OECD 6th Global Forum on the Future of Education Skills 2030に参加してきました。
今回のフォーラムは日本がホスト役で、10月10日から4日間の開催でした。
10日はサイトビジットとして、石川県能登、埼玉県戸田市、群馬、仙台(東北大学)の各学校の取り組みを見学する日だったので、めちゃくちゃ行きたかったのですが、自分は業務の都合で参加できなかったため11日から3日間参加させていただきました。
11日は、インテル本社を訪問。テクノロジーを軸にした教育のトレンドや、インテルのサービスであるSkills For Innovation(SFI)についての説明、SFIを活用している渋谷区立 原宿外苑中学校の活動紹介、ディスカッション等がありました。
「テクノロジー×教育」の世界的な流れや最先端の取り組みなどに触れられて多くの学びをいただいた時間でした。
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その後、仙台に移動し、東北大学で参加者間の交流がありました。

12日と13日は、東北大学にて各サイトビジットでの学びの共有、4つのFocus Gourpに分かれてディスカッション(①Government representatives, ②Teacehrs, principals and aspiring teachers, ③Social partners, ④Students & Almni)、緊急事態における危機管理等々のプログラムがありました。
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どのプログラムも学びの要素満載だったのですが、特に圧巻だったのは、最後のCasual Summaryのプレゼンテーション。スライドのデザインセンスとトークスキルがとにかく素晴らしい。色んな意味で勉強させていただきました。

プログラムにはネットワーキングの時間も含まれていて、様々な国の研究者や教育者等とお話させていただきました。
特にラッキーだったのは、トルコの教育省のプロジェクトコーディネーターでデザイン思考の専門家とお話できたこと。ちょうど来月からデザイン思考を使った学びの場を作る仕事があったので、図々しく色々教えていただきました。自分の興味分野や課題感がハッキリしていると、共通の話題で盛り上がれるし、何より欲しい情報を色々と教えていただけるチャンスなので非常に有意義になるなと感じました。
また、フォーラムには日本の生徒・学生も参加していました。大人と生徒・学生が共に教育の未来について考え、語り合う場ってすごくステキだと思うし、何より若い頃にこういう場に来れていることがすごく羨ましく思いました。きっと今後の人生に大きな影響を与える機会になるんだろうなぁ。

そして、当フォーラムの目的である「Teaching Compassのフレームワークの共同製作」の観点でも様々な気づきがありました。
OECDは、今後の社会で子ども達に求められるコンピテンシーの検討、 それを育成するカリキュラムや教授法、学習評価等について総合的に検討したフレームワークであるLearning Compassを策定しており、次のフェーズとして教師にフォーカスしたTeaching Compassの作成を進めています。
子ども達のWell-beingや社会のWell-beingを目指し教育活動を進めていく上で、忘れてはいけないのが先生のWell-being。自分が満たされていない状態では、なかなか他者のために活動することは難しいですよね。また、先生の心の状態は子ども達にも影響することも研究で明らかになっているようです(今回の学びのひとつ)
特に日本では、長時間労働の問題や賃金等様々な要因から、教員採用試験の倍率は下がり続ける一方。教師という職業の人気がなくなっている背景には教師のWell-beingが低下が影響しているのではないかと思います。
「どのようにして教師のWell-beingを高めることができるのか」
これを学校、地域、国単位で真剣に考えていかなければいけない状況下にあると感じています。
そのためにやるべきことは沢山ありますが、個人的に最も印象に残ったのは、「Teaching is a collaborative profession」というフレーズ。
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教育という仕事を1人だけでやろうとするのではなく、他者を巻き込み、他者と共に学び、他者と共に価値を創造していくという考え方。これこそがOECDが重要視しているco-agency, collective agencyなのだと思いました。

生徒、教師、社会のWell-beingに繋がる教育を推進していくために、自分には何ができるだろう?
一人の研究者、実践者としてもっともっと研究を深め、実践を積み、多くの先生方にも貢献していきたいと思いました。研鑽あるのみです。

ちなみに、人生初の仙台上陸だったので、テンションも上がって美味しいものも色々いただきました(笑)