問題解決型学習(Problem-Based Learning, PBL)とプロジェクト型学習(Project-Based Learning, PjBL)の違いについて工学教育の見地から考察した論文をレビューします。
論文はこちら(被引用数:2,239件 (2025年2月8日時点))
Mills, J. E., & Treagust, D. F. (2003). Engineering education—Is problem-based or project-based learning the answer. Australasian journal of engineering education, 3(2), 2-16.
本論文は、工学教育の現状と課題から始まり、それらの解決策として2つのPBL(問題解決型学習:Problem-Based Learning, PBL)とプロジェクト型学習:Project-Based Learning, PjBL)が紹介されています。2つのPBLの比較や世界の実践例まで幅広く記載されています。
特に2つのPBLについては混同されている部分が多いため、違いを明確にし、どのような場合にどちらの手法が適しているのかを記載してくれているのはとても参考になりました。
以下、ざっと内容をまとめます。
まず、工学教育の現在の問題点から始まります。
技術面の知識やスキルに加え、優れたコミュニケーション能力とチームワーク能力といった人間関係スキルや、他分野や組織等における幅広い視野なども求められるようになっていますが、伝統的な講義形式の授業ではそれらを十分に育むことができておらず、ここに問題があると筆者らは述べています。
そして、問題解決型学習は上述の1〜4、6の課題に直接対処できる戦略であること、導入する場合には5の課題にも対処する必要があることが述べられています。
ということで、まずは工学教育における問題解決型学習についてまとめられています。
工学教育における問題解決型学習
問題解決型学習は工学分野でも有効か?
(工学分野における問題解決型学習のまとめ)
このように問題解決型学習は、工学教育の重要な問題の解決策の一部となり得ると思われると述べられています。
一方、工学教育には、他の能動的学習や学生中心の方法の方がより適切で受け入れられやすい、特に、工学技術者の専門的行動により近いアプローチが成功する可能性があり、それがプロジェクト型学習として次に紹介されています。
【「プロジェクト志向の学習」と「プロジェクト志向のカリキュラム」の違い】(Heitmann, 1996, p.127)
論文はこちら(被引用数:2,239件 (2025年2月8日時点))
Mills, J. E., & Treagust, D. F. (2003). Engineering education—Is problem-based or project-based learning the answer. Australasian journal of engineering education, 3(2), 2-16.
本論文は、工学教育の現状と課題から始まり、それらの解決策として2つのPBL(問題解決型学習:Problem-Based Learning, PBL)とプロジェクト型学習:Project-Based Learning, PjBL)が紹介されています。2つのPBLの比較や世界の実践例まで幅広く記載されています。
特に2つのPBLについては混同されている部分が多いため、違いを明確にし、どのような場合にどちらの手法が適しているのかを記載してくれているのはとても参考になりました。
以下、ざっと内容をまとめます。
まず、工学教育の現在の問題点から始まります。
技術面の知識やスキルに加え、優れたコミュニケーション能力とチームワーク能力といった人間関係スキルや、他分野や組織等における幅広い視野なども求められるようになっていますが、伝統的な講義形式の授業ではそれらを十分に育むことができておらず、ここに問題があると筆者らは述べています。
工学教育の業界研究、工学プログラムの国家認定基準(米国、英国、オーストラリア)、評価を検討すると、専門家、業界の雇用主、学生自身が工学教育の現在の理念と提供方法に大幅な変更を求めていることは明らかであり、それらは以下のように要約されています。
【工学教育の問題点】
【工学教育の問題点】
1. 工学カリキュラムは工学科学や技術コースに重点を置きすぎており、これらのトピックの十分な統合や産業実務との関連付けを行っていない(プログラムはコンテンツ中心)
2. 現在のプログラムでは、学生に十分な設計経験を積ませることができていない
3. 卒業生は依然としてコミュニケーションスキルやチームワークの経験が不足しており、プログラムには、学生がこれらのスキルを習得する機会をより多く取り入れる必要がある
4. プログラムは、現代のエンジニアリング実務の現実の一部である社会、環境、経済、法律に関する問題について、学生の認識をさらに深める必要がある
5. 既存の教員は実務経験が不足しているため、理論と実務を適切に関連付けたり、設計経験を提供したりすることができない。現在の昇進システムでは、研究活動が評価され、実務経験や教育の専門性は評価されない
6. エンジニアリングプログラムにおける既存の教授・学習戦略や文化は時代遅れであり、より学生中心になる必要がある
そして、問題解決型学習は上述の1〜4、6の課題に直接対処できる戦略であること、導入する場合には5の課題にも対処する必要があることが述べられています。
ということで、まずは工学教育における問題解決型学習についてまとめられています。
工学教育における問題解決型学習
工学教育の設計教育と問題解決型学習は類似点が多く、設計教育の論理的な延長として、問題解決型学習を導入することが考えられると述べています。
【工学プログラムの設計教育と問題解決型学習の類似点】(Williams & Williams, 1994)
【工学プログラムの設計教育と問題解決型学習の類似点】(Williams & Williams, 1994)
・両者とも、プロジェクトや問題に取り組む際に通過する段階やステージが多数ある
・両者とも、特定された問題や状況から始まり、学生の研究分野や研究内容が決定される
・両者とも、特定された問題や状況から始まり、学生の研究分野や研究内容が決定される
・学生主導の研究は、プロジェクトの進行だけでなく、学生自身の学習にも役立つ
・どちらも学生の高い自主性を必要とし、学生はモチベーションと組織力を高める必要がある
・どちらも長期プロジェクトに適しており、PBLは短期間でも使用できるが、技術プロジェクトで通常必要とされる長期間にわたって効果的に使用できる能力を損なうものではない
・両者とも成果に関しては無制限であり、学生は適切な調査を行った上で、興味のある成果を選択する機会が与えられる
・観察スキルは、特に問題を特定する初期段階において、高い優先順位を持つとされている
・学生による振り返りは、両モデルにおいて重要な要素であり、学生は達成した成果を十分に評価することが推奨される
・両者ともグループワークに依存している
工学における問題解決型学習の既存の応用
・工学プログラムにおける問題解決型学習の使用は、複数の著者によって報告されているが、その実践はまだ広く普及しているとは言えない
【McMaster Universityの化学工学プログラム】
・化学工学プログラムにおけるDon Woodsは工学プログラムの問題解決型学習としてよく知られている
・医学分野で既に強力な問題解決型学習の伝統が培われていたため、化学工学部門では1980年代初頭にこの学習方法を自らのプログラムに導入することを決定
・化学工学で実施されている問題解決型学習のアプローチは、2つのコースのみで使用(2年生レベル、もう1つは上級設計プロジェクトコース)
・1人の教員に対して20人から45人の学生で行われ、(医学で使用されているような、1人のチューターに対して5人の学生という個別指導グループではなく)工学コースでは、学生は5人ずつのグループで作業するが、チューターはいない
・このプログラムを成功させるために、「問題解決プログラム」を採用
・プログラム期間中に開講される化学工学コース4科目に組み込まれた一連のワークショップ
・学生が問題解決能力、対人能力、チームスキルを習得し、チューターのいないグループで自己主導型の問題解決型学習プロセスを成功裏に遂行できるように支援
・マクマスター大学の化学工学プログラムでは、プログラム全体に統合された複数の学生中心の教授戦略とカリキュラム開発が実際に組み込まれており、そのうちの1つが問題解決型学習
【McMaster Universityの化学工学プログラム】
・化学工学プログラムにおけるDon Woodsは工学プログラムの問題解決型学習としてよく知られている
・医学分野で既に強力な問題解決型学習の伝統が培われていたため、化学工学部門では1980年代初頭にこの学習方法を自らのプログラムに導入することを決定
・化学工学で実施されている問題解決型学習のアプローチは、2つのコースのみで使用(2年生レベル、もう1つは上級設計プロジェクトコース)
・1人の教員に対して20人から45人の学生で行われ、(医学で使用されているような、1人のチューターに対して5人の学生という個別指導グループではなく)工学コースでは、学生は5人ずつのグループで作業するが、チューターはいない
・このプログラムを成功させるために、「問題解決プログラム」を採用
・プログラム期間中に開講される化学工学コース4科目に組み込まれた一連のワークショップ
・学生が問題解決能力、対人能力、チームスキルを習得し、チューターのいないグループで自己主導型の問題解決型学習プロセスを成功裏に遂行できるように支援
・マクマスター大学の化学工学プログラムでは、プログラム全体に統合された複数の学生中心の教授戦略とカリキュラム開発が実際に組み込まれており、そのうちの1つが問題解決型学習
【オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)】
・Roger Hadgraftの主導により、土木工学の学位取得コースのいくつかに問題解決型学習が導入
・2年次のコンピューターおよび測量学のコース
・3年次のシステム工学コースおよび地表水モデリングの大学院コース
・4年次の土木工学コンピューターアプリケーションコース
・Roger Hadgraftの主導により、土木工学の学位取得コースのいくつかに問題解決型学習が導入
・2年次のコンピューターおよび測量学のコース
・3年次のシステム工学コースおよび地表水モデリングの大学院コース
・4年次の土木工学コンピューターアプリケーションコース
・工学における問題解決型学習のその他の応用例としては、以下のようなコースが報告
・ペンシルベニア州立大学では、低学年/高学年の水工学コース
・西オーストラリア州カーティン大学では、2年目のメカトロニクス工学コースの設計
・クイーンズランド州グリフィス大学では、4年目の土木工学コースの水および廃水工学
・これらのケースでは、いずれも問題解決型学習の導入は、従来の工学プログラム内の個々のコースに対して行われており、担当教員の関心によって1つのコースのみの場合もあれば、マクマスター大学のウッズやモナシュ大学のハドグラフトのように、一連のコースで行われる場合もある
・通常は、個人または少人数の教員グループの関心と熱意に依存しており、学位課程全体に問題解決型学習を導入するには、少なくとも工学、数学、科学、ビジネス/経営学部の教員の関心、協力、統合が必要となり、おそらく、工学における本格的なPBLの最大の障害はここにある
・通常は、個人または少人数の教員グループの関心と熱意に依存しており、学位課程全体に問題解決型学習を導入するには、少なくとも工学、数学、科学、ビジネス/経営学部の教員の関心、協力、統合が必要となり、おそらく、工学における本格的なPBLの最大の障害はここにある
問題解決型学習は工学分野でも有効か?
工学分野における問題解決型学習の有効性についての議論です。
基本的には学生は概してコースに好意的であったようですが、
「PbBLには限界があり、工学教育の全体的な戦略としては適していない」(Perrenet, Bouhuijs & Smits, 2000, p. 345)との指摘もあります。その理由として、大きく3点あり、医学分野と工学分野を比較しながら述べられています。
【①知識と実践の性質】
(医療分野)
・医学の知識領域は百科事典的な構造を持つため、さまざまな概念に遭遇する順序は規定されておらず、トピックをひとつ見逃しても、その後の学習にはほとんど影響しない
(工学分野)
・数学や物理学、そして工学の大部分は階層的な知識構造を持ち、多くのトピックは、特定の順序で学習しなければならず、重要な部分を欠くと、後の概念を学習できなくなる」(Perrenet et al., p. 350)
基本的には学生は概してコースに好意的であったようですが、
「PbBLには限界があり、工学教育の全体的な戦略としては適していない」(Perrenet, Bouhuijs & Smits, 2000, p. 345)との指摘もあります。その理由として、大きく3点あり、医学分野と工学分野を比較しながら述べられています。
【①知識と実践の性質】
(医療分野)
・医学の知識領域は百科事典的な構造を持つため、さまざまな概念に遭遇する順序は規定されておらず、トピックをひとつ見逃しても、その後の学習にはほとんど影響しない
(工学分野)
・数学や物理学、そして工学の大部分は階層的な知識構造を持ち、多くのトピックは、特定の順序で学習しなければならず、重要な部分を欠くと、後の概念を学習できなくなる」(Perrenet et al., p. 350)
PBLでは、学習するトピックの順序は学生自身が一部決定するため、一部のトピックが見落とされる可能性があり、この点が、工学教育に適応する際の障害になり得るとのことです。
この問題は、学生がどれほど優れたメタ認知的スキルを持っていたとしても、修正するのは難しいと言われており、これらの性質(階層的知識構造の問題)が、工学プログラム全体を通じて問題解決型工学を導入するにあたって、おそらく最も根本的な障害となるであろうと述べられています。
この問題は、学生がどれほど優れたメタ認知的スキルを持っていたとしても、修正するのは難しいと言われており、これらの性質(階層的知識構造の問題)が、工学プログラム全体を通じて問題解決型工学を導入するにあたって、おそらく最も根本的な障害となるであろうと述べられています。
【②問題解決(解決策と時間)】
(医療分野)
・正しいと証明される診断(解決策)は1つだけであり、比較的迅速に決定される
・診断後の治療は様々だが、一般的に明確に定義された選択肢の範囲から選択される
(工学分野)
・不完全なデータを使用して解決策を導き出す能力が必要とされる
・相反する利害関係を持つ顧客、政府、一般市民の要求を満たすよう努め、解決策が社会や物理的環境に与える影響を最小限に抑え、可能な限り低コストでこれらすべてを行う必要がある
・問題解決に長い時間が必要な場合もある
上述のように問題の通常の時間的枠組みや、問題に含まれる活動の範囲により、工学における専門的な問題解決スキルの習得には不十分である可能性があるとのことです。
【③専門職の文化】
(工学分野)
(医療分野)
・正しいと証明される診断(解決策)は1つだけであり、比較的迅速に決定される
・診断後の治療は様々だが、一般的に明確に定義された選択肢の範囲から選択される
(工学分野)
・不完全なデータを使用して解決策を導き出す能力が必要とされる
・相反する利害関係を持つ顧客、政府、一般市民の要求を満たすよう努め、解決策が社会や物理的環境に与える影響を最小限に抑え、可能な限り低コストでこれらすべてを行う必要がある
・問題解決に長い時間が必要な場合もある
上述のように問題の通常の時間的枠組みや、問題に含まれる活動の範囲により、工学における専門的な問題解決スキルの習得には不十分である可能性があるとのことです。
【③専門職の文化】
(工学分野)
・エンジニアリングの専門職は、依然として男性優位で保守的、かつ技術に焦点を当てた文化であり、教員の抵抗により、エンジニアリングにおける革新的な教育方法の導入は困難である可能性
(医療分野)
・医療分野も同様の特徴を持つ可能性があるにもかかわらず(ただし、工学ほど男性優位ではない)、PBLは医学教育に容易に導入されてきた
・それは、「エンジニアの専門的行動よりも、医師の専門的行動により近いと思われる」から(p. 352)
(医療分野)
・医療分野も同様の特徴を持つ可能性があるにもかかわらず(ただし、工学ほど男性優位ではない)、PBLは医学教育に容易に導入されてきた
・それは、「エンジニアの専門的行動よりも、医師の専門的行動により近いと思われる」から(p. 352)
(工学分野における問題解決型学習のまとめ)
このように問題解決型学習は、工学教育の重要な問題の解決策の一部となり得ると思われると述べられています。
一方、工学教育には、他の能動的学習や学生中心の方法の方がより適切で受け入れられやすい、特に、工学技術者の専門的行動により近いアプローチが成功する可能性があり、それがプロジェクト型学習として次に紹介されています。
エンジニアリングにおけるプロジェクト型学習
(特徴)
・「プロジェクト」という用語は、エンジニアリングの実践において「作業単位」として一般的に使用されており、通常はクライアントに基づいて定義される
・エンジニアが専門的実践において行うほとんどすべての作業は、プロジェクトに関連するもの
・プロジェクトにはさまざまな時間的尺度がある(大規模〜小規模まで)
・プロジェクトの複雑性は様々だが、いずれもエンジニアの専門分野における基本的な理論や技術と何らかの形で関連している
・小規模なプロジェクトでは、エンジニアリングの専門分野の1つだけが関わる場合もあるが、大規模なプロジェクトでは、異なる専門分野のエンジニアだけでなく、その他の専門職および非専門職のスタッフやチームも関わるため、多分野にわたるものとなる
・プロジェクトを成功裏に完了するには、エンジニアの学部課程におけるトレーニングの全分野を統合する必要がある
・「プロジェクト」という用語は、エンジニアリングの実践において「作業単位」として一般的に使用されており、通常はクライアントに基づいて定義される
・エンジニアが専門的実践において行うほとんどすべての作業は、プロジェクトに関連するもの
・プロジェクトにはさまざまな時間的尺度がある(大規模〜小規模まで)
・プロジェクトの複雑性は様々だが、いずれもエンジニアの専門分野における基本的な理論や技術と何らかの形で関連している
・小規模なプロジェクトでは、エンジニアリングの専門分野の1つだけが関わる場合もあるが、大規模なプロジェクトでは、異なる専門分野のエンジニアだけでなく、その他の専門職および非専門職のスタッフやチームも関わるため、多分野にわたるものとなる
・プロジェクトを成功裏に完了するには、エンジニアの学部課程におけるトレーニングの全分野を統合する必要がある
・プロジェクトは初等・中等教育でも頻繁に使用されているため、ほとんどの学生にとって馴染みのある概念であり、教授法である
【問題解決型学習とプロジェクト型学習の比較】
・Perrenetら(2000)による研究では、高等教育レベルにおける問題解決型学習とプロジェクト型学習の比較が行われている(読む)
(類似点)
・どちらの学習成果も大差ない
・自己主導と協働を基本とし、学際的な志向性を持っている
(両者の相違点)
【問題解決型学習とプロジェクト型学習の比較】
・Perrenetら(2000)による研究では、高等教育レベルにおける問題解決型学習とプロジェクト型学習の比較が行われている(読む)
(類似点)
・どちらの学習成果も大差ない
・自己主導と協働を基本とし、学際的な志向性を持っている
(両者の相違点)
・プロジェクト課題は専門家の実務により近く、問題解決型学習の課題よりも長期間
・プロジェクト型のワークは知識の応用に重点が置かれるのに対し、問題解決型学習は知識の習得に重点が置かれる
・プロジェクト型学習は通常、科目コース(例えば工学における数学、物理学など)を伴うが、問題解決型学習は伴わない
・プロジェクト型学習では、学生による時間とリソースの管理、およびタスクと役割の分化が非常に重要である。
・プロジェクト型学習では、問題解決型学習と比較して、学習プロセスが問題によってあまり方向付けられないため自己管理がより強くなる。(p. 348)
【「プロジェクト志向の学習」と「プロジェクト志向のカリキュラム」の違い】(Heitmann, 1996, p.127)
(プロジェクト志向の学習(Project-oriented studies))
・個々のコース内で小規模なプロジェクトを実施し、最終学年ではプロジェクトコースを実施
・プロジェクトは通常、同じコース内の従来の教授法と組み合わせて実施される
・プロジェクトは、応用に重点を置き、場合によっては、すでに習得した知識の統合も目指す
・プロジェクトは個人または小グループで実施される
(プロジェクト中心のカリキュラム(Project-organised curriculum))
・プロジェクトをカリキュラム全体の構造化の原則として使用
・科目中心のコースは廃止または最小限に抑えられ、特定のプロジェクトに関連付けられる
・学生は、アドバイザーやコンサルタントを務める教師陣で構成されるプロジェクトチームと小グループで作業
・プロジェクトはコース期間中を通して実施され、期間は数週間から1年まで様々である
・実際のエンジニアリングの現場では、完全にプロジェクト中心のカリキュラムはまだ存在しておらず、最も近いものは、デンマークのアールボルグ大学のように、プロジェクトおよびプロジェクト関連科目がプログラムの75%を占めるプログラムである。
・プロジェクト型学習は、個々のコースやカリキュラム全体にも適用できる(Heitmann, 1996)
Heitmanの定義する「プロジェクト中心のカリキュラム」に最も近いプログラムを持つ工学部の数は、かなり少ない。Heitmanは、ヨーロッパのいくつかの例を挙げている。デンマークのオールボーとロスキレ、ドイツのブレーメン、ベルリン工科大学、ドルトムント、オルデンブルク、オランダのデルフトとワーゲニンゲン(p. 124)などである。オーストラリアの例としては、モナシュ大学とクイーンズランド中央大学が挙げられる。現在、オーストラリアにはこの方向に向かっている大学が他にもあるが、これらの例は十分に文書化されており、CQUの場合はプログラムの全面的な導入後、再認定に成功しているため、選ばれた。
・個々のコース内で小規模なプロジェクトを実施し、最終学年ではプロジェクトコースを実施
・プロジェクトは通常、同じコース内の従来の教授法と組み合わせて実施される
・プロジェクトは、応用に重点を置き、場合によっては、すでに習得した知識の統合も目指す
・プロジェクトは個人または小グループで実施される
(プロジェクト中心のカリキュラム(Project-organised curriculum))
・プロジェクトをカリキュラム全体の構造化の原則として使用
・科目中心のコースは廃止または最小限に抑えられ、特定のプロジェクトに関連付けられる
・学生は、アドバイザーやコンサルタントを務める教師陣で構成されるプロジェクトチームと小グループで作業
・プロジェクトはコース期間中を通して実施され、期間は数週間から1年まで様々である
・実際のエンジニアリングの現場では、完全にプロジェクト中心のカリキュラムはまだ存在しておらず、最も近いものは、デンマークのアールボルグ大学のように、プロジェクトおよびプロジェクト関連科目がプログラムの75%を占めるプログラムである。
・プロジェクト型学習は、個々のコースやカリキュラム全体にも適用できる(Heitmann, 1996)
工学におけるプロジェクト型学習の例
工学分野で実施されているプロジェクト型学習の例がいくつか紹介されています。
著者らが調査した文献のうちいくつかは「プロジェクトベース」や「問題解決型学習」という用語を使用しているが、実際には先に述べた定義に則ったプロジェクト型学習だったというものや、両者を互換的に使用しているものもあり、用語の間にグレーゾーンが存在するようです。
著者らが調査した文献のうちいくつかは「プロジェクトベース」や「問題解決型学習」という用語を使用しているが、実際には先に述べた定義に則ったプロジェクト型学習だったというものや、両者を互換的に使用しているものもあり、用語の間にグレーゾーンが存在するようです。
・ノルウェーのテレマルク工科大学の全学科における最終学年の学部生向け産業プロジェクト
・米国コロラド鉱業大学の1年目および2年目のEPICSコースにおけるプロジェクト
・米国のいくつかの例(ローズハルマン工科大学、カーネギーメロン大学、ウースター工科大学など)
Heitmanの定義する「プロジェクト中心のカリキュラム」に最も近いプログラムを持つ工学部の数は、かなり少ない。Heitmanは、ヨーロッパのいくつかの例を挙げている。デンマークのオールボーとロスキレ、ドイツのブレーメン、ベルリン工科大学、ドルトムント、オルデンブルク、オランダのデルフトとワーゲニンゲン(p. 124)などである。オーストラリアの例としては、モナシュ大学とクイーンズランド中央大学が挙げられる。現在、オーストラリアにはこの方向に向かっている大学が他にもあるが、これらの例は十分に文書化されており、CQUの場合はプログラムの全面的な導入後、再認定に成功しているため、選ばれた。
オールボー大学(AALBORG UNIVERSITY)
・オールボー大学のプロジェクト中心のエンジニアリングプログラムは、1974年の大学創設とともに開始
(1年目)
・数学、物理学、コンピュータサイエンスの基礎を学ぶ共通プログラムがあり、主に伝統的な形式の授業
・残りのプログラムで必要となるプロジェクトワークやチームワークの方法についての導入も行われる
(2〜4年)
・プロジェクトワークが50%、プロジェクトワークをサポートするコースワーク(講義、セミナー、実験演習など)が25%、残りの25%が数学や物理学などの基礎研究
(1年目)
・数学、物理学、コンピュータサイエンスの基礎を学ぶ共通プログラムがあり、主に伝統的な形式の授業
・残りのプログラムで必要となるプロジェクトワークやチームワークの方法についての導入も行われる
(2〜4年)
・プロジェクトワークが50%、プロジェクトワークをサポートするコースワーク(講義、セミナー、実験演習など)が25%、残りの25%が数学や物理学などの基礎研究
・オールボーのプロジェクト型の教育は、問題解決に重点を置いており、プロジェクトは実業界の実践的な問題であることが多く、毎年新しい問題がグループに割り当てられる
・学生はプロジェクトワークに5~7人のグループで取り組み、各学生グループには専用のオフィススペースが割り当てられる
・学生は教員が承認したリストからプロジェクトを選択し、その学期のすべてのプロジェクトには共通の研究テーマがある
・各プロジェクトグループには2人の教員アドバイザーが割り当てられる
・教員は、専門分野のコースワークの指導に加え、3~5つのプロジェクトグループを監督する
・学生はプロジェクトワークに5~7人のグループで取り組み、各学生グループには専用のオフィススペースが割り当てられる
・学生は教員が承認したリストからプロジェクトを選択し、その学期のすべてのプロジェクトには共通の研究テーマがある
・各プロジェクトグループには2人の教員アドバイザーが割り当てられる
・教員は、専門分野のコースワークの指導に加え、3~5つのプロジェクトグループを監督する
・教員のAnette Kolmosは、「ある教育機関で問題解決型学習として実践されていることが、別の教育機関ではプロジェクトワークとして実践されていることに非常に似ている場合がある」と指摘
・彼女は「問題解決型学習とプロジェクトワークの考え方は互いに補完し合い、学習の異なる側面を強調する」と主張し、両者の主な目的は教授よりも学習を強調することにあると述べている
・Kolmosはオールボーのプログラムにおける3つのタイプのプロジェクトワークを分類(課題プロジェクト、科目プロジェクト、問題プロジェクト)※「問題プロジェクト」は、問題解決型学習に最も近い
・3つのタイプのプロジェクトはそれぞれ異なる目標を扱い、異なる知識とスキルを習得するが、いずれも問題をさまざまな方法で分析し、解決するという共通点がある
・いずれのタイプも、準備、問題分析、区分(demacration)、問題解決、結論、報告という同じ段階を経る(p. 142)
・プロジェクトのタイプの違いは、教師の管理または学生の指導の度合いの違いである
・Kolmosは、問題解決型学習における「プロセス志向の監督者」としての教師の役割と、プロジェクト型学習における「成果志向の監督者」としての教師の役割を区別している(p. 147)
・彼女は「問題解決型学習とプロジェクトワークの考え方は互いに補完し合い、学習の異なる側面を強調する」と主張し、両者の主な目的は教授よりも学習を強調することにあると述べている
・Kolmosはオールボーのプログラムにおける3つのタイプのプロジェクトワークを分類(課題プロジェクト、科目プロジェクト、問題プロジェクト)※「問題プロジェクト」は、問題解決型学習に最も近い
・3つのタイプのプロジェクトはそれぞれ異なる目標を扱い、異なる知識とスキルを習得するが、いずれも問題をさまざまな方法で分析し、解決するという共通点がある
・いずれのタイプも、準備、問題分析、区分(demacration)、問題解決、結論、報告という同じ段階を経る(p. 142)
・プロジェクトのタイプの違いは、教師の管理または学生の指導の度合いの違いである
・Kolmosは、問題解決型学習における「プロセス志向の監督者」としての教師の役割と、プロジェクト型学習における「成果志向の監督者」としての教師の役割を区別している(p. 147)
・オールボー大学とデンマーク工科大学(DTU)(伝統的なプログラム)の電子工学および電気工学プログラムは、1998年に国際委員会によって評価された結果、両方のプログラムは優れていたが、卒業生が重視するスキルは異なっていた
(オールボー大学)
・卒業生はチームワーク、コミュニケーション、プロジェクトの遂行能力に優れ、一般的に適応力が高く、卒業後すぐに就職できる可能性が高い
・退学率は20~25%で、そのほとんどが最初の1年目に発生
(デンマーク工科大学(DTU))
(オールボー大学)
・卒業生はチームワーク、コミュニケーション、プロジェクトの遂行能力に優れ、一般的に適応力が高く、卒業後すぐに就職できる可能性が高い
・退学率は20~25%で、そのほとんどが最初の1年目に発生
(デンマーク工科大学(DTU))
・DTUの卒業生はエンジニアリングの基礎に強く、独立して作業を行う能力に優れているが、一般的に実地訓練をより多く必要とする
・DTUのプログラムでは、退学率は約40%
・DTUのプログラムでは、退学率は約40%
モナシュ大学(Monash University)
・土木工学プログラム内のいくつかのコースで問題解決型学習を導入
・1996/7年には、土木工学部のプログラム全体にプロジェクト型学習と問題解決型学習を導入することが決定
・新しいカリキュラムは1998年(1年目)から2001年(4年目)にかけて段階的に導入された
・モナシュ大学では、このプログラムにおける学生の進歩段階を表現するために、「プロジェクト支援学習」、「プロジェクト型学習」、「問題解決学習」という用語を使用
・1996/7年には、土木工学部のプログラム全体にプロジェクト型学習と問題解決型学習を導入することが決定
・新しいカリキュラムは1998年(1年目)から2001年(4年目)にかけて段階的に導入された
・モナシュ大学では、このプログラムにおける学生の進歩段階を表現するために、「プロジェクト支援学習」、「プロジェクト型学習」、「問題解決学習」という用語を使用
・プロジェクト支援学習 (Project-assisted Learning):プロジェクトと演習。教師が内容を提示し、管理
・プロジェクト型学習(Project-based Learning):プロジェクトが主要な活動。学生は必要に応じてコンテンツにアクセスするが、その大半は教師が準備
・問題解決型学習(Problem-based Learning):学生がコンテンツ、配信、グループ内でのやりとりを管理。一方、プロジェクトや問題は通常、講師が決定
・コース1年目は、プロジェクト型学習、すなわち共同作業やグループ単位のプロジェクトに重点が置かれるが、これは土木工学の科目のみ
・1年次の残りのプログラムでは、数学、コンピューター、物理など、すべての工学プログラムに共通する汎用的スキル開発コースが含まれる
・2年次は、汎用的スキルコースがいくつか含まれるが、かなりの割合が土木工学ベースのコース
・これらのコースでは、プロジェクト支援学習が引き続き採用されているが、学生が自ら必要な情報を探し出すことへの重点がますます高まる
・プロジェクト型学習は3年次レベルのモデル
・プログラムの最終学年では、学生はプロジェクトの設定やリソースの確保において、大幅な自主性を求められる
・学生グループは各自の学習ニーズを特定し、学習リソースを見つけることが求められるため、この段階では問題解決型学習が取り入れられている
・一部の科目では、学生は個人でプロジェクトに取り組み、他の科目ではグループで取り組む
・1年次の残りのプログラムでは、数学、コンピューター、物理など、すべての工学プログラムに共通する汎用的スキル開発コースが含まれる
・2年次は、汎用的スキルコースがいくつか含まれるが、かなりの割合が土木工学ベースのコース
・これらのコースでは、プロジェクト支援学習が引き続き採用されているが、学生が自ら必要な情報を探し出すことへの重点がますます高まる
・プロジェクト型学習は3年次レベルのモデル
・プログラムの最終学年では、学生はプロジェクトの設定やリソースの確保において、大幅な自主性を求められる
・学生グループは各自の学習ニーズを特定し、学習リソースを見つけることが求められるため、この段階では問題解決型学習が取り入れられている
・一部の科目では、学生は個人でプロジェクトに取り組み、他の科目ではグループで取り組む
クイーンズランド州立中央大学(Central Queensland University)
・クイーンズランド州立中央大学(CQU)は1998年にプロジェクトベースの工学学位課程を導入
・土木工学、電気工学、機械工学、コンピュータシステム工学の専門分野における工学学位を提供
・これらのプログラムはすべてプロジェクトベースのモデルを採用しており、各学期の学生の作業量の50%がプロジェクトベースのユニットに割り当てられている
・各学期は、理論的知識の基礎を養う6単位のコース2つと、12単位のプロジェクトベースのコースで構成
・プロジェクトは、プログラム全体を通じて徐々に長さと難易度を増していく
・CQUのプログラムの大きな特徴は、学生が9学期のうち2学期をフルタイムの企業研修として行うという、協調的な形式であることである
・オールボーやモナシュとは対照的に、CQUでは1年次の50%にプロジェクトベースのコースを導入
・1年次のコースでは、チームワーク、コミュニケーション、コンピューティング、問題解決などのスキルを伸ばすことに重点を置いており、また、倫理、環境、社会要因などの工学上の問題についても紹介
・初期の調査結果では、学生の成績とともに定着率も改善していることが示されている
・プログラムの評価は、再び学生の評価に焦点を当てている
・土木工学、電気工学、機械工学、コンピュータシステム工学の専門分野における工学学位を提供
・これらのプログラムはすべてプロジェクトベースのモデルを採用しており、各学期の学生の作業量の50%がプロジェクトベースのユニットに割り当てられている
・各学期は、理論的知識の基礎を養う6単位のコース2つと、12単位のプロジェクトベースのコースで構成
・プロジェクトは、プログラム全体を通じて徐々に長さと難易度を増していく
・CQUのプログラムの大きな特徴は、学生が9学期のうち2学期をフルタイムの企業研修として行うという、協調的な形式であることである
・オールボーやモナシュとは対照的に、CQUでは1年次の50%にプロジェクトベースのコースを導入
・1年次のコースでは、チームワーク、コミュニケーション、コンピューティング、問題解決などのスキルを伸ばすことに重点を置いており、また、倫理、環境、社会要因などの工学上の問題についても紹介
・初期の調査結果では、学生の成績とともに定着率も改善していることが示されている
・プログラムの評価は、再び学生の評価に焦点を当てている
プロジェクト型学習は工学分野で成功しているか?
・オールボーやその他のヨーロッパの例を除いて、カリキュラムの主要部分としてプロジェクト型学習を用いることは工学分野では新しい
・一方、「課題プロジェクト」や「プロジェクト支援学習」の使用は以前からあるが、評価は低い
・この質問に対する最も適切な答えは、おそらく医学における問題解決型学習の有効性に関する質問に対する答えと同じであろう
・プロジェクト型学習に参加した学生は概してその学習に意欲的であり、チームワークやコミュニケーション能力も向上
・学んだ知識を実務に適用する能力や、専門的実務に関わる他の問題の複雑さに対する理解も深まる(工学の基礎知識の理解は浅いかもしれない)
・一方、「課題プロジェクト」や「プロジェクト支援学習」の使用は以前からあるが、評価は低い
・この質問に対する最も適切な答えは、おそらく医学における問題解決型学習の有効性に関する質問に対する答えと同じであろう
・プロジェクト型学習に参加した学生は概してその学習に意欲的であり、チームワークやコミュニケーション能力も向上
・学んだ知識を実務に適用する能力や、専門的実務に関わる他の問題の複雑さに対する理解も深まる(工学の基礎知識の理解は浅いかもしれない)
・モナシュ大学の改訂カリキュラムでは、2001年末に最初の卒業生を輩出し、学位課程の2年生から4年生を対象に、質的および量的な調査を実施(以下、学生のコメント)
(Good)
・実社会での応用や技術的・問題解決スキルの向上
(Motto)
・新しいカリキュラムの目標が実現するには時間がかかっていること
・プロジェクト支援型が主で、プロジェクトベース型は一部にとどまっていること
・プロジェクトに費やす時間の多さや、グループ内で責任を果たさないメンバーの問題
(提言)
・プロジェクト型または問題解決型学習を効果的に行うために必要なスキル(チームワークや問題解決など)について、学生とスタッフの両方を対象とした継続的なトレーニング、および、問題解決型およびプロジェクト型学習の理念により適合した実施および評価方法に関するスタッフへの継続的な教育に焦点を当てたもの
(Good)
・実社会での応用や技術的・問題解決スキルの向上
(Motto)
・新しいカリキュラムの目標が実現するには時間がかかっていること
・プロジェクト支援型が主で、プロジェクトベース型は一部にとどまっていること
・プロジェクトに費やす時間の多さや、グループ内で責任を果たさないメンバーの問題
(提言)
・プロジェクト型または問題解決型学習を効果的に行うために必要なスキル(チームワークや問題解決など)について、学生とスタッフの両方を対象とした継続的なトレーニング、および、問題解決型およびプロジェクト型学習の理念により適合した実施および評価方法に関するスタッフへの継続的な教育に焦点を当てたもの
結論
・工学プログラムの主要な要素としてプロジェクト型学習を活用し、工学を支配する講義中心の既存のプログラムを改善することは、学生、産業界、認定機関のいずれにとっても歓迎されることは確実であるため、できる限り広く普及させるべきである
・プロジェクト型学習は、問題解決型学習よりも、大学の工学プログラムに容易に採用され、適応される可能性が高い
・工学の専門家や学者は、問題解決型学習の概念よりも、実際の業務におけるプロジェクトの概念に精通していることも実証されている
・いくつかの教育機関で成功を収めている混合型アプローチが、工学の基礎知識を犠牲にすることなく産業界のニーズを満たす最善の方法であると思われる
・初期:従来型の講義形式のコースをいくつか取り入れ、プロジェクトベースの要素を組み合わせ
・後半:プロジェクトベース割合を増やし、範囲、複雑性、学生の自主性を高めるというアプローチ
ここまで。
自分は工学部の専門ではありませんが、2つのPBLの違いの考察は非常に参考になりました。
特に、階層的な知識構造を持ち、特定の順序で学習しなければならない学問(工学系など)の場合は、重要な部分を欠くと、その後の概念を学習できなくなることから、学習するトピックの順序を学生自身が一部決定する問題解決型学習は適していない可能性があるというのは大きな気づきでした。
問題解決型学習は医療分野で広く使用されていますが、それは解決策(正解)がほぼ1つであり、迅速な対応が求められるという特徴が、学習法とフィットしているのだと思います。
つまり、正解のあるような問題に関する知識の習得に焦点が置かれる場合は、問題解決型学習が適しているとくことです。
対して、プロジェクト型学習はは知識の応用に重点が置かれています。こちらは答えのない問いや長期間取り組む場合などにより適合するということです。
そして、混合型アプローチが最善の方法であると思われるというのも大きな学びでした。従来型の講義形式で知識をインプットすることも行いながら、徐々にプロジェクト型学習の割合を増やしていくというものです。これを全学的に設計できたら理想なのかもしれませんが、そこまで着手できている学校はまだまだ世界的に見ても少ないようです。本論文でも「通常は、個人または少人数の教員グループの関心と熱意に依存しており、学位課程全体に問題解決型学習を導入するには、少なくとも工学、数学、科学、ビジネス/経営学部の教員の関心、協力、統合が必要となり、おそらく、工学における本格的なPBLの最大の障害はここにある」との記載があり、これは正にその通りだと思いました。日本の小中高の探究学習の障害も同じようなところにあるのかもしれません。
・プロジェクト型学習は、問題解決型学習よりも、大学の工学プログラムに容易に採用され、適応される可能性が高い
・工学の専門家や学者は、問題解決型学習の概念よりも、実際の業務におけるプロジェクトの概念に精通していることも実証されている
・いくつかの教育機関で成功を収めている混合型アプローチが、工学の基礎知識を犠牲にすることなく産業界のニーズを満たす最善の方法であると思われる
・初期:従来型の講義形式のコースをいくつか取り入れ、プロジェクトベースの要素を組み合わせ
・後半:プロジェクトベース割合を増やし、範囲、複雑性、学生の自主性を高めるというアプローチ
ここまで。
自分は工学部の専門ではありませんが、2つのPBLの違いの考察は非常に参考になりました。
特に、階層的な知識構造を持ち、特定の順序で学習しなければならない学問(工学系など)の場合は、重要な部分を欠くと、その後の概念を学習できなくなることから、学習するトピックの順序を学生自身が一部決定する問題解決型学習は適していない可能性があるというのは大きな気づきでした。
問題解決型学習は医療分野で広く使用されていますが、それは解決策(正解)がほぼ1つであり、迅速な対応が求められるという特徴が、学習法とフィットしているのだと思います。
つまり、正解のあるような問題に関する知識の習得に焦点が置かれる場合は、問題解決型学習が適しているとくことです。
対して、プロジェクト型学習はは知識の応用に重点が置かれています。こちらは答えのない問いや長期間取り組む場合などにより適合するということです。
そして、混合型アプローチが最善の方法であると思われるというのも大きな学びでした。従来型の講義形式で知識をインプットすることも行いながら、徐々にプロジェクト型学習の割合を増やしていくというものです。これを全学的に設計できたら理想なのかもしれませんが、そこまで着手できている学校はまだまだ世界的に見ても少ないようです。本論文でも「通常は、個人または少人数の教員グループの関心と熱意に依存しており、学位課程全体に問題解決型学習を導入するには、少なくとも工学、数学、科学、ビジネス/経営学部の教員の関心、協力、統合が必要となり、おそらく、工学における本格的なPBLの最大の障害はここにある」との記載があり、これは正にその通りだと思いました。日本の小中高の探究学習の障害も同じようなところにあるのかもしれません。
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