適性検査(GATB)との相関は0.61、GEDの前身であるアイオワ教育能力テスト(Iowa Test of Educational Development)との相関は0.88
・高校中退者は、7時間半のGED試験を受けることで、高校卒業程度の「一般知識」を持っていると証明される
・Table4は、GEDテストの得点と他の学力テストの得点との相関を示す
・GEDテストの得点は、他の標準学力テストの得点と強い相関関係がある
・一般適性検査(GATB)との相関は0.61、GEDの前身であるアイオワ教育能力テスト(Iowa Test of Educational Development)との相関は0.88

・GED取得者の得点分布は、高校中退者の得点分布よりも、高校卒業者の得点分布の方がはるかに近い

・もし彼らが高卒者と同じ認知能力を持っているなら、なぜ高校を中退するのだろうか?学校での成功には他の特性が必要である。
・他のさまざまな側面では、GED取得者は他の中退者とよく似た行動をとる
・図6は、3つのデータソースから抽出した思春期早期の薬物使用、犯罪、セックス、暴力の指標を示す
・男性の高校卒業者は、高校中退者やGED取得者よりもすべての指標で良好な結果
・GED取得者は中退者とよく似ているが、いくつかのケースでは、他の中退者よりも危険な行動をとる可能性が統計的に有意に高い
・図7は、これらの思春期の行動を単一の因子で要約したもので、認知的要約指標とは異なり、GED取得者の非認知的(性格)要約指標の分布は、高校卒業者の分布よりも中退者の分布にはるかに近い


・GED取得者が高校を中退する原因は、他の多くの人生の結果にも現れている
・図8は、GED取得者と高校卒業生の中等教育修了後の学歴を示す
・GED取得者の約40%が2年制または4年制大学に入学し、半数近くが1年以内に退学している
・学士号取得者は5%未満、準学士号取得者は10%未満である。

・GED取得者は、人生におけるさまざまな仕事において持続性がない
・図9では、GED取得者は、高校中退者と同じような割合で、仕事を辞め、離婚し、刑務所に入る傾向があることを示している

・認知能力の違いを調整すると、男性のGED取得者は、労働市場において高校中退者とほぼ同じパフォーマンスを示す
・図10は、男性のGED取得者と高卒者の時給と年収を、年齢別に高校中退者と比較したもの
・最初の棒グラフは、年齢、人種、年、居住地域を調整した後の結果を、2番目の棒グラフは、AFQTの得点で追加調整した後の効果を、3つ目の棒グラフは、家庭環境に関する標準的な尺度で追加調整した後の効果を示している
・年齢、人種、年、居住地域のみを調整した回帰では、GED取得者と高卒者が中退者を上回っている
・認知能力を調整した後では、GED取得者は中退者と区別がつかないが、高卒者はより多くの収入を得ており、時給も高い
・家族背景の特徴を調整しても、この結果は変わらない

・女性に見られるパターンのほとんどは、男性に見られるパターンと同じだが、いくつかの重要な違いがある
・認知能力の違いを考慮すると、女性のGED取得者は他の中退者よりも時給が高いわけではないが、男性と違って労働力に参加する可能性が高いため、年収が高い
3.4 ペリー就学前プログラム(The Perry Preschool Program)とその他の介入からのエビデンス
・ペリー就学前プログラムから得られたエビデンスは、生涯にわたる有益な結果をもたらす方法で、性格特性をどのように変化させることができるかを示している
・ペリー就学前プログラムは、3歳時の初期IQが85以下の3、4歳の低所得の黒人児童の生活を豊かにした
・ペリー就学前プログラムは、3歳時の初期IQが85以下の3、4歳の低所得の黒人児童の生活を豊かにした
・参加者は、課題を計画し、実行し、それを先生や仲間とともに振り返るという「計画・実行・振り返り」の順序で社会的スキルを教え込まれた
・園児たちは、問題が起きたときに他の園児と協力することを学び、家庭訪問によって親子の交流が促進された
・プログラムは2年間の登録で終了し、実験群も統制群も同じ学校に入学した
・園児たちは、問題が起きたときに他の園児と協力することを学び、家庭訪問によって親子の交流が促進された
・プログラムは2年間の登録で終了し、実験群も統制群も同じ学校に入学した
・プログラムによってIQスコアが持続的に向上することはなかった
・図11を見ると、10歳の時点では、実験群と統制群の平均IQスコアは同じであった
・幼児教育プログラムを批判する人の多くは、この所見や関連するエビデンスを取り上げて、早期介入研究の価値を否定する
・図11を見ると、10歳の時点では、実験群と統制群の平均IQスコアは同じであった
・幼児教育プログラムを批判する人の多くは、この所見や関連するエビデンスを取り上げて、早期介入研究の価値を否定する

・とはいえ、このプログラムは、少年少女ともに成果を向上させ、その結果、少年少女ともに年率約6~10%の統計的に有意な収益率をもたらした(Heckman et al, 2010a,b参照)
・ペリー就学前プログラムは、主に性格特性の改善を通じて効果を発揮した
・参加者は、個人的な行動に関する直接的な測定値(小学校時代に教師が測定した「欠席と不登校」、「嘘と不正行為」、「盗み」、「悪口や卑猥な言葉の使用」の加重平均値)が改善
・参加者は男女ともに「外向的行動」を改善し、これは心理学的構成要素である「同意性(Agreeableness)」と「誠実性(Conscientiousness)」に関連
・女子の場合、プログラムによって「経験に対する開放性」(学業への動機づけを指標とする)が向上
・カリフォルニア州学力テスト(CAT)の成績も向上
・このエビデンスは、達成度テストの成績が性格特性に依存することを示す、前節で示したエビデンスと一致
・ペリー就学前プログラムは、主に性格特性の改善を通じて効果を発揮した
・参加者は、個人的な行動に関する直接的な測定値(小学校時代に教師が測定した「欠席と不登校」、「嘘と不正行為」、「盗み」、「悪口や卑猥な言葉の使用」の加重平均値)が改善
・参加者は男女ともに「外向的行動」を改善し、これは心理学的構成要素である「同意性(Agreeableness)」と「誠実性(Conscientiousness)」に関連
・女子の場合、プログラムによって「経験に対する開放性」(学業への動機づけを指標とする)が向上
・カリフォルニア州学力テスト(CAT)の成績も向上
・このエビデンスは、達成度テストの成績が性格特性に依存することを示す、前節で示したエビデンスと一致
・DeeとWest(2011)は、Project STARのデータを用いて、少人数クラスへの割り当ては、性格の肯定的な変化と関連することを発見
・その後の分析で、Chettyら(2011)は、Project STARプログラムを検討し、より質の高い幼稚園のクラスに編入された園児(スタンフォード学習到達度テストにおける同級生の平均成績で測定)は、早期成人期における収入が有意に高いことを発見
・その後の分析で、Chettyら(2011)は、Project STARプログラムを検討し、より質の高い幼稚園のクラスに編入された園児(スタンフォード学習到達度テストにおける同級生の平均成績で測定)は、早期成人期における収入が有意に高いことを発見
・Promoting Alternative Thinking Strategies(PATHS)のカリキュラムは、自己コントロール、感情認識、社会的問題解決スキルを教えるもので、小学生を対象としている(Bierman et al, 2010)
・最近の無作為割り付け縦断研究では、PATHSのカリキュラムによって、攻撃性に関する教師と仲間の評価が低下し、向社会的行動に関する教師と仲間の評価が向上し、学業への取り組みに関する教師の評価が向上することが実証された
・PATHSは、学校ベースの社会性と情動の学習(SEL)プログラムの模範
・最近のメタ分析によると、このプログラムによって成績が標準偏差で0.33、学力テストのスコアが標準偏差で0.27向上(Durlak et al., 2011)
・最近の無作為割り付け縦断研究では、PATHSのカリキュラムによって、攻撃性に関する教師と仲間の評価が低下し、向社会的行動に関する教師と仲間の評価が向上し、学業への取り組みに関する教師の評価が向上することが実証された
・PATHSは、学校ベースの社会性と情動の学習(SEL)プログラムの模範
・最近のメタ分析によると、このプログラムによって成績が標準偏差で0.33、学力テストのスコアが標準偏差で0.27向上(Durlak et al., 2011)
・同様に、Tools of the Mindは、自制心の発達を目標とした就学前教育や小学校低学年向けのカリキュラムであるが、いくつかの無作為割付評価では、抑制機能、ワーキングメモリー、認知の柔軟性など、より高度な認知能力として定義される実行機能だけでなく、教室での行動も改善することが示されている(Barnett et al., 2008, 2006; Bodrova and Leong, 2001, 2007; Diamond et al., 2007; Lillard and Else-Quest, 2006)
・モンテッソーリ幼児教育カリキュラムでは、Perryの研究とは異なり、長期的な追跡調査は行われていないが、的を絞った介入努力により、誠実性の側面を改善できるというエビデンスがある
・例えば、Ruedaら(2005)は、4~6歳の子どもの注意力を訓練するためのコンピュータ演習を考案
・介入群の子どもは、代わりに同程度の時間インタラクティブビデオを視聴した子どもに比べて、注意に関するコンピューター課題の成績が向上
・Stevensら(2008)は、6週間のコンピューターによる介入を計画し、選択的聴覚注意(すなわち、無関係で気が散るような聴覚信号に直面しても、目標とする聴覚信号に注意を向ける能力)を改善できることを示した。
・例えば、Ruedaら(2005)は、4~6歳の子どもの注意力を訓練するためのコンピュータ演習を考案
・介入群の子どもは、代わりに同程度の時間インタラクティブビデオを視聴した子どもに比べて、注意に関するコンピューター課題の成績が向上
・Stevensら(2008)は、6週間のコンピューターによる介入を計画し、選択的聴覚注意(すなわち、無関係で気が散るような聴覚信号に直面しても、目標とする聴覚信号に注意を向ける能力)を改善できることを示した。
・いくつかの研究は、思春期にパーソナリティを改善できることを示唆
・Martins(2010)は、ポルトガルの13~15歳の生徒の学業成績を向上させるために開発されたプログラム、EPSISのデータを分析
・このプログラムは、訓練を受けたスタッフとの1対1の面談、または小グループでの面談で構成される
・介入は、参加者一人ひとりのスキルの不足に合わせて行われ、全体として、このプログラムは成功し、費用対効果も高く、成績留年を10ポイント減少させた
・Martins(2010)は、ポルトガルの13~15歳の生徒の学業成績を向上させるために開発されたプログラム、EPSISのデータを分析
・このプログラムは、訓練を受けたスタッフとの1対1の面談、または小グループでの面談で構成される
・介入は、参加者一人ひとりのスキルの不足に合わせて行われ、全体として、このプログラムは成功し、費用対効果も高く、成績留年を10ポイント減少させた
・雇用のような他の人生経験も、人格を改善する可能性がある
・Gottschalk(2005)は、ランダム化対照試験から得られたエビデンスを分析し、仕事をすることで統制の所在が改善されることを明らかにした
・統制の所在とは、神経症に関連する特性であり、環境に人生を支配される程度とは対照的に、自己動機や自己決定によって自分の人生をコントロールできると個人が考える程度を測定するもの(Rotter, 1966)
・彼は、一部の生活保護受給者に就労のための大幅な補助金を無作為に提供したSelf-Sufficiency Project(SSP)のデータを用いている。補助金は最低賃金労働者の収入を2倍以上にした
・実験グループの人々は、対照グループの人々よりも約30%多く働き、36ヵ月後、補助金を受けた人々は、統制の所在が改善される傾向が強かった
・Gottschalk(2005)は、ランダム化対照試験から得られたエビデンスを分析し、仕事をすることで統制の所在が改善されることを明らかにした
・統制の所在とは、神経症に関連する特性であり、環境に人生を支配される程度とは対照的に、自己動機や自己決定によって自分の人生をコントロールできると個人が考える程度を測定するもの(Rotter, 1966)
・彼は、一部の生活保護受給者に就労のための大幅な補助金を無作為に提供したSelf-Sufficiency Project(SSP)のデータを用いている。補助金は最低賃金労働者の収入を2倍以上にした
・実験グループの人々は、対照グループの人々よりも約30%多く働き、36ヵ月後、補助金を受けた人々は、統制の所在が改善される傾向が強かった
3.5 追加エビデンス
・Heckmanら(2011b)は、教育のsequentialモデルを推定して、様々な結果に対する教育の効果を研究:教育への選択を補正することで、初期の認知的・性格的特性が学校教育の選択、労働市場のアウトカム、成人の健康、社会的アウトカムに影響を与えること、そして教育を受けることが労働市場、健康、社会的アウトカムに有益であることを発見
・Heckman et al. (2006b) は、式(3)を推計して、認知とパーソナリティの測定値に対する教育の増加の効果を分析
・Cunha et al. (2010)は、親の投資と子どもの特性に関する豊富な尺度を持つ子どもの発達に関する縦断的データを用いて、技能形成の技術に関するモデルを推定
・彼らは、家族の所得に対するショックと他の道具を用いて、投資の内生性をコントロールしている。彼らのモデルは式(3)のバージョンである。形質は自己生産的であり、動的相補性を示す-形質の現在の値は、直接効果と交差効果を通じて将来の形質の進化に影響を与える。交差効果の代表的な例は、意欲的な子どもほど学習する傾向が高いというものである。彼らは、過去の性格特性が将来の認知特性にどのように影響するかを要約したパラメータを推定した。
・彼らは、家族の所得に対するショックと他の道具を用いて、投資の内生性をコントロールしている。彼らのモデルは式(3)のバージョンである。形質は自己生産的であり、動的相補性を示す-形質の現在の値は、直接効果と交差効果を通じて将来の形質の進化に影響を与える。交差効果の代表的な例は、意欲的な子どもほど学習する傾向が高いというものである。彼らは、過去の性格特性が将来の認知特性にどのように影響するかを要約したパラメータを推定した。
・その結果、認知、パーソナリティ特性のいずれも、子どもが大きくなるにつれて自己生産性が強くなることがわかった。
・認知的インプットに対する代替弾力性は、人生の後半になるほど小さくなる。つまり、認知的資質に対する不利な環境の影響を補うことは、年齢が高いほど難しい。
・この知見は、文献で報告されている10~12歳以上の認知の高いランクの安定性と一致する。
・Cunhaら(2006)、Knudsenら(2006)、Cunha and Heckman(2007)で報告されている、不利な環境にある青少年に対する認知改善戦略が有効でないことのエビデンスも説明するのに役立つ。
・認知的インプットに対する代替弾力性は、人生の後半になるほど小さくなる。つまり、認知的資質に対する不利な環境の影響を補うことは、年齢が高いほど難しい。
・この知見は、文献で報告されている10~12歳以上の認知の高いランクの安定性と一致する。
・Cunhaら(2006)、Knudsenら(2006)、Cunha and Heckman(2007)で報告されている、不利な環境にある青少年に対する認知改善戦略が有効でないことのエビデンスも説明するのに役立つ。
・パーソナリティ特性は認知の発達を促すが、その逆はない。
・子どものライフサイクルのどの段階においても、パーソナリティ特性を用いて、早期に不利な資質を補うことは容易である。(これらの特性に対する代替の弾力性は、ライフサイクルの異なる段階でも基本的に同じである)。最も効果的な思春期の介入はパーソナリティ特性を対象とするものである。
・子どものライフサイクルのどの段階においても、パーソナリティ特性を用いて、早期に不利な資質を補うことは容易である。(これらの特性に対する代替の弾力性は、ライフサイクルの異なる段階でも基本的に同じである)。最も効果的な思春期の介入はパーソナリティ特性を対象とするものである。
これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。
コメント