Project-Based Learning(PBL) が学生の学習へのエンゲージメント、協調学習、教科学習、反復学習、オーセンティック・ラーニングに与える影響を教員視点から分析した論文のレビューです。
論文はこちら(被引用数:966件 (2025年3月25日時点))
Almulla, M. A. (2020). The effectiveness of the project-based learning (PBL) approach as a way to engage students in learning. Sage Open, 10(3), 2158244020938702.
Project-Based Learning(PBL) がいかに協調学習、教科学習、反復学習、オーセンティック・ラーニングを向上させ、ひいては学生のエンゲージメントを高めることができるかについて、新たなパラダイムを構築することを目的とした本論文。
独自に作成した質問紙調査を教員に対して実施し、SEMにる分析がなされています。
ざっくりまとめます。
【質問紙】
・PBLの効果を測定するために以下の構成される質問紙を作成
・PBLアプローチ全般(6項目):Grossaman et al.(2019)から
・CL=協調学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・DSL=教科学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・IL=反復学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・AL=オーセンティックラーニング(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・Student Engagement in Learning: SEL(生徒のエンゲージメント)(5項目):Grossmanら(2019)およびAl-Rahmi, Aldraiweesh, et al.(2019)から
・23項目からなる5段階リッカート尺度
・①を独立変数とし、それらが②に与える影響を調査
※具体的な設問は論文内では紹介されていませんでした。(見たかった。。)各項目の元となる論文(Grossman et al., 2019)を当たりましたが、おそらく以下のFigure 1の4因子と10のコア・プラクティスの説明を参考に独自で作成したものだと思われます。

【質問紙の回答者】
・対象者:PBL手法を使用している124名の教員
・性別:男性 52.4%、女性 47.6%
・年齢:25歳~51歳以上
・学歴・職位:学士〜博士、准教授・教授を含む
・所属学部:教育学部、経営学部、コンピューター科学等
【データ分析】
・124件の有効回答が得られ、SPSSおよびSEM-AMOSを用いて分析
・分析は、最初に測定モデルの信頼性と妥当性を検証し、次に構造モデルによる仮説検証を実施
【結果】
・11の仮説すべてにおいて、有意な正の相関関係が示された(Figure 3 &Table 3)

ここまで。
PBLが与える影響について、協調学習、教科学習、反復学習、オーセンティックラーニング、生徒のエンゲージメントとここまで多くの側面から分析した論文はほぼ初めて見た気がします。
PBLは、協調学習にも、教科学習にも、オーセンティックラーニングにも、反復学習にも高い相関関係がある、すなわち、効果的なPBLを実施できればそれら全てに高い効果があることが期待できるといこと。
そして、それらは学生のエンゲージメントとも高い相関関係がある、すなわち、PBLを通してそれらが高まると学生エンゲージメントも高まるということ。
総合格闘技的なPBLだからこそ、広範囲にわたり様々な効果があるのだと思います。
分析方法のSEMについても非常に勉強になった論文でした。
論文はこちら(被引用数:966件 (2025年3月25日時点))
Almulla, M. A. (2020). The effectiveness of the project-based learning (PBL) approach as a way to engage students in learning. Sage Open, 10(3), 2158244020938702.
Project-Based Learning(PBL) がいかに協調学習、教科学習、反復学習、オーセンティック・ラーニングを向上させ、ひいては学生のエンゲージメントを高めることができるかについて、新たなパラダイムを構築することを目的とした本論文。
独自に作成した質問紙調査を教員に対して実施し、SEMにる分析がなされています。
ざっくりまとめます。
【仮説】
PBLが学生のエンゲージメントにどのような影響を与えるかについて、11の仮説を立てています。
※CL=協調学習、DSL=教科学習、IL=反復学習、AL=オーセンティックラーニング、SEL(Student Engagement in Learning)=生徒のエンゲージメント
※CL=協調学習、DSL=教科学習、IL=反復学習、AL=オーセンティックラーニング、SEL(Student Engagement in Learning)=生徒のエンゲージメント
仮説1:PBLとCLには有意な関係がある
仮説2:PBLとDSLの間には有意な関係がある
仮説3:PBLとALには有意な関係がある
仮説4:PBLと学生のエンゲージメントには有意な関係がある
仮説5:PBLとILの間には有意な関係がある
仮説6:CLとALには有意な関係がある
仮説7:CLと学生のエンゲージメントには有意な関係がある
仮説8:DSLとILの間には有意な関係がある
仮説9:DSLと学生のエンゲージメントの間には有意な関係がある
仮説10:ALと学生のエンゲージメントには有意な関係がある
仮説11:ILと学生のエンゲージメントには有意な関係がある
【質問紙】
・PBLの効果を測定するために以下の構成される質問紙を作成
・PBLアプローチ全般(6項目):Grossaman et al.(2019)から
・CL=協調学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・DSL=教科学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・IL=反復学習(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・AL=オーセンティックラーニング(3項目):Grossaman et al.(2019)から
・Student Engagement in Learning: SEL(生徒のエンゲージメント)(5項目):Grossmanら(2019)およびAl-Rahmi, Aldraiweesh, et al.(2019)から
・23項目からなる5段階リッカート尺度
・①を独立変数とし、それらが②に与える影響を調査
※具体的な設問は論文内では紹介されていませんでした。(見たかった。。)各項目の元となる論文(Grossman et al., 2019)を当たりましたが、おそらく以下のFigure 1の4因子と10のコア・プラクティスの説明を参考に独自で作成したものだと思われます。

【質問紙の回答者】
・対象者:PBL手法を使用している124名の教員
・性別:男性 52.4%、女性 47.6%
・年齢:25歳~51歳以上
・学歴・職位:学士〜博士、准教授・教授を含む
・所属学部:教育学部、経営学部、コンピューター科学等
【データ分析】
・124件の有効回答が得られ、SPSSおよびSEM-AMOSを用いて分析
・分析は、最初に測定モデルの信頼性と妥当性を検証し、次に構造モデルによる仮説検証を実施
【結果】
・11の仮説すべてにおいて、有意な正の相関関係が示された(Figure 3 &Table 3)

・CLがSELを高める:37.9%が「そう思う」、41.1%が「強くそう思う」と回答
・DSLがSELを高める:45.2%が「そう思う」、25%が「強くそう思う」と回答
・ALがSELを高める:50%が「そう思う」、27.4%が「強くそう思う」と回答
・ILがSELを高める:40.3%が「そう思う」、20.2%が「強くそう思う」と回答
・ILがSELを高める:40.3%が「そう思う」、20.2%が「強くそう思う」と回答
・PBLがSELを高める:34.7%が「そう思う」、27.4%が「強くそう思う」と回答
・PBLに含まれるCL、DSL、IL、ALがSELを高める:41.9%が「そう思う」、12.1%が「強くそう思う」と回答
ここまで。
PBLが与える影響について、協調学習、教科学習、反復学習、オーセンティックラーニング、生徒のエンゲージメントとここまで多くの側面から分析した論文はほぼ初めて見た気がします。
PBLは、協調学習にも、教科学習にも、オーセンティックラーニングにも、反復学習にも高い相関関係がある、すなわち、効果的なPBLを実施できればそれら全てに高い効果があることが期待できるといこと。
そして、それらは学生のエンゲージメントとも高い相関関係がある、すなわち、PBLを通してそれらが高まると学生エンゲージメントも高まるということ。
総合格闘技的なPBLだからこそ、広範囲にわたり様々な効果があるのだと思います。
分析方法のSEMについても非常に勉強になった論文でした。
これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。
コメント