Collavolative PBL(協働的PBL)において、タスク・プロセス・関係性の3種のグループ内コンフリクトの発生要因を探索し、社会的スキルがそれらのコンフリクトと協働にどのように影響するかを実証的に明らかにした論文をレビューします。
論文はこちら(被引用数:437件 (2026年4月19日時点))
Lee, D., Huh, Y., & Reigeluth, C. M. (2015). Collaboration, intragroup conflict, and social skills in project-based learning. Instructional science, 43(5), 561-590.
協働。重要な教授方略として認識されるそれは、プロジェクト型学習や問題解決型学習と組み合わせて用いられる場合にその重要性が高まると言われています。そして、協働を取り入れた協働型PBL(Collavolative PBL:CPBL)は、学生を真正のプロジェクトや問題に関与させ、探究を通じて自らの学習を主導させ、協働的にプロジェクトに取り組ませる革新的なアプローチとして提案されてきました(Hmelo-Silver 2004; Savery 2006; Nelson 1999; Bell 2010)。面白いのは、協働は手段でもあり目的でもあるということ。つまり、学ぶために協働することと、協働することを学ぶことは、協働の両面として捉えられています。
一方、協働の過程で生じる集団内コンフリクトが、CPBLの実施において学生および教師が直面する主要な課題であるとされています。そこで、本研究では、CPBLにおけるコンフリクトに着目し、それらコンフリクトが生じる要因と社会的スキル(social skills)がコンフリクトや協働にどのように影響するのかを実証的に検証しています。
以下、ポイントをざっくりまとめます。
まずは、理論的背景から。
集団内コンフリクト(intragroup conflicts)はタスク・プロセス・関係性の3種類に分けられ、それら3種が学習にポジ・ネガそれぞれの影響があるとして以下のようにまとめられています。
◆タスクコンフリクト(task-related conflict)
・協働課題に関する意見の不一致が生じたときに発生する(Pelled et al. 1999)
・異なる視点に基づく異なる解答を持つ状態として定義される社会的認知的コンフリクトの概念と一致
・タスクコンフリクトに関する実証研究は、協働に対して肯定的な影響を持つことについて一貫
・※関係性コンフリクトと強く結びついている場合には、この限りではない
・「集団成員に自らのアイデアを批判にさらすことによって検証する機会を与え、それによってチームのパフォーマンスが向上する」(Pelled, 1996)
・タスクコンフリクトがチームの意思決定の質、課題に対する認知的理解、メンバー間の情動的受容と正の関連を持つ(Amason, 1996)
・効果的なグループは高水準のタスクコンフリクトを有し、そのコンフリクトが解決可能であると認識された場合、メンバーはそれを解決するためにより強い動機づけを持つ(Jehn 1997)
・タスクコンフリクトがメンバーの課題理解を深め、課題へのコミットメントを高め、意思決定の質を向上させる(Olson et al., 2007)
・メンバー間に対立する見解が存在することは、それらを調整する必要性を生み出し、その結果として説明、議論、調整といった活動への関与を促す(Dillenbourg et al. 1996)
・社会的認知理論によれば、このプロセスは個人の認知的発達を促進し、より高度な参加を可能にし、その結果として協働の水準が高まる(Dillenbourg et al. 1996)
・学業能力、達成度、視点、専門性、性別といった個人差が社会的認知的コンフリクトの引き金となることが報告されている一方で(Cohen 1994; Swing and Peterson 1982; Scariano and Davenport 1987; Damon 1984; Durfee et al. 1989)
・職務関連の属性(機能的・部門的背景、教育、在職年数等)がタスクコンフリクトを引き起こすと仮定(Pelled, 1996)
・Weinberger et al.(2005)
・認識的スクリプト:内容に関連する問いを提示することでタスクコンフリクトを生み出すと
・社会的スクリプト:批判的な交渉を促進し早期の誤った合意を回避するための
◆プロセスコンフリクト(process-related conflict):役割・責任 → 負の影響
・グループメンバー間における協働の進め方、手続き、あるいは責任分担に関する不一致が生じたときに発生する(Jehn, 1997)
・チームパフォーマンスに直接的な影響を及ぼす(Behfar et al., 2010)
・プロセスコンフリクトは生産的な作業プロセスに有害であり、協働に負の影響を及ぼす
・特に、メンバーの責任に関わる場合(Jehn, 1997)や、協働の初期段階で発生する場合(Greer et al., 2008)にその影響は顕著
・誰が何を担当するかについてグループ内で激しい議論が行われた場合、最終成果の完成までより長い時間がかかり、またメンバーが自分たちのグループ作業に対して不満を表明する傾向がある(Jehn, 1997)
・協働の初期に発生したプロセスコンフリクトは、その後の協働全体にわたって持続的かつ長期的な負の影響を及ぼし、他のタイプのコンフリクトの水準も高めることと関連(Greer et al., 2008)
・これらの影響はプロセス・コンフリクトに特有(タスク、関係性では観察なし)
・プロセス・コンフリクトは、タスクの分担、責任の管理、そして社会的手抜き(social loafing)行動に起因する対立として現れる(Littelton & Häkkinen, 1999)
・Weinberger(2011)は、活動の順序を明確化し役割を分配することが、学習者が自らの学習活動をより適切に調整し、他者の推論に基づく知識構築を促進することに寄与すると主張
・例:Häkkinenら(2010)は、協働にスクリプトを導入することで個別作業を割り当て、グループプロセスを円滑化し、社会的手抜きを防止した
・一方で、彼らは協働プロセスを過度に構造化することは自然な問題解決プロセスを阻害する可能性があると警告(llenbourg and Jermann, 2007)
◆関係性(relationshiprelated):感情・対人 → 強い負の影響
・関係性コンフリクトは、集団成員同士の間に否定的感情を伴う対人衝突が生じたときに発生(Pelled et al. 1999)
・一見タスクコンフリクトのように見える場合もあるが、その根源は対人関係にある
・関係性コンフリクトは、メンバーが互いに対する否定的な感情に焦点を当てることで、知識の共同構築プロセスを妨げる
・他者のタスクに関するアイデアに対する抵抗を強め、新規または複雑な情報の処理を困難にし、その結果として協働に負の影響を及ぼす(Pelled 1996; Jehn 1997; Amason 1996)
・表出された否定的な感情がメンバーを課題ではなく否定的感情そのものに集中させる一方、高い成果を上げているグループでは、メンバー間で否定的感情が表出されることはほとんどない(Jehn, 1997)
・関係性コンフリクトが課題に関する意思決定の質の低さと関連しており、そのようなコンフリクトがないグループと比べて、他のメンバーの提案や意見を受け入れることに消極的である(Amason, 1996)
・ 関係性コンフリクトの要因は、性別、人種、年齢、職務的背景などの視覚的に認識しやすい個人差が、経営学の文献においてトリガーとして報告(Pelled 1996; Pelled et al. 1999; DeChurch et al. 2007)
・知覚された相違は、メンバーが自他を異なる社会的集団に分類することを促し、この認知的プロセスが関係性コンフリクトを引き起こす可能性がある(Pelled 1996)
・在職年数や人種の差異が大きいほど、関係性コンフリクトが多く発生する(Pelled et al., 1999)
・作業スタイルの不一致から関係性コンフリクトを経験し、彼らは集団成員が自己調整および共有調整を通じて情動を調整していた(Järvenoja and Järvelä, 2009)
・→否定的感情が生じたとしても、それが個人内あるいは集団内で適切に調整される場合、関係性コンフリクトは発生しない可能性がある
◆3つのコンフリクトの関係
・三種類のコンフリクトはそれぞれ協働に対して異なる影響を示すものの、相互に作用し合っている
・タスクおよびプロセスコンフリクトにもある程度感情的要素が含まれている(Jehn, 1997)
・タスクコンフリクトは協働を促進する一方で、タスクコンフリクトが関係性コンフリクトの有意な予測因であり、それが協働に悪影響を及ぼす(Pelled et al., 1999)
・メタ分析でもタスクと関係性コンフリクトの間に強い相関が確認(DeDreu and Weingart 2003; Behfar et al. 2010)→タスクに関する過度な議論は関係性コンフリクトへと発展し得る
・プロセスコンフリクトが否定的感情を生み出し、それが関係性コンフリクトへと転化する(Greer et al., 2008)
・プロセスコンフリクトと関係性コンフリクトの間に高い相関(Behfar et al., 2010)
・誰が何を行うかをめぐる議論は否定的感情を伴いやすいため、プロセスコンフリクトが関係性コンフリクトを引き起こすと考えられる
・関係性コンフリクトは、建設的な議論を阻害し、メンバーを否定的感情に集中させることで、タスクコンフリクトがチームパフォーマンスに与える正の影響を妨げる
・否定的感情を抱いた小学校高学年のグループメンバーが社会的手抜き行動をより多く示した(Linnenbrink-Garcia et al., 2011)→関係性コンフリクトがプロセスコンフリクトを誘発する可能性
・実証研究において有効とされる調整要因は以下の2つ
①集団内信頼(Peterson and Behfar 2003; Simons and Peterson 2000)
・集団内信頼がコンフリクトの転化を防ぎ、タスクコンフリクトを有効活用する上で重要な役割を果たす(Simons and Peterson, 2000)
・集団内信頼は他の条件とコンフリクト転化との関係を調整する役割も持つ
②コンフリクト・マネジメント方略(Alper et al. 2000; DeChurch et al. 2007)
・協働的なコンフリクト・マネジメント・アプローチはコンフリクト転化を抑制する(DeChurch et al. 2007; Alper et al. 2000)
・協働的アプローチは、共通目標の達成、他者視点の理解、複数アイデアの統合による解決を重視するのに対し、競争的アプローチは勝敗を伴う状況を生み出し、アイデア同士を競合させる傾向(Alper et al. 2000)
・協働的アプローチがチームのコンフリクトマネジメント能力に対する信念を高め、それがチームパフォーマンスの向上につながる(Alper et al., 2000)
・DeChurch et al.(2007)は、対人関係における協調性(agreeableness)と積極性(activeness)の二次元に基づき、コンフリクトマネジメントスタイルを五つに分類(協働型(両方が高い)、競争型(協調性が低く積極性が高い)、迎合型(協調性が高く積極性が低い)、回避型(両方が低い)、妥協型(両方が中程度)
・タスクコンフリクトのマネジメントの仕方がその後の関係性コンフリクトに影響を与え、五つのスタイルの中では協働型が最も関係性コンフリクトを抑制し、競争型が最も多くの関係性コンフリクトを生じさせる
社会的スキル(Social skills)
・社会的スキルを集団内コンフリクトと協働の間を媒介する要因として位置づけたが、この点についてはこれまで実証的に検討されていない
・社会的相互依存理論は、社会的スキルを協働を媒介する5つの変数の一つとして位置づけている
・社会的スキルはメンバーがコンフリクトを解決することを助け、協働を効果的にする(Johnson and Johnson 2009b)
・著者らは、社会的スキルの適切な活用が、正確なコミュニケーションと建設的なコンフリクト解決を可能にし、その結果として協働に正の影響を与えると主張(Johnson and Johnson 2009a)。
・コンフリクトおよび協働との関連における社会的スキルに関する文献は限られているものの、いくつかの実験研究がその影響を検討(Gillies and Ashman 1996; Prichard et al. 2006a, b)
・社会的スキルの指導を受けたグループは、メンバー間の関係がより良好(Putnam et al., 1989)
→社会的スキルの適切な活用が関係性コンフリクトを防ぎ、タスク・プロセス・関係性に関わるコンフリクトを建設的に解決することを通じて、協働に正の影響を与える可能性を示唆
・社会的スキルのパフォーマンスに対する個別フィードバックは、動機づけおよび学業達成を向上させ、さらにグループメンバー間の関係性や学習内容、教師、仲間、自分自身に対する態度をより肯定的なものにした(Archer-Kath et al., 1994)
・社会的スキルの訓練を受けたグループは、未訓練のグループより高いパフォーマンスを示し、より良好に協働したが、訓練を受けた学生が再編成された場合、この効果は失われた(Prichard et al. 2006a, b)
リサーチギャップ
・経営学の文献は、タスク関連コンフリクトおよび関係性コンフリクトの発生要因について一定の知見を提供しているものの(Table 1)、その一部は中等教育の状況には適用できない可能性があり、また、プロセス関連コンフリクトの原因については十分に解明されていない。

・社会的スキルは集団内コンフリクトを媒介する有望な要因であると考えられ、コンフリクトを建設的に解決し協働を促進するための媒介変数として活用することが期待されるが、個人および集団レベルにおいて、集団内コンフリクト・協働・社会的スキルの三者の関係を自然な学習環境の中で検討した研究はほとんど存在しない
リサーチクエスチョン
①高校のCPBLにおいて、各種類の集団内コンフリクトを引き起こす個人差要因は何か
②社会的スキルは、個人および集団レベルにおいて、CPBL中の集団内コンフリクトおよび協働にどのような影響を与えるか
方法
・対象:高校生9年生および10年生(14〜16歳)111名
CPBL授業受講者:2つの教室で計3プロジェクト(1+2)
・方法:オンライン質問紙調査+インタビュー
(質問紙調査)
・コンフリクト:各プロジェクト終了時に、参加者は自らのチームにおける各コンフリクトの頻度を「全くない(Never)」から「常にある(Always)」までの7件法で回答
・社会的スキル:Riggio(1986)の6次元モデルで自分自身の能力を「非常に低い(Extremely poor)」から「非常に高い(Extremely good)」までの7件法で回答
・協働:Dillenbourg(1999)が提唱した協働の3つの特徴(相互作用性(interactivity)、同時性(synchronicity)、交渉性(negotiability))について回答
・分析:RQ1:質的分析(原因特定) 、RQ2:マルチレベルSEM(個人×グループ)
・Fig 2:SEMモデル

主な結果
RQ1
・コンフリクトは同時に起こる:多くのグループで複数のコンフリクトが同時発生
・特に、タスク × 関係性、プロセス × 関係性が多い
・「タスクだけ発生」はほぼない
・コンフリクトの発生メカニズム
・タスクコンフリクト:原因(Trigger):視点・関心の違いから発生

・プロセスコンフリクト
・原因:社会的手抜き(social loafing)から発生
・関係性コンフリクト
・原因: 性格の不一致、社会的スキルの欠如から発生

RQ1のまとめ
・メンバー間の視点や関心の違い→タスクコンフリクト
・社会的手抜き→プロセスコンフリクト
・社会的手抜き→プロセスコンフリクト→関係性コンフリクト
・性格の違い→関係性コンフリクト
・社会的スキル欠如→関係性コンフリクト→タスクコンフリクトを関係性コンフリクトへ転化

RQ2
・社会的スキルの役割(SEM結果)
・社会的スキル:集団内コンフリクトと負の関連、協働とは正の関連
・集団内コンフリクトの管理および協働においては、個々のメンバーの社会的スキルよりも、グループ全体としての社会的スキルの方が重要
・個人レベル:有意でない、グループレベル:有意
→グループ内に社会的スキルの低いメンバーがいたとしても、他のメンバーの社会的スキルが高ければ、その影響はグループ全体には及ばない

◆理論的示唆
・タスク・プロセス・関係性コンフリクトは同時に発生しやすく、タスクコンフリクトの正の効果を阻害する可能性がある
・社会的スキルは、コンフリクト解決と協働促進に重要な役割を持つ
・社会的スキルの欠如は、関係性コンフリクトを引き起こす主要因
◆最重要発見
・個人よりも「グループ全体の社会的スキル」が重要
・理由: 高スキル者がコンフリクトを調整する、他者がその行動を学習する(社会的学習)
◆教育実践への示唆(グループ編成)
・高い社会的スキルを持つ学生を各グループに配置すると有効
・グループ全体へのスキルトレーニングより効率的
・学習者データを用いた意図的なグループ編成(テクノロジー活用)が有効
◆コンフリクトマネジメント
・タスクコンフリクト: 促進すべき(学習に有益)
・プロセス・関係性コンフリクト: 抑制・管理すべき(協働を阻害)
◆タスクコンフリクトの促進方法
・異なる視点・関心を持つ学生を同じグループにする
・教師が批判的・探究的な問いを提示(※ただし最低限の共通知識は必要)
◆プロセスコンフリクトの低減方法
・手続き的足場かけ(構造化)
・社会的手抜きの防止
・同一メンバーでの継続的なグループ活動
◆実践的手法
・グループ契約・ルール設定
・ベンチマーク(中間成果)の設定
・チーム管理ツールの活用(進捗の可視化)
◆関係性コンフリクト
・原因: 性格の衝突、社会的スキル不足
・性格多様性の影響は一貫していないため今後の検討が必要
◆社会的スキルの効果
・協働を促進(先行研究と一致)
・タスクコンフリクト→ 関係性コンフリクトへの転化を防ぐ
・グループレベルで高めることが重要
◆社会的スキル向上の方法
・高スキル者と低スキル者を同一グループに配置
・プロジェクト開始時のワークショップ
・プロジェクト中・後の個別フィードバック
◆限界
・特定の文脈に依存(米国中西部の高校)している可能性
・自己報告データを使用しているため、内容に関しては歪みが生じる可能性
・質問紙は、各コンフリクトタイプと他変数との関係を十分に検討するには不十分である可能性
◆今後の課題
・各コンフリクトタイプを引き起こす個人差要因を、さまざまな文脈で検討する必要
・タスクコンフリクトを促進し、プロセスおよび関係性コンフリクトを抑制する方法について、実証的な検証と精緻化が必要
・コンフリクト、協働、および社会的相互依存理論が想定する他の要因(正の相互依存、個人責任、促進的相互作用、グループプロセス)との関係を検討する必要(※本研究はこれら5要因のうち1つのみを扱っているため、残りの要因との関係も今後の重要な研究課題)
ここまで。
非常に面白い内容でした。自分が担当するPBLの授業は基本的にグループでの協働で実施しており、グループによってうまくいく/いかない様々なパターンが散見されていたのですが、当論文のコンフリクトと社会的スキルの知見を得たことで、より解像度高くこの問題を理解できたように思います。
3つのコンフリクトのうちタスクコンフリクトのみが学習にポジティブで、それは、グループ編成(異なる視点・関心を持つ学生を同じグループに)と問いの設定で促進することができる。
プロセスと関係性コンフリクトは協働にネガティブなので、抑制すべきである。
プロセスコンフリクトは、社会的手抜きから発生するため、以下のような取り組みが効果的。
・手続き的足場かけ(構造化)
・社会的手抜きの防止
・同一メンバーでの継続的なグループ活動
関係性コンフリクトは、性格の衝突、社会的スキル不足から発生する。特に、社会的スキルの欠如は、関係性コンフリクトを引き起こす主要因である。一方、個人よりも「グループ全体の社会的スキル」が重要である。高スキル者はコンフリクトを調整し、他者はその行動を学習する(社会的学習)。
社会的スキルを高めるためには、以下のような取り組みが効果的である。
・高スキル者と低スキル者を同一グループに配置
・プロジェクト開始時のワークショップ
・プロジェクト中・後の個別フィードバック
今後の授業や研究では、3つのコンフリクトの観点からも眺め、より協働や学習が促進されるよう工夫していきたいと思いました。
以下、メモ。
協働(Collaboration)
・協働とは、CPBLにおいて、集団メンバーが社会的認知的コンフリクトを能動的かつ建設的に解決することができる、特定の社会的相互作用および学習プロセス
・協働とは、集団メンバーが知識、意見、アイデアを交換するだけでなく、感情も共有するプロセス
・プロジェクトにおける協働には、メンバーの役割や責任の決定、集団プロセスの調整など、タスク遂行に関するロジスティクスも含まれるため、社会的認知的コンフリクト以外にもさまざまな種類のコンフリクトが生じるのは自然なこと
論文はこちら(被引用数:437件 (2026年4月19日時点))
Lee, D., Huh, Y., & Reigeluth, C. M. (2015). Collaboration, intragroup conflict, and social skills in project-based learning. Instructional science, 43(5), 561-590.
協働。重要な教授方略として認識されるそれは、プロジェクト型学習や問題解決型学習と組み合わせて用いられる場合にその重要性が高まると言われています。そして、協働を取り入れた協働型PBL(Collavolative PBL:CPBL)は、学生を真正のプロジェクトや問題に関与させ、探究を通じて自らの学習を主導させ、協働的にプロジェクトに取り組ませる革新的なアプローチとして提案されてきました(Hmelo-Silver 2004; Savery 2006; Nelson 1999; Bell 2010)。面白いのは、協働は手段でもあり目的でもあるということ。つまり、学ぶために協働することと、協働することを学ぶことは、協働の両面として捉えられています。
一方、協働の過程で生じる集団内コンフリクトが、CPBLの実施において学生および教師が直面する主要な課題であるとされています。そこで、本研究では、CPBLにおけるコンフリクトに着目し、それらコンフリクトが生じる要因と社会的スキル(social skills)がコンフリクトや協働にどのように影響するのかを実証的に検証しています。
以下、ポイントをざっくりまとめます。
まずは、理論的背景から。
集団内コンフリクト(intragroup conflicts)はタスク・プロセス・関係性の3種類に分けられ、それら3種が学習にポジ・ネガそれぞれの影響があるとして以下のようにまとめられています。
◆タスクコンフリクト(task-related conflict)
・協働課題に関する意見の不一致が生じたときに発生する(Pelled et al. 1999)
・異なる視点に基づく異なる解答を持つ状態として定義される社会的認知的コンフリクトの概念と一致
・タスクコンフリクトに関する実証研究は、協働に対して肯定的な影響を持つことについて一貫
・※関係性コンフリクトと強く結びついている場合には、この限りではない
・「集団成員に自らのアイデアを批判にさらすことによって検証する機会を与え、それによってチームのパフォーマンスが向上する」(Pelled, 1996)
・タスクコンフリクトがチームの意思決定の質、課題に対する認知的理解、メンバー間の情動的受容と正の関連を持つ(Amason, 1996)
・効果的なグループは高水準のタスクコンフリクトを有し、そのコンフリクトが解決可能であると認識された場合、メンバーはそれを解決するためにより強い動機づけを持つ(Jehn 1997)
・タスクコンフリクトがメンバーの課題理解を深め、課題へのコミットメントを高め、意思決定の質を向上させる(Olson et al., 2007)
・メンバー間に対立する見解が存在することは、それらを調整する必要性を生み出し、その結果として説明、議論、調整といった活動への関与を促す(Dillenbourg et al. 1996)
・社会的認知理論によれば、このプロセスは個人の認知的発達を促進し、より高度な参加を可能にし、その結果として協働の水準が高まる(Dillenbourg et al. 1996)
・学業能力、達成度、視点、専門性、性別といった個人差が社会的認知的コンフリクトの引き金となることが報告されている一方で(Cohen 1994; Swing and Peterson 1982; Scariano and Davenport 1987; Damon 1984; Durfee et al. 1989)
・職務関連の属性(機能的・部門的背景、教育、在職年数等)がタスクコンフリクトを引き起こすと仮定(Pelled, 1996)
・Weinberger et al.(2005)
・認識的スクリプト:内容に関連する問いを提示することでタスクコンフリクトを生み出すと
・社会的スクリプト:批判的な交渉を促進し早期の誤った合意を回避するための
◆プロセスコンフリクト(process-related conflict):役割・責任 → 負の影響
・グループメンバー間における協働の進め方、手続き、あるいは責任分担に関する不一致が生じたときに発生する(Jehn, 1997)
・チームパフォーマンスに直接的な影響を及ぼす(Behfar et al., 2010)
・プロセスコンフリクトは生産的な作業プロセスに有害であり、協働に負の影響を及ぼす
・特に、メンバーの責任に関わる場合(Jehn, 1997)や、協働の初期段階で発生する場合(Greer et al., 2008)にその影響は顕著
・誰が何を担当するかについてグループ内で激しい議論が行われた場合、最終成果の完成までより長い時間がかかり、またメンバーが自分たちのグループ作業に対して不満を表明する傾向がある(Jehn, 1997)
・協働の初期に発生したプロセスコンフリクトは、その後の協働全体にわたって持続的かつ長期的な負の影響を及ぼし、他のタイプのコンフリクトの水準も高めることと関連(Greer et al., 2008)
・これらの影響はプロセス・コンフリクトに特有(タスク、関係性では観察なし)
・プロセス・コンフリクトは、タスクの分担、責任の管理、そして社会的手抜き(social loafing)行動に起因する対立として現れる(Littelton & Häkkinen, 1999)
・Weinberger(2011)は、活動の順序を明確化し役割を分配することが、学習者が自らの学習活動をより適切に調整し、他者の推論に基づく知識構築を促進することに寄与すると主張
・例:Häkkinenら(2010)は、協働にスクリプトを導入することで個別作業を割り当て、グループプロセスを円滑化し、社会的手抜きを防止した
・一方で、彼らは協働プロセスを過度に構造化することは自然な問題解決プロセスを阻害する可能性があると警告(llenbourg and Jermann, 2007)
◆関係性(relationshiprelated):感情・対人 → 強い負の影響
・関係性コンフリクトは、集団成員同士の間に否定的感情を伴う対人衝突が生じたときに発生(Pelled et al. 1999)
・一見タスクコンフリクトのように見える場合もあるが、その根源は対人関係にある
・関係性コンフリクトは、メンバーが互いに対する否定的な感情に焦点を当てることで、知識の共同構築プロセスを妨げる
・他者のタスクに関するアイデアに対する抵抗を強め、新規または複雑な情報の処理を困難にし、その結果として協働に負の影響を及ぼす(Pelled 1996; Jehn 1997; Amason 1996)
・表出された否定的な感情がメンバーを課題ではなく否定的感情そのものに集中させる一方、高い成果を上げているグループでは、メンバー間で否定的感情が表出されることはほとんどない(Jehn, 1997)
・関係性コンフリクトが課題に関する意思決定の質の低さと関連しており、そのようなコンフリクトがないグループと比べて、他のメンバーの提案や意見を受け入れることに消極的である(Amason, 1996)
・ 関係性コンフリクトの要因は、性別、人種、年齢、職務的背景などの視覚的に認識しやすい個人差が、経営学の文献においてトリガーとして報告(Pelled 1996; Pelled et al. 1999; DeChurch et al. 2007)
・知覚された相違は、メンバーが自他を異なる社会的集団に分類することを促し、この認知的プロセスが関係性コンフリクトを引き起こす可能性がある(Pelled 1996)
・在職年数や人種の差異が大きいほど、関係性コンフリクトが多く発生する(Pelled et al., 1999)
・作業スタイルの不一致から関係性コンフリクトを経験し、彼らは集団成員が自己調整および共有調整を通じて情動を調整していた(Järvenoja and Järvelä, 2009)
・→否定的感情が生じたとしても、それが個人内あるいは集団内で適切に調整される場合、関係性コンフリクトは発生しない可能性がある
◆3つのコンフリクトの関係
・三種類のコンフリクトはそれぞれ協働に対して異なる影響を示すものの、相互に作用し合っている
・タスクおよびプロセスコンフリクトにもある程度感情的要素が含まれている(Jehn, 1997)
・タスクコンフリクトは協働を促進する一方で、タスクコンフリクトが関係性コンフリクトの有意な予測因であり、それが協働に悪影響を及ぼす(Pelled et al., 1999)
・メタ分析でもタスクと関係性コンフリクトの間に強い相関が確認(DeDreu and Weingart 2003; Behfar et al. 2010)→タスクに関する過度な議論は関係性コンフリクトへと発展し得る
・プロセスコンフリクトが否定的感情を生み出し、それが関係性コンフリクトへと転化する(Greer et al., 2008)
・プロセスコンフリクトと関係性コンフリクトの間に高い相関(Behfar et al., 2010)
・誰が何を行うかをめぐる議論は否定的感情を伴いやすいため、プロセスコンフリクトが関係性コンフリクトを引き起こすと考えられる
・関係性コンフリクトは、建設的な議論を阻害し、メンバーを否定的感情に集中させることで、タスクコンフリクトがチームパフォーマンスに与える正の影響を妨げる
・否定的感情を抱いた小学校高学年のグループメンバーが社会的手抜き行動をより多く示した(Linnenbrink-Garcia et al., 2011)→関係性コンフリクトがプロセスコンフリクトを誘発する可能性
・実証研究において有効とされる調整要因は以下の2つ
①集団内信頼(Peterson and Behfar 2003; Simons and Peterson 2000)
・集団内信頼がコンフリクトの転化を防ぎ、タスクコンフリクトを有効活用する上で重要な役割を果たす(Simons and Peterson, 2000)
・集団内信頼は他の条件とコンフリクト転化との関係を調整する役割も持つ
②コンフリクト・マネジメント方略(Alper et al. 2000; DeChurch et al. 2007)
・協働的なコンフリクト・マネジメント・アプローチはコンフリクト転化を抑制する(DeChurch et al. 2007; Alper et al. 2000)
・協働的アプローチは、共通目標の達成、他者視点の理解、複数アイデアの統合による解決を重視するのに対し、競争的アプローチは勝敗を伴う状況を生み出し、アイデア同士を競合させる傾向(Alper et al. 2000)
・協働的アプローチがチームのコンフリクトマネジメント能力に対する信念を高め、それがチームパフォーマンスの向上につながる(Alper et al., 2000)
・DeChurch et al.(2007)は、対人関係における協調性(agreeableness)と積極性(activeness)の二次元に基づき、コンフリクトマネジメントスタイルを五つに分類(協働型(両方が高い)、競争型(協調性が低く積極性が高い)、迎合型(協調性が高く積極性が低い)、回避型(両方が低い)、妥協型(両方が中程度)
・タスクコンフリクトのマネジメントの仕方がその後の関係性コンフリクトに影響を与え、五つのスタイルの中では協働型が最も関係性コンフリクトを抑制し、競争型が最も多くの関係性コンフリクトを生じさせる
社会的スキル(Social skills)
・社会的スキルを集団内コンフリクトと協働の間を媒介する要因として位置づけたが、この点についてはこれまで実証的に検討されていない
・社会的相互依存理論は、社会的スキルを協働を媒介する5つの変数の一つとして位置づけている
・社会的スキルはメンバーがコンフリクトを解決することを助け、協働を効果的にする(Johnson and Johnson 2009b)
・著者らは、社会的スキルの適切な活用が、正確なコミュニケーションと建設的なコンフリクト解決を可能にし、その結果として協働に正の影響を与えると主張(Johnson and Johnson 2009a)。
・コンフリクトおよび協働との関連における社会的スキルに関する文献は限られているものの、いくつかの実験研究がその影響を検討(Gillies and Ashman 1996; Prichard et al. 2006a, b)
・社会的スキルの指導を受けたグループは、メンバー間の関係がより良好(Putnam et al., 1989)
→社会的スキルの適切な活用が関係性コンフリクトを防ぎ、タスク・プロセス・関係性に関わるコンフリクトを建設的に解決することを通じて、協働に正の影響を与える可能性を示唆
・社会的スキルのパフォーマンスに対する個別フィードバックは、動機づけおよび学業達成を向上させ、さらにグループメンバー間の関係性や学習内容、教師、仲間、自分自身に対する態度をより肯定的なものにした(Archer-Kath et al., 1994)
・社会的スキルの訓練を受けたグループは、未訓練のグループより高いパフォーマンスを示し、より良好に協働したが、訓練を受けた学生が再編成された場合、この効果は失われた(Prichard et al. 2006a, b)
リサーチギャップ
・経営学の文献は、タスク関連コンフリクトおよび関係性コンフリクトの発生要因について一定の知見を提供しているものの(Table 1)、その一部は中等教育の状況には適用できない可能性があり、また、プロセス関連コンフリクトの原因については十分に解明されていない。

・社会的スキルは集団内コンフリクトを媒介する有望な要因であると考えられ、コンフリクトを建設的に解決し協働を促進するための媒介変数として活用することが期待されるが、個人および集団レベルにおいて、集団内コンフリクト・協働・社会的スキルの三者の関係を自然な学習環境の中で検討した研究はほとんど存在しない
リサーチクエスチョン
①高校のCPBLにおいて、各種類の集団内コンフリクトを引き起こす個人差要因は何か
②社会的スキルは、個人および集団レベルにおいて、CPBL中の集団内コンフリクトおよび協働にどのような影響を与えるか
方法
・対象:高校生9年生および10年生(14〜16歳)111名
CPBL授業受講者:2つの教室で計3プロジェクト(1+2)
・方法:オンライン質問紙調査+インタビュー
(質問紙調査)
・コンフリクト:各プロジェクト終了時に、参加者は自らのチームにおける各コンフリクトの頻度を「全くない(Never)」から「常にある(Always)」までの7件法で回答
・社会的スキル:Riggio(1986)の6次元モデルで自分自身の能力を「非常に低い(Extremely poor)」から「非常に高い(Extremely good)」までの7件法で回答
・協働:Dillenbourg(1999)が提唱した協働の3つの特徴(相互作用性(interactivity)、同時性(synchronicity)、交渉性(negotiability))について回答
・分析:RQ1:質的分析(原因特定) 、RQ2:マルチレベルSEM(個人×グループ)
・Fig 2:SEMモデル

主な結果
RQ1
・コンフリクトは同時に起こる:多くのグループで複数のコンフリクトが同時発生
・特に、タスク × 関係性、プロセス × 関係性が多い
・「タスクだけ発生」はほぼない
・コンフリクトの発生メカニズム
・タスクコンフリクト:原因(Trigger):視点・関心の違いから発生

・プロセスコンフリクト
・原因:社会的手抜き(social loafing)から発生
・関係性コンフリクト
・原因: 性格の不一致、社会的スキルの欠如から発生

RQ1のまとめ
・メンバー間の視点や関心の違い→タスクコンフリクト
・社会的手抜き→プロセスコンフリクト
・社会的手抜き→プロセスコンフリクト→関係性コンフリクト
・性格の違い→関係性コンフリクト
・社会的スキル欠如→関係性コンフリクト→タスクコンフリクトを関係性コンフリクトへ転化

RQ2
・社会的スキルの役割(SEM結果)
・社会的スキル:集団内コンフリクトと負の関連、協働とは正の関連
・集団内コンフリクトの管理および協働においては、個々のメンバーの社会的スキルよりも、グループ全体としての社会的スキルの方が重要
・個人レベル:有意でない、グループレベル:有意
→グループ内に社会的スキルの低いメンバーがいたとしても、他のメンバーの社会的スキルが高ければ、その影響はグループ全体には及ばない

◆理論的示唆
・タスク・プロセス・関係性コンフリクトは同時に発生しやすく、タスクコンフリクトの正の効果を阻害する可能性がある
・社会的スキルは、コンフリクト解決と協働促進に重要な役割を持つ
・社会的スキルの欠如は、関係性コンフリクトを引き起こす主要因
◆最重要発見
・個人よりも「グループ全体の社会的スキル」が重要
・理由: 高スキル者がコンフリクトを調整する、他者がその行動を学習する(社会的学習)
◆教育実践への示唆(グループ編成)
・高い社会的スキルを持つ学生を各グループに配置すると有効
・グループ全体へのスキルトレーニングより効率的
・学習者データを用いた意図的なグループ編成(テクノロジー活用)が有効
◆コンフリクトマネジメント
・タスクコンフリクト: 促進すべき(学習に有益)
・プロセス・関係性コンフリクト: 抑制・管理すべき(協働を阻害)
◆タスクコンフリクトの促進方法
・異なる視点・関心を持つ学生を同じグループにする
・教師が批判的・探究的な問いを提示(※ただし最低限の共通知識は必要)
◆プロセスコンフリクトの低減方法
・手続き的足場かけ(構造化)
・社会的手抜きの防止
・同一メンバーでの継続的なグループ活動
◆実践的手法
・グループ契約・ルール設定
・ベンチマーク(中間成果)の設定
・チーム管理ツールの活用(進捗の可視化)
◆関係性コンフリクト
・原因: 性格の衝突、社会的スキル不足
・性格多様性の影響は一貫していないため今後の検討が必要
◆社会的スキルの効果
・協働を促進(先行研究と一致)
・タスクコンフリクト→ 関係性コンフリクトへの転化を防ぐ
・グループレベルで高めることが重要
◆社会的スキル向上の方法
・高スキル者と低スキル者を同一グループに配置
・プロジェクト開始時のワークショップ
・プロジェクト中・後の個別フィードバック
◆限界
・特定の文脈に依存(米国中西部の高校)している可能性
・自己報告データを使用しているため、内容に関しては歪みが生じる可能性
・質問紙は、各コンフリクトタイプと他変数との関係を十分に検討するには不十分である可能性
◆今後の課題
・各コンフリクトタイプを引き起こす個人差要因を、さまざまな文脈で検討する必要
・タスクコンフリクトを促進し、プロセスおよび関係性コンフリクトを抑制する方法について、実証的な検証と精緻化が必要
・コンフリクト、協働、および社会的相互依存理論が想定する他の要因(正の相互依存、個人責任、促進的相互作用、グループプロセス)との関係を検討する必要(※本研究はこれら5要因のうち1つのみを扱っているため、残りの要因との関係も今後の重要な研究課題)
ここまで。
非常に面白い内容でした。自分が担当するPBLの授業は基本的にグループでの協働で実施しており、グループによってうまくいく/いかない様々なパターンが散見されていたのですが、当論文のコンフリクトと社会的スキルの知見を得たことで、より解像度高くこの問題を理解できたように思います。
3つのコンフリクトのうちタスクコンフリクトのみが学習にポジティブで、それは、グループ編成(異なる視点・関心を持つ学生を同じグループに)と問いの設定で促進することができる。
プロセスと関係性コンフリクトは協働にネガティブなので、抑制すべきである。
プロセスコンフリクトは、社会的手抜きから発生するため、以下のような取り組みが効果的。
・手続き的足場かけ(構造化)
・社会的手抜きの防止
・同一メンバーでの継続的なグループ活動
関係性コンフリクトは、性格の衝突、社会的スキル不足から発生する。特に、社会的スキルの欠如は、関係性コンフリクトを引き起こす主要因である。一方、個人よりも「グループ全体の社会的スキル」が重要である。高スキル者はコンフリクトを調整し、他者はその行動を学習する(社会的学習)。
社会的スキルを高めるためには、以下のような取り組みが効果的である。
・高スキル者と低スキル者を同一グループに配置
・プロジェクト開始時のワークショップ
・プロジェクト中・後の個別フィードバック
今後の授業や研究では、3つのコンフリクトの観点からも眺め、より協働や学習が促進されるよう工夫していきたいと思いました。
以下、メモ。
協働(Collaboration)
・協働とは、CPBLにおいて、集団メンバーが社会的認知的コンフリクトを能動的かつ建設的に解決することができる、特定の社会的相互作用および学習プロセス
・協働とは、集団メンバーが知識、意見、アイデアを交換するだけでなく、感情も共有するプロセス
・プロジェクトにおける協働には、メンバーの役割や責任の決定、集団プロセスの調整など、タスク遂行に関するロジスティクスも含まれるため、社会的認知的コンフリクト以外にもさまざまな種類のコンフリクトが生じるのは自然なこと
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