昨日に引き続き、以下の書籍の第3章をレビューします。
書籍はこちら(被引用数:3,315件 (2025年2月12日時点)) Elias, M., Zins, J. E., & Weissberg, R. P. (1997). Promoting social and emotional learning: Guidelines for educators. Ascd.
第1章:社会情動的学習の必要性(The Need for Social and Emotional Learning)
第2章:現在の実践の振り返り(Reflecting on Your Current Practices)
第3章:社会情動の教育をどのように学校に適合するか?(How Does Social and Emotional Education Fit in Schools?)
第4章:教室における社会情動的スキル育成(Developing Social adn Emotional Skills in Calssrooms)
第5章:社会情動学習のコンテクスト構築(Creating the Context for Social and Emotional Learning)
第6章:社会情動教育の導入と持続(Introducing and Sustaining Social and Emotional Education)
第7章:社会性と情動の学習の成果の評価(Evaluating the Success of Social and Emotional Learning)
第8章:前進:強み、優先事項、次のステップの評価(Moving Forward: Assessing Strengths, Priorities, and Next Steps)
第3章では、社会的・情動的学習(SEL)が学校教育にどのように統合できるのかについて述べられています。
SELは単なる補助的な教育活動ではなく、生徒の学習意欲、社会性、そして人格形成を支える不可欠な要素 であり、学業・生活スキル・倫理観の発達において重要な役割を果たします。



このほか、第3章の冒頭では、高校の教室でのSEL実践例(「感情を色紙で表現する」「大切にしている物を共有する」等)が紹介されていました。このような活動を通して、自己認識や他者理解を深めることができると言われています。このような感情の可視化は、学習プロセスにおいても重要であり、以下のような効果が期待されると述べられています。
・生徒の個人的な経験と学習内容を結びつけ、学習へのモチベーションを高める
・感情や社会性の発達を学業と統合することで、より深い学習体験を提供できる
なお、SELは英語、歴史、美術、科学など、あらゆる科目と関連付けることができ、以下のような例が紹介されていました。
・生徒たちが関心を持っていることについて、物語、劇、ビデオの台本、ドキュメンタリードラマを書く
・同じようなテーマの文学作品を見つけ、実生活とフィクションを比較対比する
・同級生や両親との関係など、人間関係について探求する
・気候や地形が人々の集まり方や暮らし方にどのような影響を与えるかを調べ、思春期の生徒が大学や社会人としての初期の時期を過ごす場所を選ぶ
【ガイドライン】
1:生徒が知識を深め、責任感を持ち、思いやりを育むことができるよう、あらゆるレベルの教育者には明確な計画が必要である。SELの4つの主要領域におけるスキルを構築し、強化するための取り組みが必要である。
2:社会性と情動のスキルを育成する取り組みが成功すると、発達上のマイルストーンに結びつくだけでなく、生徒が現在進行中の人生の出来事や地域の状況に対処する手助けにもなる
3:SELプログラムは、自己、他者、仕事に関する社会貢献的な態度や価値観の促進を重視している
4:幼稚園から高校までの間、社会情動的スキルを伸ばすための継続的なインフォーマルな機会と、カリキュラムに基づくフォーマルな指導とを組み合わせた、発達段階に応じた指導を行うことが最も有益である
ここまで。
第3章は、SELが生徒の社会性・情動・学業などの成功に不可欠であることを強調し、学校における実践方法と発達段階ごとの適用についてまとめられていました。
・社会情動的スキルには4つの領域(生活スキル・健康増進・対処スキル・奉仕活動)があり、情動、認知、行動面のスキルを育成することが重要であること
・社会情動的スキルの育成は、フォーマル(学校)だけでなくインフォーマル(課外活動や家庭、社会など)での取り組みも重要であること
・発達段階ごとにSELを適用し、長期的な成長を支えることが不可欠であること
・そのためにはSELを学校全体の文化として根付かせることが成功のカギであること
などが大きな学びポイントでした。
長期的には学校全体でプログラムを展開していくのが理想だと思いますが、まずは自分の授業でできるところからやってみます。具体的には、授業のリフレクションにおいて、普段は学習した内容やチームワーク等に焦点を当てることが多かったのですが、自分自身の感情や思いを外化することを取り入れてみようと思います。
以下、メモ
【健全な自尊心を育む4つのC】
書籍はこちら(被引用数:3,315件 (2025年2月12日時点)) Elias, M., Zins, J. E., & Weissberg, R. P. (1997). Promoting social and emotional learning: Guidelines for educators. Ascd.
第1章:社会情動的学習の必要性(The Need for Social and Emotional Learning)
第2章:現在の実践の振り返り(Reflecting on Your Current Practices)
第3章:社会情動の教育をどのように学校に適合するか?(How Does Social and Emotional Education Fit in Schools?)
第4章:教室における社会情動的スキル育成(Developing Social adn Emotional Skills in Calssrooms)
第5章:社会情動学習のコンテクスト構築(Creating the Context for Social and Emotional Learning)
第6章:社会情動教育の導入と持続(Introducing and Sustaining Social and Emotional Education)
第7章:社会性と情動の学習の成果の評価(Evaluating the Success of Social and Emotional Learning)
第8章:前進:強み、優先事項、次のステップの評価(Moving Forward: Assessing Strengths, Priorities, and Next Steps)
第3章では、社会的・情動的学習(SEL)が学校教育にどのように統合できるのかについて述べられています。
SELは単なる補助的な教育活動ではなく、生徒の学習意欲、社会性、そして人格形成を支える不可欠な要素 であり、学業・生活スキル・倫理観の発達において重要な役割を果たします。
SELの主要領域は4つ(1. 生活スキルと社会的コンピテンシー、2. 健康増進と問題予防スキル、3. 対処スキルと移行期や危機に対する社会的支援、4. 積極的で貢献的な奉仕活動)に分類され、その4つの領域のそれぞれにおける成功には、情動、認知、行動におけるスキルの調整が関わっているとされています。また、社会情動的スキルは幼児期に始まり、発達段階ごとに適切な形でSELを導入することが、生徒の成長を支える鍵だと言われています。それらをまとめたのがAppendix Aの表(Curriculum Sc ope for Different Age Groups)です。
これは、横軸の発達段階(幼児期〜低学年、小学校中学年〜高学年、中学生、構成)と、縦軸にSELの学習領域(「情動」「認知」「行動」「統合」、「キーコンセプト」、「同僚/社会」「家族」「適切な環境」「予防的支援が必要となる出来事)が、マトリクス状に整理されており、各発達段階(幼児期~高校)に応じたSELの具体的な取り組み例が整理されています。


このほか、第3章の冒頭では、高校の教室でのSEL実践例(「感情を色紙で表現する」「大切にしている物を共有する」等)が紹介されていました。このような活動を通して、自己認識や他者理解を深めることができると言われています。このような感情の可視化は、学習プロセスにおいても重要であり、以下のような効果が期待されると述べられています。
・生徒の個人的な経験と学習内容を結びつけ、学習へのモチベーションを高める
・感情や社会性の発達を学業と統合することで、より深い学習体験を提供できる
なお、SELは英語、歴史、美術、科学など、あらゆる科目と関連付けることができ、以下のような例が紹介されていました。
・生徒たちが関心を持っていることについて、物語、劇、ビデオの台本、ドキュメンタリードラマを書く
・同じようなテーマの文学作品を見つけ、実生活とフィクションを比較対比する
・同級生や両親との関係など、人間関係について探求する
・気候や地形が人々の集まり方や暮らし方にどのような影響を与えるかを調べ、思春期の生徒が大学や社会人としての初期の時期を過ごす場所を選ぶ
【ガイドライン】
1:生徒が知識を深め、責任感を持ち、思いやりを育むことができるよう、あらゆるレベルの教育者には明確な計画が必要である。SELの4つの主要領域におけるスキルを構築し、強化するための取り組みが必要である。
2:社会性と情動のスキルを育成する取り組みが成功すると、発達上のマイルストーンに結びつくだけでなく、生徒が現在進行中の人生の出来事や地域の状況に対処する手助けにもなる
3:SELプログラムは、自己、他者、仕事に関する社会貢献的な態度や価値観の促進を重視している
4:幼稚園から高校までの間、社会情動的スキルを伸ばすための継続的なインフォーマルな機会と、カリキュラムに基づくフォーマルな指導とを組み合わせた、発達段階に応じた指導を行うことが最も有益である
ここまで。
第3章は、SELが生徒の社会性・情動・学業などの成功に不可欠であることを強調し、学校における実践方法と発達段階ごとの適用についてまとめられていました。
・社会情動的スキルには4つの領域(生活スキル・健康増進・対処スキル・奉仕活動)があり、情動、認知、行動面のスキルを育成することが重要であること
・社会情動的スキルの育成は、フォーマル(学校)だけでなくインフォーマル(課外活動や家庭、社会など)での取り組みも重要であること
・発達段階ごとにSELを適用し、長期的な成長を支えることが不可欠であること
・そのためにはSELを学校全体の文化として根付かせることが成功のカギであること
などが大きな学びポイントでした。
長期的には学校全体でプログラムを展開していくのが理想だと思いますが、まずは自分の授業でできるところからやってみます。具体的には、授業のリフレクションにおいて、普段は学習した内容やチームワーク等に焦点を当てることが多かったのですが、自分自身の感情や思いを外化することを取り入れてみようと思います。
以下、メモ
生徒たちに何を達成してほしいのか?
私たちの多くは「生徒に知識を身につけさせ、責任感と思いやりを持たせたい」と願っているにも関わらず、社会性や情動についての教育はまだまだ不足しており、筆者らはこれが今日の学校教育に欠けている「最後のピース」であると述べています。
・生徒たちは、成長の過程で習得すべき特定の課題があり、その課題を達成するために必要な特定の能力があり、また、生徒たちが身につけるべき特定の価値観や態度がある
・知識、スキル、価値観、態度をそれぞれ単独で身につけさせるだけでは不十分であり、それらはすべて連携し、育成され、奨励され、支援的な環境の中で生み出されなければならない
・社会性と情動の発達に順応することで、教育者は学業面でも対人面でも成功が促進されることを発見している
・生徒たちは、成長の過程で習得すべき特定の課題があり、その課題を達成するために必要な特定の能力があり、また、生徒たちが身につけるべき特定の価値観や態度がある
・知識、スキル、価値観、態度をそれぞれ単独で身につけさせるだけでは不十分であり、それらはすべて連携し、育成され、奨励され、支援的な環境の中で生み出されなければならない
・社会性と情動の発達に順応することで、教育者は学業面でも対人面でも成功が促進されることを発見している
【SELの4つの主要領域】
1. 生活スキルと社会的コンピテンシー
2. 健康増進と問題予防スキル
3. 対処スキルと移行期や危機に対する社会的支援
4. 積極的で貢献的な奉仕活動
1. 生活スキルと社会的コンピテンシー
・具体的内容:一般的生活スキル、健康、市民権、職場スキルなど(自制、ストレス管理、意思決定、問題解決、紛争解決、適切な自己主張、社交スキル、傾聴、自己表現、コミュニケーションスキル、アイデンティティや精神的な成長に関連するスキルなど)
・実践例:学業、キャリア、人間関係における目標の設定方法、建設的な個人的な意義や目的を見出す
・これらのスキルは、あらゆる状況における社会的な交流を成功させるための基盤であり、これらの分野における欠陥は学業やその他の分野における潜在的な成果を減少させる(Elias et al. 1994, Gardner 1993, Goleman 1995)
・実践例:学業、キャリア、人間関係における目標の設定方法、建設的な個人的な意義や目的を見出す
・これらのスキルは、あらゆる状況における社会的な交流を成功させるための基盤であり、これらの分野における欠陥は学業やその他の分野における潜在的な成果を減少させる(Elias et al. 1994, Gardner 1993, Goleman 1995)
2. 健康増進と問題予防のスキル
・具体的内容:薬物乱用、暴力、エイズ、性感染症、早すぎる性行為、非行、自殺未遂などの特定の問題を経験する可能性を低減するための戦略や行動(1の生活スキルを補完するもので、特定の問題やリスク領域に関連する文脈特有の情報を追加したもの)
・実践例①:ニューヘイブン社会開発カリキュラムのスコープ(p.4の図1.1を参照)
・実践例②:思春期の健康改善における学校と地域社会の役割に関する全米委員会2(1990, p. 36):生徒が賢明な判断を下し、前向きな価値観を育み、代替案を生み出し、集団の圧力に対処し、協調的に働き、争いを回避するのに必要なスキルや戦略を教える(運動の習慣を身につけるプログラムを含む)
→これらのスキルは、講義よりもロールプレイングや小グループの参加型アクティビティを通じて学ぶ方が効果的
・実践例①:ニューヘイブン社会開発カリキュラムのスコープ(p.4の図1.1を参照)
・実践例②:思春期の健康改善における学校と地域社会の役割に関する全米委員会2(1990, p. 36):生徒が賢明な判断を下し、前向きな価値観を育み、代替案を生み出し、集団の圧力に対処し、協調的に働き、争いを回避するのに必要なスキルや戦略を教える(運動の習慣を身につけるプログラムを含む)
→これらのスキルは、講義よりもロールプレイングや小グループの参加型アクティビティを通じて学ぶ方が効果的
→幼稚園から開始し、計画的かつ段階的に12年生まで継続する
3. 移行期や危機への対処スキルと社会的支援
・子どもがストレスの多い人生の出来事に対処するスキルを育む
・重大な人生の出来事が起こった際に開始されるサービスも利用可能である必要がある
・プログラム例:親の別居や離婚、中学校への進学といった出来事を経験した結果、子どもたちが深刻な行動や学習の混乱を経験しないように設計されている(その他の例はAppendixA末尾[p. 133]参照)
・重大な人生の出来事が起こった際に開始されるサービスも利用可能である必要がある
・プログラム例:親の別居や離婚、中学校への進学といった出来事を経験した結果、子どもたちが深刻な行動や学習の混乱を経験しないように設計されている(その他の例はAppendixA末尾[p. 133]参照)
実践例:介入は、教室でのプログラムと連携して実施される場合もあるが、多くの場合、さまざまな学校関係者によって個別または少人数グループで実施される
→紛争解決の体系的なプログラムやサポートグループなどを通じて伝えるのが最も効果的
例1A、1B、1C(Johnson and Johnson 1989/1990; Johnson, Johnson, Dudley, and Burnett 1992; Pedro-Carroll, Alpert-Gillis, and Cowen 1992; Wolchik et al. in press; Zins & Elias 1993)
→紛争解決の体系的なプログラムやサポートグループなどを通じて伝えるのが最も効果的
例1A、1B、1C(Johnson and Johnson 1989/1990; Johnson, Johnson, Dudley, and Burnett 1992; Pedro-Carroll, Alpert-Gillis, and Cowen 1992; Wolchik et al. in press; Zins & Elias 1993)
4. 積極的で貢献的な奉仕活動
・地域社会への貢献を通じて、社会的責任を育む
・実践例:学級内や異なる年齢間の指導、教室や学校、地域社会での奉仕活動、新入生のためのピア・メディエーターやオリエンター、学習の「仲間」、特別なニーズを持つ生徒の補助者としての活動など
・生徒たちは、強い宗教的または家族的な指導を補うものとして、あるいはその代替として、肯定的な関連性とコミュニティ意識を求めており、その成果を達成するための鍵は、肯定的な貢献的な奉仕活動である(Brandt 1991, González 1991, Lewis 1991)
・実践例:学級内や異なる年齢間の指導、教室や学校、地域社会での奉仕活動、新入生のためのピア・メディエーターやオリエンター、学習の「仲間」、特別なニーズを持つ生徒の補助者としての活動など
・生徒たちは、強い宗教的または家族的な指導を補うものとして、あるいはその代替として、肯定的な関連性とコミュニティ意識を求めており、その成果を達成するための鍵は、肯定的な貢献的な奉仕活動である(Brandt 1991, González 1991, Lewis 1991)
【健全な自尊心を育む4つのC】
・自信(Confidence):さまざまな状況で学習し、達成し、うまく交流できるという自信
・能力(Competencies):学業や社会生活での成功に必要な能力
・機会(Chances):上記の能力を身につける機会
・思いやり(Caring):クラスや学校にとって意味のある存在として大切にされていると感じること
・能力(Competencies):学業や社会生活での成功に必要な能力
・機会(Chances):上記の能力を身につける機会
・思いやり(Caring):クラスや学校にとって意味のある存在として大切にされていると感じること
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